【2020やぶさめ】鎌倉鶴岡八幡宮で流鏑馬を見る! “春の鎌倉まつり”と“秋の例大祭”
この記事の目次
流鏑馬(やぶさめ)のはじまり
出典 Wikipedia
流鏑馬は、疾走する馬上から鏑矢を放ち的を射る日本の伝統的な騎射の技術・稽古・儀式で、896年宇多天皇が源能有に命じ、馬上における実践的弓術のひとつとして作らせたのが始まりです。鎌倉鶴岡八幡宮の流鏑馬は、1187年に源頼朝が放生会の後に奉納されたのがはじまりで、後に神事として行われるようになっています。
馬を馳せながら矢を射ることから、「矢馳せ馬(やばせうま)」と呼ばれ、時代がたつにつれて「やぶさめ」と呼ばれるようになったといわれています。
流鏑馬の流派
現在、古式に則った伝統的な流派として、武田流と小笠原流の2つに大きく分かれています。
武田流
出典 Wikipedia
鎌倉・室町時代にかけて、武田家に伝授されていましたが、武田家滅亡により、姻戚の細川藤孝に伝授され、以後、竹原家が継承し現在に至っています。春の鎌倉まつりでの鶴岡八幡宮や近江神宮・例大祭での流鏑馬神事は武田流です。
騎射(きしゃ) 「式の的」と「板小的」を騎射し、成績の良かった者が選ばれ、土器で出来た「土器三寸の的」を騎射します。
笠(かさ) ヒノキで編んだ綾檜笠
射籠手(いごて) 家紋の入った黒射籠手
小笠原流
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流派の始まりは、小笠原家の初代小笠原長清、7代小笠原貞宗、遠祖の貞純親王とするものがあり、代々伝わり小笠原流の基礎が出来たとされています。江戸時代に第8代将軍・徳川吉宗の命を受け小笠原貞政が流鏑馬を制定し現在に至っています。鶴岡八幡宮の例大祭や下鴨神社の葵祭での流鏑馬神事は小笠原流です。
騎射(きしゃ) あげ装束という鎌倉時代の武士の狩装束を着た3騎と江戸時代の武士の平服にちかい装束を着た10騎ほどが行います。
笠(かさ) イグサで出来た綾藺笠
射籠手(いごて) 金蘭
装束(小笠原流)
射手の装束は、「あげ装束」と呼ばれる鎌倉時代の狩装束です。引き立て烏帽子、綾藺笠を冠り、鎧直垂に射籠手を着け、夏鹿毛の行騰・太刀を佩き、背には箙を負い、弓矢を持ちます。
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鶴岡八幡宮の流鏑馬馬場
鶴岡八幡宮の境内中央付近にある東の鳥居から西の鳥居かけて走る参詣道が流鏑馬馬場になります。
鶴岡八幡宮の流鏑馬馬場の長さは140間(254m54cm)。進行方向左手に間をおいて3つの的を立てます。馬場元から一の的までは20間(36m36cm)、一の的から二の的までは40間(72m72cm)、二の的から三の的までは43間(78m18cm)で設置されます。馬場に設置された柵を「埓」と呼び、的側を「男埒」と言い、高さが三尺五寸(約106cm)で、反対側を「女埒」と言い、高さが二尺八寸(約84cm)です。男埒と女埒との幅は、七尺五寸(2m27cm)で、その幅の馬場を駆け抜けます。
流鏑馬ビューポイント
馬場本・一の的付近 ・駆け出す瞬間や駆け出しの掛け声が味わえます
一の的付近 ・矢が当たるところが見られます 騎射の掛け声「インヨーイ」
ニの的付近 ・駆け出してくる馬と走り去る馬を見られます 騎射の掛け声「インヨーイインヨーイ」
二の的と三の的の間 ・スピードに乗って駆けていく馬のスピート感を味わえます
三の的付 ・勇敢に駆けてくる馬を見られます 騎射の掛け声「インヨーイインヨーイインヨーーイ」
掛け声
流鏑馬では、騎射が的を射抜く手前でそれぞれ違う掛け声をかけます。一の的手前で「インヨーイ」と短く太く掛け、二の的手前で「インヨーイインヨーイ」と甲声でやや長く掛け、三の的手前では「インヨーイインヨーイインヨーーイ」と甲を破って高く長く掛けます。「陰陽」が元となった掛け声です。
春の鎌倉まつり
1959年から続いている鎌倉まつりは、4月第2日曜日から第3日曜日にかけて開催される大変人気なお祭りです。「静の舞」「野点席」「流鏑馬」など鶴岡八幡宮を中心に開催されます。
鎌倉まつりの概要
日程:2020年4月12日(日)~4月19日(日)
場所:鶴岡八幡宮周辺
鎌倉まつりのスケジュール
【4月12日(日)10:00】 鎌倉まつり行列巡行
【4月12日(日)15:00】 静の舞
静の舞
源頼朝の弟源義経を追放した際に義経を慕い共にした、京の名高い白拍子である静御前が、後に、源頼朝に捕らえられ、鶴岡八幡宮での舞を求めます。その舞台で、義経を慕う歌をうたい舞った舞が「靜の舞」として再現します。靜の舞は、居並ぶ人々を感度させましたが、頼朝だけは激しい怒りとなったという話があります。
【4月13日(月)】 頼朝公墓前祭
毎年4月13日に、頼朝の遺徳を偲ぶ「墓前祭」行われます。
【4月18日(土)12:00】 義経まつり
鎌倉まつりに合わせて、4月の第3土曜日に、兄の源頼朝により追放された弟の源義経を偲ぶ祭りを行います。
【4月18日(土)14:00】 伊豆の国市子ども創作能「伊豆の頼朝」
伊豆の国市の子供達が演じる「伊豆の頼朝」は、源頼朝が伊豆で挙兵する物語を能の形式で上演します。会場は鎌倉宮になります。
