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【三宅あみ】江戸文化を伝え、人をつなぐ「ジャパネスクナビゲーター」かつての旦那衆のような存在にもなりたい

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江戸文化を伝え、人をつなぐジャパネスクナビゲーターの三宅あみ さん。

モデル、タレントとして各種メディアに出演するほか、江戸文化をメインに講演やまち歩きイベントを年間で120本ほど開催。東京近郊だけではなく全国各地でも精力的に開催しています。また、空き日は、調査や下見などに費やすなどエネルギッシュに活動しています。

この秋、念願のイベントが開催決定!

念願のイベントの情報やまち歩きへの想いをお届け。今後、成し遂げたい大きな目標もご紹介します。


料亭文化との出会い

──お江戸まち歩きや講演活動をはじめるきっかけを教えてください

小さい頃から民族文化が大好きだったんです。“日本人ってこういう民族だよね”とか“こんな特色の文化を持っているよね”とか。外国の少数民族の暮らしにも興味があったんです。その思いもあって、大学では文化人類学を専攻しました。

卒業論文では、外国の少数民族のフィールドワークを行って書きたいと思っていましたが、実際に行うのは難しくてテーマに迷っていたんです。

そんな時、料亭でアルバイトをしていたので、「料亭文化」って卒業論文のテーマにすごくいいかもしれないと思ったんです。それと同時に、こんなに素晴らしい文化を多くの人に体感してもらいたいという思いも大きくなっていましたね。そんな思いがきっかけで現在の活動へとつながっています。

──料亭で働いたことがあるんですね

新日本髪っていうんですかね。ちょっとモダンなタイプの日本髪を結ってもらってお座敷にも出ていました。

料亭って、日本料理だけでなく、器や設え、髪型に着物姿、すべてが日本の文化なんですよ。あと、働いていて感じたのは、料亭という空間は社会の仕組みの中で必要な場所だということです。重要なお仕事の話しが外に漏れる心配もなく、なおかつ膝をつき合わせて心を開いて、会食相手とお付き合いができる場所って他ではなかなかないと思うんですよね。そのため料亭側では、他のお客様と顔を合わせないよう配慮したり、場を盛り上げたり、緊張をほぐすサポートしたりとお客様にとって良い方向に回っていくように心がけているんです。

お客様にとって心地の良い空間となるようにとすべてが凝縮されている文化だと思います。



参加者のことを考えて

──まち歩きの魅力を教えてください

実際に歩いて見て体感して、昔の情景をよりリアルに想像できるところが魅力のひとつですかね。

例えば、東海道五十三次の宿場の一つの品川宿あたりには、旧東海道がそのまま残っていて、昔の道幅や海風対策が実感できるんです。かつては品川宿あたりまで海が迫っていたので、海風が抜けて宿場町が風に晒されないように、旧東海道につながっている左右の道はまっすぐ抜けられる十字路ではなく、抜けていくには少し曲がらないとならない交差点になっているんです。

石碑とか解説だけでも説明できますが、昔の名残があるほうが「あぁなるほど!」と、ご参加の方がいい反応をしてくださいます。

──まち歩きで注意している点はありますか

江戸時代をテーマにしてまち歩きを行うことが多いんですけれど、例えば、江戸時代のスポットの間に、明治時代の建築物があったりすることがあるんですよ。そうした場合にも、できるだけお伝えしたいと思っていて、江戸時代以降の時代も勉強しています。

そういう観点で見ていると、最近、昭和初期ぐらいの建物がどんどん取り壊されて再開発されているんですよね。そのまま使用するのも難しいと思いますが、うまく残せる方法はないかな。どうにか残してくれないかなと願っているんです。

あと、お勉強ばかりしていると疲れちゃうので“おやつタイム”を設けて気軽に楽しんでもらえるようにもしています。

──おやつタイムあるのいいですね

昔を知って当時を想像するだけでも楽しいですが、その町を体感してもらう事も大切だと思うんですよね。そのために、“おやつタイム”を設けていて、昔からあるお店や、町の人に愛され続けている食べものを必ずご案内するようにしています。

そういったお店では、店主さんが代々そこに住んで営んでいるケースが多いので、昔の町のことや町の移り変わりなんかも聞けたりするんです。本やテキストには載っていない、その場所ならではの生きた情報です。そうしたお話しを聞くことができるのもまち歩きの醍醐味だとと思っています。



