【結果発表会】168,405人のこどもたちが選んだベスト10! 第3回『小学生がえらぶ!“こどもの本”総選挙』
この記事の目次
同率9位
ほねほねザウルス ティラノ・ベビーのぼうけん
原案・監修/カバヤ食品株式会社
作・絵/ぐるーぷ・アンモナイツ
2008年 岩崎書店
カバヤ食品から発売の大人気の玩具菓子が楽しい読み物になったのがこの“ほねほねザウルス”シリーズです。主人公のティラノサウルスのベビーは親友のトリケラトプスのトップス、ステゴサウルスのゴンちゃんと一緒に冒険の旅に出ます。謎解き、敵との戦いなどわくわくするストーリーに迷路やクイズなどが盛りたくさんの作品です。
投票用紙に寄せられたコメント(一部)
「わるいわるものの三にんぐみがしょうぶしてまけてきゅうにやさしくなったのがおもしろいとおもいました。 」(小2)
ぐるーぷ・アンモナイツ 大崎さんコメント
今回は名誉ある賞を頂きましてありがとうございます。なによりも嬉しいのは、こどもたちが自分で選んでくれたっていうのが一番嬉しいですね。本当にありがとうございました。
同率9位
スイミー ちいさなかしこいさかなのはなし
著/レオ=レオニ
訳/谷川俊太郎
1969年 好学社
主人公の小さな黒い魚スイミーは、兄弟みんなが大きな魚に飲まれひとりぼっちに。海を旅して出会った仲間と大きな魚に立ち向かいます。教科書にも掲載されるなど1969年の刊行後、世代を超えて愛され続ける作品です。
投票用紙に寄せられたコメント(一部)
「あかいさかながスイミーとこれからたくさんのぼうけんができるとおもうとわくわくするからです。」(小1)
好学社さんコメント
レオ・レオニさんはお孫さんのために絵本を作り始めたんですけれども、今日はレオ・レオニさんが絵本を作るきっかけとなったお孫さんのアニー・レオニさんからコメントを頂いておりますので私の方で代読いたします。
日本の読者の方々から「スイミー」にこのような名誉を頂き大変光栄に思うと共に恐縮しております。小さなスイミーは世界中のこどもたちの想像の海を泳いできましたが、日本のこどもたちには特に愛され続けていると実感しています。協力し合うことの大切さや実現不可能なことを追い求める者やデザイナーといった存在がいかに大切であるかをこの話は伝えています。投票結果を喜ぶとともに、2023年に出版60周年を迎える「スイミー」はとてもふさわしい名誉だと思いました。
最後にスイミーをはじめ多くの幼童作品を読んでくださる日本のみなさまに感謝申し上げます。ありがとうございます。そしてこれからも本のある世界を楽しんでください。
第8位
四つ子ぐらし ① ひみつの姉妹生活、スタート!
作/ひの ひまり
絵/佐倉 おりこ
2018年 KADOKAWA
「四つ子ぐらし(1)ひみつの姉妹生活、スタート!」は著者のひの ひまりさんのデビュー作。2018年の刊行後、昨年シリーズ10作目を迎えました。ひとりぼっちだと思っていた主人公、実は四つ子だった。それぞれ別の場所で育った4人がひとつ屋根の下で暮らすキュートな姉妹生活が大人気の作品です。
投票用紙に寄せられたコメント(一部)
「子どもだけでがんばってくらしているところ︕ 4人だけで家事や学校に行っていてたまにトラブルがあるけど、きずなをふかめていくよ︕」(小5)
ひの ひまりさんコメント
このたびはこどもの本総選挙で「四つ子ぐらし」に投票してくださってありがとうございます。
これからも心躍るようなお話をたくさん書いていきたいと思います。読者のみなさんにも四つ子ぐらしの四つ子ちゃんと一緒にドキドキわくわくしてもらえたら、とてもうれしく思います。このたびは本当にありがとうございました。
第7位
りゆうがあります
作・絵/ヨシタケシンスケ
2015年 PHP研究所
「りゆうがあります」は人気絵本作家ヨシタケシンスケさんによる親子で笑えるユーモア絵本です。貧乏ゆすりをしたり、ストローをガシガシしちゃったり、こどもたちがついやってしまう癖には実はちゃんとした理由があるんです。こどもたちが考え出した思いもよらない理由がいっぱいの作品です。
投票用紙に寄せられたコメント(一部)
「つぎつぎに、「ぜったいないでしょ」といういいわけみたいな理由をてれながらいう所がおもしろいと思ったからです。」(小3)
ヨシタケシンスケさんコメント
「りゆうがあります」という本におもしろいと投票してくださった方がたくさんいらっしゃったということで、とても嬉しいです。ありがとうございます。
