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【松林図屏風】国宝級の名画が長野県箕輪町へ!アウトリーチプログラム開催[東京国立博物館・文化財活用センター]

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箕輪町発足70周年記念、博物館事情のひとつ『東京国立博物館から“松林図屏風(高精緻複製品)”がやってきた!』が開催されました。

松林図屏風(高精緻複製品)は、文化財の劣化を防ぎつつ多くの人が親しめるよう、キヤノン株式会社と京都文化協会による「綴プロジェクト」の一環として制作されたものです。
現在は、文化財活用センターの事業(アウトリーチプログラム)として展示・活用されています。

展示期間は、2025年10月4日(土)から10月13日(月・祝)であり、10月11日(土)には、東京国立博物館、文化財活用センターのスタッフによる対話形式で鑑賞ポイントを紹介する「見て、感じて、楽しむ松林図屏風」が開催。町内外から多くの来場者が訪れました。


《松林図屏風》が語る“静寂”の美

松林図屏風は、安土桃山時代を代表する絵師・長谷川等伯(はせがわ とうはく)による作品です。

16世紀に制作されたこの作品は、故郷の七尾(現在の石川県)の海岸を描いたといわれています。描かれているのは松林と左隻(左側の屏風)の雪山だけですが、松林の奥行や漂う髪、移りゆく光などが感じられ、ここには一面の松林があり、霧で一部しか見えていない事を想像させます。冬の早朝の景色がはかなく消えてゆく、その一瞬を切り取って描いたこの作品は、制作動機が不明で、紙の継ぎ目が不規則である事、印が他の作品と異なる事など、不自然な点も多く、下書きだったのではないかともいわれる謎の多い屏風ですが、日本の水墨画の完成形ともいわれています。


屏風は「使う美術」だった

屏風は本来、“風を屏(ふせ)ぐ”という名の通り、生活の中で使われる道具でした。“飾って眺める美術”ではなく、使いながら楽しむ文化が当たり前でした。

屏風は現代でいうパーテーションのような役割を果たし、自然光やろうそくの灯りの中で日常的に目にするものでした。鑑賞環境そのものが作品の見え方を変える要素だったのです。


高精緻複製品ならではの体感

ガラスケース無しで近づいて見ることができるため紙の質感や筆跡、墨の濃淡を鑑賞できました。また、行燈、和蝋燭、月明かりをイメージした灯りに蛍光灯の灯りで見え方の変化を体感できる特別プログラムでもあり、見比べる鑑賞ができました。

「まるで霧が動いているよう」「孤独な冬の海岸に立っている気分になる」「構図の精密さがよく分かるけれど、情緒は薄れる気がした」など、灯りや見る人によって様々な印象をうける特別な体験セミナーでした。


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