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【庭園】日本庭園の様式を解説!鑑賞のポイントも合わせてチェック

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日本庭園のはじまりは!?

日本で庭園が造られ始めたのは、今からおよそ1400年前の飛鳥時代だと考えられています。当時、朝鮮半島にあった百済からやってきた渡来人が、天皇によって作庭を依頼されたことが書物に記載されています。

その後、奈良時代になり平城京の整備が進むと、都市計画の一環として本格的に庭園の製作が始まっていきました。このときに造られたものは曲線を主体とし、池や川などの自然の美しさを重視した、いわゆる私たちがイメージする日本庭園の要素を多く含んでいました。


池泉庭園

[ちせんていえん]


この様式の庭園は自然の景色を写し取り、川や池などを中心に据えています。

金沢の兼六園や岡山の後楽園など、江戸時代に全国の大名たちによって造営された庭園にも、この様式が多く見られます。

また、鑑賞する方法によって、池泉庭園は以下の3つに分類されるので、その違いも頭に入れておいてください。


舟遊式[しゅうゆうしき]

池に浮かべた舟から鑑賞する方法


鑑賞式[かんしょうしき]

庭に下りずに座敷に座って鑑賞する方法


回遊式[かいゆうしき]

順路を定めて園内を歩きながら鑑賞する方法


舟遊式は平安時代の貴族が行った舟遊びがもとになっており、鑑賞式は書院や寺院の発展とともに生まれました。現在、観光地として訪れる機会が多いのは、3番目の池泉回遊式庭園と呼ばれるものです。

回遊式庭園は実際に歩いてみることにより、様々な角度から景色を楽しむことができるのがポイントとなっています。

例えば同じ池の景色でも、樹木や建物の映り込み具合や築山などから眺めることによる目線の高さの違いから、まったく異なった雰囲気を感じ取ることができます。庭園のパンフレットなどを参考にしつつも、自分のお気に入りのポイントを探してみるのも面白いかもしれません。

また、他の様式の庭園と異なり、季節の草花が植えられていることが多いのも特徴です。桜やツバキ、紅葉などの季節によって、違った表情を見せるのも池泉庭園の楽しみ方です。


枯山水

[かれさんすい]


先ほどの池泉庭園と対照的に、水をいっさい使用しないのが枯山水です。敷き詰めた砂の紋様や石組みによって、海や波、島などを表現し、その配置などを工夫することで雄大な自然の景観を想像させる効果があります。

枯山水は京都の龍安寺をはじめとする禅寺に造られていることが多く、そのシンプルな造形から、宗教的な願いや哲学的なメッセージも込められてきました。例えば、鶴や亀をモチーフにした岩は、神仙思想に基づく長寿の象徴とされています。また、須弥山しゅみせんという聖なる山を表現した石の組み合わせは、仏教のシンボルとして仏が住む世界を示しています。

このように枯山水では、砂や石の組み合わせが何を表現しているのかを読み解くことが鑑賞のポイントになっていきます。


露地

[ろじ]


最後の露地は、安土桃山時代に千利休が大成した茶の湯から生まれた様式です。露地は茶室に付属していることから茶庭とも呼ばれ、茶室への通り道としての役割を担っていました。

そのため、露地には心を落ち着かせ、体を清めるといった実用的な仕掛けが備えつけられているので、以下にその代表例を挙げておきます。


蹲踞[つくばい]

手を洗う場所。つくばって(しゃがんで)使用することからその名がついた。


飛石[とびいし]

通路に配置された石。歩きやすさと見た目のバランスが重視された。


腰掛待合[こしかけまちあい]

客が亭主の準備が終わるまで待つ場所。


露地は山里の雰囲気が演出されており、花や香りの少ない常緑樹を中心に構成されているのも大きな特徴です。

これは、お茶会の感動をより強く与えるために、露地には余計な花を除き、床の間に飾られた花を引き立てる効果が期待されているからです。


[わつなぎオススメ記事]


【茶道】草庵の茶室!? にじり口とは!? 茶室の成り立ちと役割、そこに込められた思想を解説


まとめ

3つの基本的な庭園様式「池泉庭園」「枯山水」「露地」。

特徴と鑑賞のポイントを意識したうえで日本庭園を鑑賞してみると、今まで気づけなかった新しい発見があるかもしれません。

日本庭園の面白さ、奥深さを体感してみてください。


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ライター紹介 ライター一覧

島塚 啓

島塚 啓

昔から歴史や文学などの日本文化が好きで、大学では学芸員免許を取得しました。
今でも茶道や美術鑑賞など五感を満たしてくれる体験を求めて、日々情報収集に余念がありません。頭のなかをいっぱいにした後は思いっきって一歩踏み出してみましょう!感動的な出会いはいつも僕たちを待ち構えているはずです……。

一生のうちで好きなことに費やせる時間は、ほんのわずかしかありません。そんな貴重な時間を大切に過ごすために、みなさまが日本文化に触れる一助になれるような記事が書ければいいと思っています。

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