【障壁画】徹底解説! ネット生中継『大乗寺・円山応挙一門の障壁画165面と立体曼荼羅を巡ろう』9月22日[ニコニコ美術館]
ニコニコ美術館「大乗寺」特集 注目の見どころ
注目ポイント1
13名の絵師による全165面の傑作襖絵を動画中継で!
円山応挙は、自身を含め彼の高弟など総勢13名で大乗寺客殿に全165面の障壁画を制作しました。「松に孔雀図」「郭子儀図(かくしぎず)」など応挙自身が手掛けた作品をはじめとして、客殿に配置された襖絵を網羅して生中継でレポート。
保存のため収蔵庫で大切に保管している襖絵も特別に観覧できます。副住職の山岨眞應(やまそばしんのう)さんと橋本麻里さんの詳細な解説で各襖絵に描かれた作品を紐解いていきます。
孔雀の間 円山応挙「松に孔雀図」(全16面のうち4面)1795(寛政7)年 兵庫・大乗寺蔵
芭蕉の間 円山応挙「郭子儀図」(全8面のうち4面)1788(天明8)年 兵庫・大乗寺蔵
注目ポイント2
十一面観音を中心に応挙が構想した「立体曼荼羅」を徹底解説!
応挙は、周到な計算の元、密教の教えを視覚化した立体曼荼羅を強く意識して客殿の障壁画を構想しました。
すなわち、仏間に安置された木造十一面観音立像(重要文化財)を中心として、その東西南北に十一面観音の四方を守護する四天王(持国天、広目天、増長天、多聞天)を象徴するようなテーマの障壁画をそれぞれ配置したのです。
中継では、副住職と橋本麻里さんが客殿を歩きながら、応挙の目指した宗教的世界観をじっくり紐解きます。絵師としてだけでなく、当代きっての空間プロデューサーでもあった応挙が作り上げた御仏の世界を追体験することができます。
注目ポイント3
円山応挙が大乗寺に仕掛けた光の「魔法」とは?
大乗寺の襖絵をプロデュースした円山応挙は、大乗寺にもうひとつ「魔法」を仕掛けていました。それが、光の加減で障壁画の見え方が大きく変化する一連の演出です。
孔雀の間 円山応挙「松に孔雀図」1795(寛政7)年 兵庫・大乗寺蔵
「松に孔雀図」は金箔張りの襖に墨で描かれていますが、墨の種類を使い分け、重ね塗りや濃淡の工夫をすることで、光の当たり具合により、松の枝は茶色に、松葉は緑がかり、孔雀の羽根に至っては黒色の羽根の表面が青光りして実際の孔雀の羽根の発色と同じように見えます。
また、座敷のどこに座っても一番明るい所に座っているように感じられ、座った人に光がスポットライトのように追いかけてきて、自分が部屋の中心にいるかのように感じられます。この感覚は、座敷の中に座ってしか感じられません。
応挙が仕掛けた光のトリックをリアルタイムで目撃できるまたとない機会です。
大乗寺について
大乗寺は天平 17 年(745 年)行基菩薩によって開山。
日本海を望む香美町から矢田川を少し遡った山沿いの丘陵地にあり、本堂、客殿、薬師堂、鐘楼、蔵などで構成されています。江戸中期(天明~寛政年間)、密英上人によって客殿が再建され、現在の大乗寺の姿となりました。この客殿再建時に、一連の障壁画制作に関わったのが、円山応挙でした。現在、大乗寺には円山応挙とその門人達総勢 13 名による障壁画 165 面が遺されており、いずれも重要文化財に指定されています。
住所:〒669-6545 兵庫県美方郡香美町香住区森 860
公式HP:http://www.daijyoji.or.jp/
公式 Facebook:https://www.facebook.com/ohkyo.daijyoji/
【ニコニコ美術館特別編】
『大乗寺・円山応挙一門の障壁画165面と立体曼荼羅を巡ろう』
[放送日程] 2020年9月22日(火)午後3時~
(https://live2.nicovideo.jp/watch/lv327742144)
[出演者]
大乗寺 副住職の山岨眞應(やまそばしんのう)さん
山岨眞應さん近影
橋本麻里さん
twitter >> https://twitter.com/hashimoto_tokyo