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【おみくじ】運勢だけではない! 正しい意味や引き方、保管方法を知って生活に活かす

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おみくじのはじまり

おみくじのはじまりには諸説ありますが、平安時代に天台宗の僧侶・良源(通称・元三大師)がいまのおみくじの原型を作ったとされており、良源の住居跡である比叡山延暦寺内の四季講堂(別名・元三大師堂)は、おみくじ発祥の地といわれています。

当時のおみくじは僧侶や巫女しか引くことができませんでした。またおみくじを引く目的も国の政治の方向性を決めたり有力者の後継者を選んだりするなどに限られていました。

鎌倉時代に入るとおみくじは誰でも引けるようになります。
江戸時代には「元三大師御籤絵鈔」(俗称・みくじ本)まで出版され、おみくじは人々にとってより身近なものとなりました。

このみくじ本の中にはおみくじを引く作法が書かれています。
そこには“おみくじを引くまでに礼拝を33回したりお経を3回唱えたりする”とありますので当時おみくじを引くまでにはかなりの時間や覚悟が必要だったようです。

現在のおみくじにはそこまで厳しい決まりごとはありません。手水舎で心身を清めて参拝、参拝後におみくじを引きます。
今日の運勢、学業、恋愛、結婚、仕事についてなど願い事や悩みがある場合は、具体的に心に思い浮かべながら引きましょう。


おみくじの内容

おみくじの運勢だけを見ていませんか?

意外と知られていませんがおみくじの本文は和歌や漢詩の部分です。それだけだとわかりづらいので補足的に大吉や吉などの運勢や項目ごとの解説がつけられています。


和歌・漢詩の意味

おみくじに書かれている和歌や漢詩。これこそが神様仏様からのお告げであり、おみくじの中心部分です。どうしても運勢のほうに注目をしてしまいがちですが、おみくじを引いたらじっくりと読むべき場所は和歌や漢詩なのです。

おなじ和歌や漢詩でも引いた人の願い事や状況により解釈が異なり、神様仏様からの言葉をどのように解釈して自分自身に活かすか、がいちばん大事です。

和歌や漢詩はむずかしいイメージがありますが、おみくじに書かれている詩歌は有名なものが多いので書籍やインターネットなどを使って意味を調べられます。


運勢の順番と意味

おみくじで最も注目される部分が運勢です。運勢の吉凶は寺社により異なりますが、よくあるものはつぎのふたつ。

[1]大吉 > 吉 > 中吉 > 小吉 > 末吉 > 凶

[2]大吉 > 中吉 > 小吉 > 吉 > 末吉 > 凶 > 大凶

※このほかにも平、吉凶未分などがあり、運勢の順番も寺社により異なります。詳しくはおみくじを引いた寺社に聞いてみましょう。

おみくじの凶を引いてしまうとこれから先、悪いことばかりが起こりそうで心配になりませんか? 凶は不測の事態に備えておきましょうという神様仏様からのお告げであり、落ち込む必要はありません。

最近ではおみくじの凶をなくしたり凶の数を減らしたりする寺社や、初詣のときだけ凶を減らす寺社も多いそうです。


項目の意味

おみくじの項目の意味は以下の一覧の通りです。

願望(ねがいごと)/ 願っていること

待ち人(まちびと)/ 人生を変えてくれる人、運命の人、異性とは限らない

失せ物(うせもの)/ なくしたもの、物だけではなく人間関係も含む

旅行(たびだち)/ 外出、旅行

商売(あきない)/ 事業、経営

学問(がくもん)/ 試験、受験、資格

相場(そうば)/ 株の売買、投資

争事(あらそい)/ 人間関係のトラブル

恋愛(れんあい)/ 恋愛、これからの恋愛、進行中の恋愛

転居(やうつり)/ 引越し

出産(おさん)/ 安産、難産、妊娠中に気をつけること

病気(やまい)/ 病気、健康状態

縁談(えんだん)/ 結婚、結婚につながる出会い



おみくじを引いた後

おみくじを引いた後、みなさんはそのおみくじをどのように扱っていますか? 引く前の心構えも大切ですが引いた後もきちんと扱いたいものです。


もう一度引いても良いか?

おみくじで凶を引いたり望むような運勢が出なかったりするともう一度引きなおしたくなります。しかしこれはあまりおすすめできません。なぜなら今までお伝えしてきたようにおみくじは神様仏様からの授かりものであり、神様仏様の言葉を無視しておみくじを引きなおすのではなく、結果に向き合いましょう。ただし、他の寺社に行っておみくじを引くのは違う神様仏様から言葉をいただく行為なので良いそうです。


結ぶ?持ち帰る?

おみくじを引いた後は寺社が定めている指定の結び処におみくじを結びます。指定外のご神木や寺社の建造物には決して結ばないようにしましょう。神様仏様の言葉を忘れない(ときどき読み返す)ためにおみくじを持ち帰るのもいいことです。手帳やお財布に入れて持ち歩いたり、神棚や仏壇で保管したりしましょう。


持ち帰ったおみくじの処分方法

おみくじの期限は初詣に引いた場合は1年間、願掛けで引いた場合は願いが叶ったときです。そのときが来たらできればおみくじを引いた寺社、それが無理なら最寄りの寺社にある古札納め所に納めましょう。

※年末年始のお焚き上げ時に古札納め所を設置する寺社も多いです。または1年間持っていたおみくじを感謝の気持ちとともに寺社の結び処に結びます。処分に困ってゴミ箱へ、だけはやめましょう。


まとめ

これまで運勢だけに注目しがちだったおみくじ。

和歌や漢詩こそ神様仏様が私たちに伝えたい言葉です。これからはおみくじに書かれている和歌や漢詩もじっくりと読んでご自分の生活に活かしてみてください。

また、せっかく引いたおみくじですので粗末に扱わないようお気をつけください。


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よしながけいこ

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草花と民藝品と本と晩酌をこよなく愛するライター兼ブロガー

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