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【シネマ歌舞伎】三谷幸喜 作・演出、予測不能の歌舞伎ロードムービー! 三谷かぶき『月光露針路日本 風雲児たち』

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あらすじ


鎖国によって外国との交流が厳しく制限される江戸時代後期。

大黒屋の息子光太夫は、商船神昌丸の船頭(ふながしら)として伊勢を出帆します。

しかし江戸に向かう途中で激しい嵐に見舞われて帆は折れ、大海原を漂流することになるのでした。
海をさまよう神昌丸には17人の乗組員たち。

船頭の光太夫、経験豊富な船親司(ふなおやじ)三五郎、最年長の乗組員九右衛門、喧嘩ばかりの水主(かこ)庄蔵と新蔵、どこか抜けている小市、三五郎の息子の青年磯吉…。

光太夫はくじけそうになる乗組員を必死で奮い立たせ、再び故郷の伊勢へ戻るため方角もわからない海の上で陸地を探し求めます。

漂流を始めて8カ月─。

神昌丸はようやく発見した陸地に上陸します。

ところがそこは日本ではなく、なんとロシア領のアリューシャン列島アムチトカ島。

異国の言葉と文化に戸惑いながらも、島での生活を始める光太夫たち。

厳しい暮らしの中で次々と仲間を失いますが、光太夫らは力を合わせ、日本への帰国の許しを得るため、ロシアの大地を奥へ奥へと進みます。

異国から来た日本人である光太夫たちに対して、親切なキリル・ラックスマンをはじめ、行く先々でさまざまな人の助けを得て、ようやく光太夫はサンクトペテルブルグにて、女帝エカテリーナに謁見することが叶い…。


三谷幸喜と歌舞伎

三谷幸喜が初めて歌舞伎の作・演出を担ったのは2006年に渋谷・PARCO劇場で上演された『決闘!高田馬場』。

「高田馬場の決闘」を題材にし、耳に残る印象的なオリジナルのテーマ曲や、主演を勤めた松本幸四郎(当時:市川染五郎)や市川猿之助(当時:市川亀治郎)らが早替わりで複数の役を演じるなど注目を集めました。それから約13年の時を経た2019年6月、松本幸四郎と再びタッグを組み、『三谷かぶき 月光露針路日本 風雲児たち』で満を持して歌舞伎座に初登場しました。

三谷氏は歌舞伎座での上演時に「前回の『決闘!高田馬場』はPARCO劇場でやったので、“歌舞伎っぽく”つくらないと歌舞伎じゃなくなってしまうのではないかという不安があった。今回は歌舞伎座でやり、これだけの俳優の皆さんが集まって、何をやっても歌舞伎になるので、逆に自由にやらせてもらおうと思って」と意気込みを語っています。

本作は2019年の大谷竹次郎賞(※大谷竹次郎賞とは、新作の歌舞伎および歌舞伎舞踊の脚本を対象とし、娯楽性に富んだ優れた歌舞伎脚本に贈られます。)を受賞。

三谷氏の得意とする人物の描き分けの鮮やかさ、喜劇性、そして歌舞伎の古典的な手法も取り入れつつ作られていることが評価されました。

授賞式では、「歌舞伎俳優の方々と仕事をするといつも思いますが、本当にいい俳優さんがそろっている。こんな素敵な方々にあてた脚本が書けて、素晴らしい方々と一緒に作品をつくることができたことをうれしく思っております。また、俳優さんにあてて書くのと同じように、歌舞伎座にあてて書きたいなという思いがありました。僕ができることを全部やってしまおう、そんな気負いがありました」と、初めての歌舞伎座公演に臨んだ思いを明かしています。

さらに今回は作・演出のみにとどまらず、三谷氏がシネマ歌舞伎の監修としても映像編集に参加。舞台の世界、映画・映像の世界それぞれで第一線を走り続ける三谷氏が、自らの舞台作品を映画として新しく皆様にお届けする本作の公開へ向けてのコメントも届いています。


三谷幸喜コメント

歌舞伎のホンを書いて演出もし、映画の脚本を書いて監督もする人間としては、自分の関わった歌舞伎がシネマ歌舞伎として生まれ変わり、 各地の映画館で上映されるなんて、もう夢のような話で、ワクワクを通り越してガクガクしています。

せっかくなので、舞台中継を映画館で観るという「体験」を越えて、歌舞伎でも映画でも漫画でもない(原作はみなもと太郎さんの長編漫画です)、新しい「月光露針路日本つきあかりめざすふるさと 風雲児たち」をお目に掛けたいと思っています。

お楽しみに。


 

シネマ歌舞伎第36弾
『三谷かぶき 月光露針路日本 風雲児たち』

2020年10月2日
東劇・新宿ピカデリーほか全国公開


[原作]
みなもと太郎 作・演出:三谷幸喜

[出演]
松本幸四郎 市川猿之助 片岡愛之助 八嶋智人 坂東新悟 大谷廣太郎 中村種之助 市川染五郎 市川弘太郎 中村鶴松 片岡松之助 市川寿猿 澤村宗之助 松本錦吾 市川男女蔵 市川高麗蔵 坂東竹三郎 坂東彌十郎 松本白鸚 語り 尾上松也

[撮影公演]
2019(令和1)年6月 歌舞伎座公演 本編尺:130分(予定)

[公式サイト]
https://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/

(C)松竹株式会社


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