【4月19日(日)13:00】 流鏑馬
疾走する馬上から三つの的を射抜く弓術を大日本弓馬会武田流により披露されます。
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鎌倉まつりの流鏑馬奉納
鶴岡八幡宮の流鏑馬は、源頼朝が放生会の後に奉納したのがはじまりと言われています。春の鎌倉まつりでは、最終日の日曜日に武田流の流鏑馬が奉納されます。
1・鏑矢奉献・願文奏上の儀
境内の舞殿にて「鏑矢奉献・願文奏上の儀」(天長地久に用いる鏑矢を神前に奉献し、天下泰平、五穀豊穣、国民安堵の願文を申し上げる)を行います。
2・天長地久の儀
乗馬し天下泰平、五穀豊穣、国民安堵を祈念するため、口伝の呪文を唱えながら天空と大地に鏑矢を射る仕草をします。
3・素馳(すばせ)
的を射らず全力疾走させます。
4・奉射(ほうしゃ)
馬場元と馬場末役が大扇を掲げて合図をして、馬を駆りながら三ヶ所に設置した的を射抜いていきます。式の的(中心より黒・白・赤・黄・緑の円形が書かれている的)と板小的(板状の的)で奉射されます。
5・競射(きょうしゃ)
奉射にて成績の良かったものが選ばれて行われます。土器を二枚合わせた、土器三寸の的を使用し、的中すると土器が砕けます。
鎌倉まつりの流鏑馬観覧ポイント
鎌倉まつりにおける流鏑馬は、リストバンドを復興支援義援金として販売し、購入者は指定エリアにて観覧できます。
販売期間:2019年3月1日(金) 10:00から4月8日(月)17:00まで
※申込受付期間中にリストバンドがなくなった場合はその時点で終了
リストバンド代金:1本3,000円(1本につき1席用意)
復興支援「流鏑馬」に伴うリストバンドの販売について
>>>http://www.kamakura-info.jp/topics/63640
鶴岡八幡宮例大祭の祭事・神賑行事
鶴岡八幡宮の例大祭は、源頼朝により放生会と流鏑馬が行われたのがはじまりとされています。毎年9月14日から16日の3日間で、祭事や神賑行事が行われます。
鶴岡八幡宮例大祭の概要
日程:9月14日~9月16日
場所:鶴岡八幡宮
住所:神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-31
入場料:無料
例大祭のスケジュール
【9月14日 4:30】 浜降式
例大祭に先立ち宮司以下神職が身を浄めるために、早朝、由比ヶ浜辺において禊(みそぎ)をします。
【9月14日 18:00】 宵宮祭
例大祭の執行を大神様に御奉告します。
【9月15日 10:00】 例大祭
神に奉献する供物を奉る献幣使を迎え、宮司以下神職、巫女、八乙女が奉仕します。神前には鈴虫が供えられます。
【9月15日 13:00】 神幸祭
三基の神輿が出御し、宮司をはじめとする神職とともに諸役が供として連なり、若宮大路を二の鳥居まで渡御します。
【9月16日 13:00】 流鏑馬神事
馬で駆けながら馬場に設置された3つの的を射抜く神事を行います。
【9月16日 17:00】 鈴虫放生祭
雅楽の演奏と巫女による神楽舞の後、例大祭で神前にお供えした鈴虫を自然に放ちます。
鶴岡八幡宮例大祭の流鏑馬神事
源頼朝の時代より受け継いでいる流鏑馬神事は、例大祭最終日に小笠原流の流鏑馬が行われます。
1・祈願
境内の舞殿にて流鏑馬神事の執行が奉告されると、鎌倉武士の狩装束に身を包んだ射手が、神職より弓矢を授けられます。
2・馬場入りの儀
境内を東西に貫く馬場へと入場します。
3・流鏑馬始め
奉行が流鏑馬始めを告げると的がかけられ、馬場元と馬場末役が大扇を掲げて合図をして、馬を駆りながら三ヶ所に設置した的を射抜いていきます。
流鏑馬の観覧ポイント
例大祭における流鏑馬の一般観覧席には、有料予約席の用意がありません。間近でご覧なりたい方は、観覧場所の確保が重要になります。神事は13時から始まりますので、遅くとも11時くらいには場所を確保するのが良いと思いますが、9時ぐらいから場所の確保をしている人もいますので、当日の状況を確認ながら確保してください。シート等で場所取りをした場合、撤去されてしまうのでご注意ください。場所を確保してから終了まではかなりの時間がありますので、水分補給やトイレなど計画的に考えたほうが良いでしょう。
流鏑馬一般観覧:無料
鶴岡八幡宮には「槐の会」というのがあり、会員は流鏑馬に招待してもらえたり、八幡宮のイベントに参加する事が出来ます。ご興味のある方は、詳細を確認してみてください。
こんな見方もある
流鏑馬神事当日の朝6時から稽古があり本番と同じように出走します。衣装は稽古用ですが、馬が駆けていくスピードは本番さながらですが、ゆったりと観ることが出来ます。
まとめ
春の鎌倉まつりでは、指定エリアでの有料観覧席があります。
販売期間内でも早々に既定数達してしまうそうです。おはやめに。
ただ、鎌倉まつりや例大祭や流鏑馬の雰囲気だけでも感じてみるのも楽しいかもしれません。
一緒に鎌倉観光してみるのもいいですね。
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