この「りゆうがあります」というのは主人公の男の子がいろんな理由をでっちあげる話なんですけれども、やっぱりどんなことにも理由があるわけで、それぞれの理由を考えて自分にとって大切な理由ってなんだろうみたいなことを考えるきっかけになってくれると嬉しいなと思います。これからもたくさん読んでいただけると嬉しいです。今日はありがとうございました。
第6位
5分後に意外な結末1 赤い悪夢
編/学研教育出版
2013年 学研プラス
「5分後に意外な結末1 赤い悪夢」は5分程度の時間で読めてラストには、あっと驚くどんでん返しが魅力の5分後に意外な結末シリーズの第1作。シリーズ累計390万部を突破。朝読にも大人気のシリーズです。
投票用紙に寄せられたコメント(一部)
「一番さいしょは、主人公がかわいそうだなと思っても、さい後はドンデン返しがまっているというかんじで、わかっていても、ドンデン返しにひっかかってしまうから。」(小4)
学研プラスさん
このシリーズは、多くの方に関わっていただいて作っておりますので今日は私、編集担当がお礼を申し上げたいなと思っております。
初めて表彰のことをお伺いした時に、相撲の番付になぞらえられていたので、前頭二枚目に選ばれましたと聞いたのでちょっと実感があんまりわかなかったんですけれども。今日、こういう場に立たせて頂いて6位というのを伺うと本当に実感がわいてきます。
元々このシリーズは中学生くらいを対象として作っているんですけれども、他社様ですがベストセレクションということで文庫本も出させて頂いて一般の読者の方が読まれているんです。大人の方もお読みいただけるし、今回、小学生に選ばれたということで、非常に多くの層で読んでいただけていて本当にありがたい事だと思っております。ありがとうございます。
第5位
劇場版 鬼滅の刃 無限列車編 ノベライズ みらい文庫版
原作/吾峠呼世晴
著/松田朱夏
脚本/ufotable
2020年 集英社
大人気のコミックス鬼滅の刃、昨年公開され日本の歴代興行収入1位を記録した映画「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」が小説になって登場。映画に負けずノベライズ版も小学生の間で大人気となりました。
投票用紙に寄せられたコメント(一部)
「映画と違って小説なのではやくよめるし、なんかいもよめておもしろいし、みればみるほどおもしろさがあっぷするから」(小3)
集英社さんコメント
これからの日本の未来を作るこどもたちにおもしろい本をお届け出来てとても嬉しいです。素晴らしい物語を紡いでくださった吾峠呼世晴先生、松田朱夏先生、ufotableさん、そしてこの本に関わってくださったすべての方々に御礼申し上げます。ありがとうございました。
第4位
りんごかもしれない
作/ヨシタケシンスケ
2013年 ブロンズ新社
「りんごかもしれない」はヨシタケシンスケさんの絵本デビュー作です。テーブルの上にりんごが置いてあった。でも、もしかしたらこれはりんごじゃないかもしれない。もしかしたら大きなさくらんぼの一部かもしれないし、心があるのかもしれない。こんなふうに考えることを果てしなく楽しめる発想絵本です。
プレゼンター(小3)のコメント
主人公の男の子が机の上に置いてあったりんごをいろいろと想像して、実は何かの卵かもしれないとか、主人公の男の子を捕まえるための罠かもしれないとか、考えているのがおもしろいなと思ったからです。1つのことからたくさん想像を膨らませる要素が、読んでいてわくわくして楽しかったです。
ヨシタケシンスケさんコメント
毎回、選んでいただきまして、本当に嬉しい気持ちです。この本を見てわくわくしてくださっている方がたくさんいらっしゃると思うと、これからも絵本を書いていくことに勇気を頂いています。
この「りんごかもしれない」という本は色々な事をあれかもしれない、これかもしれないという可能性をたくさん増やして考えていくという本なんです。
今こういう状況の中で、なかなか思いどおりにいかないこともたくさんあるかと思うんですけど、こういう捉え方もできるかもしれないとか、こういうふうにしておもしろがることも出来るかもしれない。そういう形で何か色々な可能性を考えるきっかけになってくれたりとか、いろんな考え方があるということを楽しみながら、やってみたくなるようなきっかけになってくれたらいいなと思います。
第3位
あるかしら書店
著/ヨシタケシンスケ
2017年 ポプラ社
「あるかしら書店」はこんな本あったらいいなが詰まった最高に楽しい妄想書店を描いた作品です。月明かりの下でしか読めない月光本。2つの本を合わせて初めて読むことができる2人で読む本などなど。読んだらきっと本ってやっぱりいいよねと言いたくなってしまう1冊です。
