【障子絵】8K画像で拡大観覧できる文化財! 国宝『聖徳太子絵伝』展示開催[東京国立博物館・宝物殿]
この記事の目次
現存最古の聖徳太子絵伝
国宝「聖徳太子絵伝」は、かつて奈良・法隆寺の絵殿を飾っていた大画面の障子絵です。
およそ千年前の平安時代、絵師・秦致貞によって描かれました。
聖徳太子は用明天皇の第二皇子で、飛鳥時代、推古天皇のもと仏教の興隆や遣隋使の派遣、十七条憲法の制定などに力をつくしました。
太子の伝記『聖徳太子伝暦』が10世紀に成立したのち、その生涯を絵画化した絵伝が数多く作られました。なかでもこの国宝「聖徳太子絵伝」は、現存する絵伝では最古の作品、かつ最も優れた絵伝とされ、11世紀のやまと絵の説話画としても大変貴重です。
縦およそ2m、横1.5mの画面を横並びにして全10面からなる大画面には、聖徳太子の住まいがあった斑鳩(いかるが)のあたりを中心に、飛鳥や難波(現在の大阪府)、更に中国・衡山(こうざん)までを見渡す雄大な景観がパノラマのように描かれ、聖徳太子の生涯を追体験するかのような空間を作り出します。
8Kで文化財 国宝「聖徳太子絵伝」
8Kアートビューアー
国宝「聖徳太子絵伝」の高精細画像を、大型の8Kモニターに映し出すアプリケーションです。
タブレットを使った操作で、肉眼では見ることのできないレベルまで絵画を拡大することができ、描かれた聖徳太子の表情までつぶさにご覧いただけます。さらに「解説を見る」機能では、聖徳太子の生涯や場面解説もお楽しみいただけます。
2018年に日本語版を制作・公開し、好評を博した本アプリケーションは、海外の方もお楽しみいただけるよう、新たに英語版を制作しています。
また、国宝「聖徳太子絵伝」の見どころを凝縮したダイジェスト映像やアプリケーションの操作ガイド映像も新たに作成しています。
8Kアートビューアー画面
▼8Kアートビューアー動作
※簡易的な撮影動画になります。ご了承ください。
11歳、雲のように浮かぶ(部分)
▼11歳、雲のように浮かぶ(部分拡大 位置関係)
▼11歳、雲のように浮かぶ(8Kアートビューアー)
※簡易的な撮影動画になります。ご了承ください。
公開シンポジウム2019
複製がひらく文化財の未来
文化財をどのように守り、未来に伝えるか。
文化財の保存と活用という観点を踏まえた文化財保護法の改正や、観光立国政策の推進に文化財が果たす役割が位置づけられるなど、近年文化財をめぐる国の施策が大きな転換点を迎えたといわれています。そんななか、昨年、国立文化財機構に文化財活用センター〈ぶんかつ〉が発足しました。
〈ぶんかつ〉は、文化財の活用を多くの人が文化財に親しむ機会をつくることと定義し、その有効な手段のひとつとして、文化財の複製に注目しています。先端技術を用いて精巧に作られた複製が、これまでにない活用法によって、多くの人の目に触れるとしたら、オリジナルの文化財の魅力を一層広く伝えることができるのではないでしょうか。
このシンポジウムでは「文化財の複製」について「活用」がもたらす可能性や未来について議論します。
公開シンポジウム2019「複製がひらく文化財の未来」
2019年11月23日(土)
[会場]東京国立博物館 平成館 大講堂
[時間]13:00 開会(12:30 開場)
[料金]無料(ただし、当日の観覧券等が必要)
[申し込み ]事前参加申し込み制、先着順。申し込みフォームまたはFAXにて受付。
申し込みフォームはこちら >> https://cpcp.nich.go.jp/modules/r_form/index.php?id=12
※空席がある場合には、当日受付を行ないます。
2019年11月23日(土)17時から、東京国立博物館・法隆寺宝物館にて、ギャラリートーク 国宝「聖徳太子絵伝」ー微笑みの太子に出会うーも開催されます。事前申し込み不要です。ぜひ、参加してみてください。
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