【茶道】お辞儀の仕方や歩き方の作法って!? 表千家の基本的な立ち居振る舞いを紹介
座り方
茶道では、畳の上で点前を行うことを前提にしているので、正座の仕方にも定まった型が存在します。
男女によって若干の差はありますが、基本的には背筋をすっきりとのばし、胸をわずかに張るようにして、適度な緊張感を保つことが大切です。正しい座り方を身につけることで、美しく見えるのはもちろんのこと、足がしびれにくくなるといった効果も期待できるんです。
男女の違いとして、両ひざの間隔を女性が握りこぶし一つ分くらい空けるのに対し、男性は安定する程度に広く開けるのがポイントです。足は男女どちらも、親指だけを軽く重ねるようにして座ります。
また、手の位置は、自然に軽く重ね、膝の上に置くようにします。
お辞儀の仕方
畳の上で行うお辞儀は、両手を八の字につき、男性は20センチほど、女性は7~8センチほど手の間隔を空け、頭だけではなく体全体を前に傾けるようにします。上体を起こすときも早く上げすぎないことを心掛け、心もちゆっくりとした動作にすることで、相手に丁寧な印象を与えることができます。
また、場面によって、深いお辞儀と軽いお辞儀を使い分けることも大切です。点前の初めや終わりなどには深いお辞儀、客同士のあいさつや道具について尋ねるときは、軽いお辞儀をするのが良いとされています。
立ち方
正座をしている状態から立ち上がるときのポイントを紹介します。
まず、両手を膝頭にあて、つま先に体重を乗せて、ゆっくりと腰を浮かせるようにします。その時、両足の位置を動かさないで、座っていた時の場所のまま、立ち上がることを意識してください。
体が揺れないようにスッと立ち上がることができると、見た目も非常に良いですし、すぐに次の行動に移ることができます。このような立ち方を「一足立ち(いっそくだち)」と言い、表千家では基本的な所作となっています。
歩き方
実は流派によって歩数が若干異なっており、表千家ではたたみ一畳をおよそ六足、半畳を三足で歩きます(裏千家はたたみ一畳を五足で歩きます)。小股で足幅の分だけ進むことに意識し、かかとを少し擦るようにします。
何も持ってない時は、両手を太ももの上に置き、視線を水平よりもやや下向きにすることで、物腰柔らかな印象を与えることができます。また、茶席に入るときは左足からと決められており(裏千家の場合は右足)、畳の縁や敷合わせを踏んではいけません。
このように小幅で自然に歩けるようになるまでがなかなか大変で、「歩き3年」とも言われるほど、実は長い修練が必要となってきます。
おわりに
茶席での振る舞いについては、日常生活のマナーと同様、他者をおもんぱかり、敬意を表することが大切になっていきます。
今回紹介した所作を日常生活にも取り入れることができれば、今よりレベルアップした素敵な大人になれるはずなので、ぜひチャレンジしてみてください。
わつなぎオススメ記事
【着物所作】美しさが増す!基本的な所作や美しい立ち居振る舞い