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【和綴じ】装飾的で耐久性もある!糸を使った伝統的な製本技術。様々ある綴じ方の種類や意味を紹介

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「和綴じ」ってご存知ですか?

和綴じは、糸を使った伝統的な製本技術で、世界的にも丈夫で優れた製本方法として知られています。元々は中国で発祥した技術ですが、日本では平安時代に創られ、江戸時代の印刷技術の普及とともに独自の発展をしました。

和紙と糸を用いて製本するため軽くしなやかに仕上がり、崩れにくく、仕立て直しもしやすく、和の雰囲気と作り手のぬくもりが感じられ密かにブームを迎えています。また、綴じ方ひとつひとつに由来や意味があり、縁起物としてプレゼントに用いられる場面もあります。

繊細な技術から織りなす和綴じ製本の様々ある綴じ方をご紹介します。



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和綴じの種類

三つ目綴じ

三つ穴をあけて糸で綴じるとことから「三つ目綴じ」と呼ばれています。綴じ目が三つと少ないことから、小さな和本を仕立てるのに向いています。


四つ目綴じ

和綴じの基本となる型です。もっともポピュラーな型で、四つ穴をあけて糸で綴じるところから「四つ目綴じ」と呼ばれます。背の上下に角切れという布片(紙片)を張るのが特徴です。

本来は補強の意味でされたのですが、どのような布片(紙片)を使うかによって、本の印象が変わるので作り手によっていろいろな顔になるのが醍醐味です。


高貴綴じ

中国清朝代の皇帝、康熙帝(こうきてい)が好んで用いた綴じ方と言われています。そこからいつしか「高貴綴じ」と呼ばれるようになりました。

「三つ目綴じ」とは反対に大きな和本を仕立てるのに向いています。その際角がめくれやすいので、補強と装飾のために角を二重にして綴じています。


麻の葉綴じ

綴じ上げた糸の模様が麻の葉に似ていることから、その名がつけられました。見た目も綺麗で優雅な模様が特徴的です。

麻の葉は生命力が強く、まっすぐ早く成長するので子供への健やかな成長の願いが込められています。また、模様そのものに邪気を払う力があると信じられており、聖なる植物とも言われております。持っているだけで気持ちが凛としそうですね。


亀甲綴じ

文字通り亀の甲羅のような模様が特徴です。亀は長寿の象徴であり、とても縁起の良いのものです。

「四ツ目綴じ」がベースとなっているので、「四ツ目綴じ」を習得していれば亀甲綴じも難しくありません。穴と穴の間が狭くなっているので、丈夫な紙を使用すると良いでしょう。


大福帳

「大福帳」とは文字通り「大きな福」を呼ぶことからつけられた、商業帳簿のことです。特に顧客との取引状況を明確にしたもので、目的別に作られる買帳、売帳などとは違い全体を総括した帳簿です。

江戸時代から大正まで使われており、現代でいうところの顧客データベースのようなものです。火事が起きると商品よりなによりも先に「大福帳」を守ったと言われています。この「大福帳」にももちろん和綴じが用いられております。



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角切れ

角切れとは、綴じた背の角がつぶれないように当てる布片(紙片)のことを言います。装飾の一種にもなっており、和綴じの上品さを演出しています。

強度の補強である一方、外気に触れることがないことから、虫食いの原因にもなっていたようです。


題せん

題せんとは、本の名前や巻数を示すために張り付けた短冊状の用紙のことを言います。題せんには文字で書名などを明記する以外にも、絵を描いた絵題せんというものもあります。貼付位置としては表紙の左肩か中央に張られることがほとんどです。


まとめ

和綴じは日本を代表する伝統的な製本技術です。

四つ目綴じを基本とし様々な綴じ方があり、使用する糸や紙、綴じ方が違うだけでガラッと雰囲気が変わります。

温かみのある和綴じアイテムを身近に取り入れてみてはいかがでしょうか。また、ご自身でも和綴じ製本はできますので、ぜひチャレンジしてみてください。



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