日本のはじまり、ここにあり。日本書紀成立1300年 特別展「出雲と大和」開催[東京国立博物館]
日本書紀成立1300年 特別展「出雲と大和」の見どころ
出雲大社のご神宝、東京へ
出雲大社に古くから伝わる手箱や甲冑などのご神宝をはじめ、社殿を飾っていた絵画、境内から出土した巨大柱など、出雲大社の歴史を物語る作品を一堂にご覧いただけます。
大量の出土青銅器
国宝・荒神谷(こうじんだ)に遺跡出土青銅器(銅剣・銅鐸・銅矛)から計189点、国宝・加茂岩倉(かもいわくら)遺跡出土銅鐸のうち30個を展示します。これだけの数が東京でまとまって出品されるのは、およそ20年ぶりです。
出土数最多の三角縁神獣鏡
黒塚くろづか古墳の被葬者を護り鎮めた33面の三角縁神獣鏡は、1つの古墳から出土した数としては全国最多です。その全点を出品します。
門外不出の仏像、初公開
1300年の間、大和の地でひっそりと守り伝えられた最古級の石仏が寺外初公開されます。鋭い彫り口や、わずかに残る彩色などの細部にも要注目です。
日本書紀とは
神代から持統天皇11(697)年までを記した歴史書。
舎人親王(676〜735)が中心となって編纂し、養老4(720)年、元正天皇へ奏上されました。全30巻で、巻1・巻2は神代、巻3の神武天皇から巻30の持統天皇までは編年体でまとめられています。『日本書紀』の写本は、古本系統と卜部家本系統に分類されてきました。和銅5(712)年、編纂の歴史書『古事記』よりもたくさんの記事が収められ、現代までさまざまな視点から研究が続けられてきています。
重要文化財 日本書紀 巻第二(部分)[後期展示]
重要文化財 日本書紀 巻第二(部分) 南北朝時代・永和1~3年(1375~1377)後期展示(2/11~3/8) 愛知・熱田神宮蔵
熱田神宮に伝わり、15巻残っています。附属する永和3(1377)年の寄進状に、京都金蓮寺四代上人浄阿の意により円福寺三代厳阿が熱田神宮に奉納したことが記されています。卜部家の本をもとに写したと巻9の奥書にあります。
巨大本殿「出雲大社」
「幽」の世界を司るオオクニヌシをまつる出雲大社は、古代には48mの高さを誇ったといわれています。鎌倉時代に本殿を支えた巨大な柱「宇豆柱(うづばしら) 」とともに、出雲大社の歴史と出雲に伝来するご神宝の数々を紹介。
国宝 秋野鹿蒔絵手箱[後期展示]
国宝 秋野鹿蒔絵手箱 鎌倉時代・13世紀 後期展示(2/11~3/8) 島根・出雲大社蔵
重要文化財 赤糸威肩白鎧[前期展示]
重要文化財 赤糸威肩白鎧 室町時代・15世紀 前期展示(1/15~2/9) 島根・出雲大社蔵
重要文化財 宇豆柱
重要文化財 宇豆柱 島根県出雲市 出雲大社境内遺跡出土 鎌倉時代・宝治2年(1248) 島根・出雲大社蔵
古代祭祀の源流「出雲」
弥生時代は銅鐸など青銅器を用いた祭祀が盛行しますが、後に出雲では特徴的な形の墳丘墓を舞台とした祭祀へと変化します。弥生時代の祭祀に用いられた品々の移り変わりを通して、出雲における古代祭祀の源流を探る。
国宝 銅鐸
国宝 銅鐸 島根県雲南市 加茂岩倉遺跡出土 弥生時代・前2~前1世紀 文化庁蔵(島根県立古代出雲歴史博物館保管)
国宝 銅剣・銅鐸・銅矛(部分)
国宝 銅剣・銅鐸・銅矛(部分) 島根県出雲市 荒神谷遺跡出土 弥生時代・前2~前1世紀 文化庁蔵(島根県立古代出雲歴史博物館保管)
勾玉
勾玉 島根県出雲市 西谷3号墓出土 弥生時代・1~3世紀 島根大学法文学部考古学研究室蔵(出雲弥生の森博物館保管)
王権誕生の地「大和」
大和に出現した前方後円墳は政治権力の象徴で、王権の儀礼が繰り広げられた舞台でもあります。埴輪や副葬品にみる古墳時代の多彩な造形が豊かに展開するさまをたどりつつ、ヤマト王権の成立の背景に迫る。
国宝 七支刀
国宝 七支刀 古墳時代・4世紀 奈良・石上神宮蔵
画文帯神獣鏡
画文帯神獣鏡 奈良県桜井市 ホケノ山古墳出土 古墳時代・3世紀 奈良県立橿原考古学研究所蔵
重要文化財 画文帯神獣鏡・三角縁神獣鏡(部分)
重要文化財 画文帯神獣鏡・三角縁神獣鏡(部分) 奈良県天理市 黒塚古墳出土 古墳時代・3世紀 文化庁蔵(奈良県立橿原考古学研究所保管)
重要文化財 円筒埴輪
重要文化財 円筒埴輪 奈良県桜井市 メスリ山古墳出土 古墳時代・4世紀 奈良県立橿原考古学研究所附属博物館蔵
仏と政
古墳時代後期に伝来した仏教は、飛鳥時代や奈良時代には天皇、貴族、地方豪族を中心に人々の信仰を集めました。仏教を中心とした国づくりが進められるなかで、国の安泰と人々の生活の安寧を祈り誕生した造形を紹介。
重要文化財 浮彫伝薬師三尊像
重要文化財 浮彫伝薬師三尊像 飛鳥~奈良時代・7~8世紀 奈良・石位寺蔵
重要文化財 持国天立像(四天王像のうち)
重要文化財 持国天立像(四天王像のうち) 飛鳥時代・7世紀 奈良・當麻寺蔵 画像提供:奈良国立博物館(撮影:佐々木香輔)
重要文化財 持国天立像(四天王像のうち)
重要文化財 持国天立像(四天王像のうち) 平安時代・9世紀 島根・萬福寺(大寺薬師)蔵
日本書紀成立1300年 特別展「出雲と大和」
2020年1月15日(水)〜3月8日(日)
[会場] 東京国立博物館 平成館(〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9)
[開館時間] 午前9時30分~午後5時 ※金曜・土曜は午後9時まで開館 ※入館は閉館の30分前まで
[休館日] 月曜日、2月25日(火) ※ただし2月24日(月・休)は開館
[観覧料金 ] 一般1,600円(1,400円/1,300円)・大学生1,200円(1,000円/900円)・高校生900円(700円/600円)・中学生以下無料
※( )内は前売り/20名以上の団体料金 ※障がい者とその介護者一名は無料です。入館の際に障がい者手帳などをご提示ください。 ※前売券は2019年11月5日(火)から2020年1月14日(火)までの間、展覧会公式サイト、各種プレイガイド、東京国立博物館正門チケット売場(窓口、開館日のみ、閉館の30分前まで)で販売。
[展覧会公式サイト] https://izumo-yamato2020.jp/