【あみだくじ】実は公平じゃなかった!? なぜ「あみだ」というのか?意味と由来に当たりを引くコツも。
あみだくじの歴史
江戸時代から庶民の間で流行したあみだくじですが、その起源は室町時代に遡ります。実は、室町時代のあみだくじは、現代のものとは形も使い方も異なります。
まず室町時代のあみだくじは現代のようなはしご状ではなく、中心から放射状に広がった円形でした。さらに、現代のくじの横線に当たる線もありません。つまり当時のあみだくじは、人数分の線を放射状に書き中心にくじの結果を書いて、各人が1本線を選び、その先に書かれた結果を発表するという、とても単純な仕組みだったのです。
また室町時代のあみだくじの線の中心部分には、それぞれ「金額」が記されることが一般的でした。あみだくじはお金を出し合って物を買う時に、誰がいくら出すかを決めるためのものだったのです。
あみだくじの語源と由来
あみだくじは、その名の通り仏教の「阿弥陀(あみだ)」が語源です。阿弥陀仏は西方の極楽浄土にいるとされている仏で、「南無阿弥陀仏」の念仏でも知られていますよね。
阿弥陀仏の像を見てみると、後頭部から「光背」と呼ばれる光の線が放射状に広がっています。
光背の形が室町時代のあみだくじと似ていることから、阿弥陀仏の名前を借りて名づけられたと言われています。また、くじの結果に対して不満が出ないよう「阿弥陀仏の意志」がこめられていると示したという点も忘れてはいけません。
古くからくじは占いの一種と考えられ、神仏の意志を知るための神聖な行為でした。特に政治の重要な場面でも用いられることもあり、室町幕府の将軍、足利義教もくじ引きで決まった将軍として知られています。
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あみだくじの作り方
はしご状のあみだくじの作り方をご紹介します。
[1] あみだくじの参加者数分、縦の線を引く
[2] 線の下にそれぞれくじの結果を書き、結果が見えないよう折って隠す
[3] 参加者全員で、好きな数の横線を引く
これであみだくじは完成です。
あみだくじの仕方
続いて、あみだくじのやり方をご紹介します。
[1] 縦線の上に、参加者の名前を書く
[2] 名前を書いたところから、縦線と横線をたどって下に向かう
[3] たどり着いた結果をチェックする
これで、あみだくじによるくじ引きは完了です。
当たる確率
あみだくじは公平な抽選方法ではないことをご存じでしょうか。
実はあみだくじには、誰でもできる「当たる確率を上げるポイント」があるんです。数学的に考えると、あみだくじは「当たりの真上の線」が最も当たる確率が高くなります。さらに横線の本数をなるべく少なくすると、より当たる確率を上げることができるのです。
つまり公平にあみだくじを行うためには、上のようなインチキができない状況を作らなければいけません。
あみだくじを行う際の注意点は、以下の3つです。
(1)あみだくじの作成者は、最後に場所を選ぶ
(2)または、参加者以外にあみだくじを作ってもらう
(3)横線はなるべく多く書く
不平等にならないよう、上記のポイントを押さえてくじ引きを作成してくださいね。
まとめ
何気なく使っていたあみだくじも、歴史や数学の知識を付けてから作ってみると、違った印象を持つかもしれません。
「阿弥陀仏の意志」がこめられているとくじの結果に対して不満を言えなくなりますね。
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