ひと味違ったまち歩きも

──吉祥寺周辺でもまち歩きを開催していますね

はい。井の頭恩賜公園の井の頭池からスタートして神田上水(神田川)をたどるというテーマでもまち歩きを開催しています。あわせて吉祥寺や西荻窪エリアも散策しました。このエリアって個性豊かなお店が多くてワクワクする楽しい町なんですよね。食べ物屋さんはもちろんのこと家具や雑貨屋さんも多いし、独創的なお店が数多くありますね。そんなエリアをナビゲートするのも楽しみのひとつです。

吉祥寺では、まち歩きイベントが終わった後、私のすごくお気に入りのお店に皆さんとランチ行きましたね。

──どちらのお店に行かれましたか

有名なお店ですけれど、トニーズピザというお店です。スマートダンディなマスターが作るピザが大好きで通っちゃっています。

マスターは、若い頃、アメリカに政治を学びに行った際、出会ったピザに魅せられて、ピザ修行をするようになったらしいです。チーズがたっぷりのっているピザなんですが、3、4種類のチーズのブレンド具合がすごく絶妙。伸びるチーズに柔らかく歯ごたえのあるチーズ、ちょうど良い塩味でとても美味しいピザなんです。

マスターはすごく優しい方で、人柄に惹かれて通っているところもありますね。

──他に変わったテーマのまち歩きはありますか

「昭和のまち歩き」を開催したことがあります。その時代をリアルに生きている方が当時を懐かしみながら「私、ここで結婚式を挙げたの」なんて、お話を聞かせていただきながらまち歩きしました。

令和に変わったあたりで「平成のまち歩き」も開催してみました。お客様が普段、接することのない若い世代の文化を紹介しながら、渋谷109に入ってみたり、秋葉原のメイドさんやアニメ・ゲームカルチャーに触れてみたり、新大久保ではみんなでチーズホットクを食べたりもしました。

お江戸まち歩きとは違った感覚で「初めての経験ばかりで楽しかった」と楽しんでいただけたようです。



新たな目標に向けて

──三宅さんは多くの人を引き寄せますよね

ありがたいことに、色々な方と出会い、様々なタイプの方とお付き合いさせていただいています。

今、『さろん ど おえど』というタイトルで、江戸文化や伝統文化、伝統芸能に携わる方をお迎えしてお話を聞くラジオ番組をやっているんです。2年ほどやっていますが、ゲストで出演していただく方は、私の交友関係やまち歩きでお世話になった方です。紅白歌合戦に出演される鼓の先生や老舗ガラス工房の方、江戸時代から続く町火消しの頭(かしら)、最新技術で文化財の保護をされている職人さんなど様々な方に出演いただきました。

──今後、行ってみたいことはありますか

大きな目標ですが、いつか“旦那衆”を作っていけたらという思いがあります。

旦那衆は、私財を投じて花街をはじめ伝統芸能や工芸職人を支えてきた方々です。時代の流れもあって、昔のような文化を支える旦那衆の存在はほとんどなくなってしまいましたが、今の時代にあった旦那衆を育てていくことはできないかと考えています。

それぞれの文化や知識にちょっぴりでいいので精通し、料亭や歌舞伎や相撲などを楽しみながらご贔屓となって支えていく。女性も含めて豊かな時間を味わいながら少しずつ伝統を支えてくれる仲間を増やしていけたら嬉しいです。

私自身も憧れる粋な旦那衆のような存在になれたらと、勉強と経験を続けていきたいと思います。



おわりに

この秋から念願だった「東京六花街めぐり」を開催するそうです。

現在、東京には6つの花街(新橋・赤坂・神楽坂・芳町・向島・浅草)があって、それぞれの花街を紹介しながら、料亭でランチを堪能しつつ芸者さんの踊りやお座敷遊びを体験する講座を予定しており、第一回目は「向島」を訪れます。今後の花街めぐりも魅力的です。

お話の中で “私はやっぱり人が好きみたいで” とおっしゃっていました。文化を大事にしながらも、人と人とのつながりを大事にされている方だなと思いました。

ぜひ「わつなぎ」でも、三宅あみ さんと行くまち歩きイベントを開催したいと思います!


 

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