プレゼンター(小3)のコメント
作家の木の育て方のお話の、木にいろんな本がなるところがおもしろくて、読んでみたくなってうきうきしました。カリスマ書店養成所のページで訓練している人が難しそうな表情でぶつぶつしながらご飯を食べている絵とか、ヨシタケさんの本はぷっと笑っちゃう絵がいっぱいあっておもしろいので、もっともっと読みたいです。どんどんヨシタケさんの本を集めてヨシタケさんの本の家にしたいです。
ヨシタケシンスケさんコメント
「あるかしら書店」というのは、いろんな本が出てくる話です。
好きな本は?おすすめ本はどれですか?っていう中でこの本を選んでいただけたというのはとてもうれしくて、本が出てくる本をすすめてくれたということでとても嬉しいです。
本というのは100年前の人の気持ちがわかったり、地球の反対側に住んでいる人のおもしろさが一緒に共感できたり、とてもいいものだと思います。「あるかしら書店」に出てくる本は実際に無い本もあるんですけれども、「あるかしら書店」を読んでくれたお子さんたちが、“こういう本はあってもいいと思うな”とか“僕だったこういう本を将来作ってみたいな”とか。本に関わる何かになってみたいなと思ってくれたらとても嬉しいなと思います。たくさんの方に支持していただいて本当に嬉しいです。ありがとうございます。
第2位
おもしろい! 進化のふしぎ ざんねんないきもの事典
監修/今泉忠明
2016年 高橋書店
「おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典」は、生き物の残念な一面に光をあてた初めての本です。紫外線を浴びると光るサソリや、敵に襲われると死んだフリをするオポッサムなど不思議な生き物を122種紹介しています。シリーズ累計455万部突破のベストセラーです。
プレゼンター(小2)のコメント
私がこの本に投票した理由は、私が生き物が好きだからです。それから生き物についていろいろ詳しい説明が書いてあるので、おもしろかったからです。大人も知らないことがたくさん書いてあると思うので、読んだことがない人は読んでみてください。
今泉忠明さんのコメント
全国の小学生のみなさん、ありがとうございました。
長い間、モグラとかコウモリとかネズミとかを調べてきて良かったなと思っています。その時に得た知識、これがざんねんないきもの事典に役立っています。みなさんありがとうございました。
第1位
ふしぎ駄菓子屋 銭天堂
作/廣嶋玲子
絵/jyajya
2013年 偕成社
「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」は幸運な人だけがたどり着ける、不思議な駄菓子屋が舞台の物語。女主人・紅子がすすめる駄菓子がお客さんの運命を翻弄するドキドキ感が魅力の作品です。第1回から順調に順位を上げまして、遂に今回ベスト1位に選ばれました。
プレゼンター(小2)のコメント
僕は自作の小説を書いています。その言い回しは銭天堂を参考にしています。なぜかというと、初めて銭天堂を読んだ時自分が舞台の銭天堂にいるかのようだったからが思い浮かんですごいなと思ったからです。
廣嶋玲子さんコメント
この賞は、こどもが選んでくれるという賞で、こんな素敵な賞はないと思っておりました。
その中で1人でも選んでいただいたら本当に嬉しいなと思っていたところをなんと1位に頂けたということが、本当に嬉しくてたまりません。
本を書いていて良かったなと今本当に心から思っております。ありがとうございました。
又吉直樹さんコメント
本当に幅広い作品があって、廣嶋先生もおっしゃってましたけども、16万8,000人以上のこどもたちが選んだそれぞれの1位があって、自分のこととして考えた時、その1人に選ばれること自体すごいうれしいし、それがこれだけ多くの人に選ばれるというのは、素晴らしいことだなと思いました。
こどもたちが、こういう総選挙に参加してたくさんの本を読んで、自分はこの本が好きだという、その本のために行動を起こしているわけじゃないですか。それってすごい思いの強さだと思うんですよね。
1つの本をこれだけ好きだということを自分で表明できるというのは、それはやっぱり人に伝わっていくだろうし。
自分の中でこの本が大好きだという思いがある人は、他の人が好きだって言った本はどうなんだろうということを想像する力もあると思うんですよね。
もちろん好みはあると思うんですけど、いろんな本と人を繋げていくきっかけとしてすごくいい場になっているなと改めて思いました。