【草木染め】初心者でも簡単にキレイに染まる!草木染めの方法と代表的な染め色
草木染めとは
自然に生えている植物や木、時には野菜や果物の皮など、天然の植物を染料として布や糸を染めることを「草木染め」といいます。
「草木染め」という名前で呼ばれるようになったのは昭和初期頃からですが、自然の植物で染めるという技術自体は紀元前数千年以上も前から確立されていたと言われています。
ほとんどすべての植物が、染料になると考えて良いでしょう。
特に日本は、四季があり雨の多い温帯地方であることから、植物の種類がきわめて豊富にあり、染色・染織の文化が発達したと考えられてます。
草木染めと命名されたのは、作家の山崎斌が1930年12月に資生堂ギャラリーで行った「草木染信濃地織復興展覧会」が創始とされています。
その際に登録商標をしましたが「草木染を愛する人に自由に使用してもらいたい」という願いから、息子の山崎青樹は追加申請を行っておりません。
用意する道具と材料
草木染めをするのに必要なものがあります。
道具
まず1番大事なのは鍋の素材です。
材料を煮出して染液を作るのに使用するのですが、鉄やアルミ、銅製のものだと化学反応を起こしてしまいますので、必ず指定した鍋で行ってください。
▶︎ ステンレスまたはホーローの鍋
▶︎ 菜箸または棒
▶︎ バケツまたはボール
▶︎ はかり
▶︎ 軍手
▶︎ ゴム手袋
材料
染めたいものは天然繊維を選んでください。化学染料は染まりません。ミョウバンは薬局などで販売している焼きミョウバンでも大丈夫です。
▶︎ 染めたい植物
▶︎ ミョウバン
▶︎ 綿・麻・絹・羊毛などの天然繊維
草木染めの方法
[ 1 ]
まずは染液を作ります。
・用意した植物を色が濃く出るように細かく刻みます。
・鍋の大きさの半分ほどの量の材料があれば十分です。
・材料を刻み終えたら水を入れて蓋をして火を掛けます。
吹きこぼれないように注意しながら約1時間ほど沸騰させておきます。
[ 2 ]
用意した材料を水で濡らします。
表面だけでなく中までしっかりと濡らすのが綺麗に染めるコツです。水の中で材料を絞ってブクブクと泡がでなくなれば大丈夫です。
[ 3 ]
材料をお湯で溶かしたミョウバンに30分ほどつけておきます。
・ミョウバンの量は材料の重さに対して8%程度で大丈夫です。
・ミョウバンにつけておくことで色が定着し、色を綺麗に発色させる効果があります。
・30分つけ終わったら水で軽くすすいでください。
これで、材料の準備が終わりです。
[ 4 ]
出来上がった染液に天然繊維を浸けます。
・この時、材料は邪魔になってしまうので網ですくったり、ザルでこして、先に捨てます。
・染液は熱い状態の方がよく染まるため、軍手とゴム手袋をしてください。
[ 5 ]
[4]の天然繊維を取り出し水で洗います。
・好きな濃さの色になるまで浸けます。
・水で色がでなくなるまで洗います。
[ 6 ]
乾燥(日陰干し)して完成です。
染液を作る際に材料を多く入れたり、長く材料を浸けておくことで、染まる色が濃くなりますが、もっと濃く染めたい方は材料を「豆乳」や「大豆の煮汁」などのたんぱく質に浸けておくとより濃い色に染まります。
染め色
草木染めの染め色は思いがけない色が出てくることもあり、植物の見た目からは想像がなかなかつきません。
そこでほんの一部ですが植物とその染め色のご紹介をしていきます。
サクラ
桜は花ではなく枝で染めます。時期は花を咲かせる前の2~3月が最適です。染め色は桜の花のような綺麗なピンク色です。
ヨモギ
よく道端に見かけるヨモギ。春ごろが一番見かけますが年中染めれます。染め色はヨモギらしい緑ですが、時期によったり、染めてから時間がたつと黄色に近くなります。草木染めでは緑になる植物は少ないです。
タマネギ
集めやすい材料です。玉ねぎは本来捨ててしまう皮を使います。染め色は鮮やかな黄色です。
コチニール
コチニールは染料として販売されています。カイガラムシなどが持っている色素を取り出したものです。染め色は紫です。水で薄めて染めればピンクに染まります。
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まとめ
あまりなじみのない草木染めですが、自然の色は化学染料にはない美しさがあります。
自身のお洋服を1枚、好きな色に染めてみるのも楽しいと思います。
ぜひ試してみてください。
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