【NEWS】蝶が舞う大手町の森に。アップデート! 落合陽一が手掛けるメディアアート「nullの木漏れ日」
東京建物が開発した大規模複合ビル「大手町タワー」内に位置する「大手町の森」にて、落合陽一氏が手掛ける立体的メディアアート作品「nullの木漏れ日」が、2022年6月9日(木)から7月8日(金)まで展示。
本作品は、3Dホログラムを活用したメディアートで、落合氏が創作のテーマにしている「デジタルネイチャー(計算機自然)」というビジョンをもとに「大手町の森」でインスタレーション作品です。
「デジタルネイチャー」は、「コンピュータと自然が親和することで再構築される新たな自然環境」として捉えられる世界像を表しています。これをもとに「大手町の森」に風景を変換する作品を展示します。
「nullの木漏れ日」は、色即是空空即是色空と言われるように、デジタルによって物質性と離れて生まれる木漏れ日と、デジタルによって突如として生じうる可能性の関係を惹起するメディアアートになっています。
「大手町の森」は四季の変化に敏感です。
初夏の湿気の中始まった展示も梅雨明けした空気に合わせてアップデート! 落合氏の主題とする物化と計算機、それを象徴する蝶が森に舞う様子をぜひご覧ください。
nullの木漏れ日
2022年6月9日(木)〜7月8日(金)
[会場] 大手町タワー 大手町の森
東京都千代田区大手町一丁目5番5号 · 東京メトロ・都営地下鉄「大手町駅」直結(地下鉄5路線)
[主催] 東京建物株式会社
[作家] 落合陽一
[協力] Emohaus inc.・Phantomサイネージ株式会社
[展示時間] 18:00〜23:00
[料金] 無料
[公式サイト] https://www.ootemachinomori.com/
[備考] 来訪者には大手町タワー地下2階の商業施設「「OOTEMORI (オーテモリ)」で使用可能な飲食クーポンを配布します(先着順)。雨天時も原則展示を行いますが、状況により展示を一時中断する可能性があります。
小澤克人コメント
「大手町の森」は東京都心の真ん中に本物の森を実現することに意義があると考え、プロジェクトの検討を開始しました。
計画開始から早10年近くが経過し、「大手町の森」をもっとたくさんの方に知ってもらいたいと考えていた中で、今回の落合陽一さんとのコラボレーションが実現しました。
今回の展示をきっかけに沢山の方にご来場いただき、五感で“森”を感じてもらい、そして落合さんのデジタルネイチャーを体験していただきたいと思います。
落合陽一コメント
東京建物さんとは様々なところでご一緒にお仕事をするなど係わりがあった中で、「大手町の森」のお話聞き、”森林生態系”には興味があったので、何か作品を作りたいと思いました。
このデジタルインスタレーション作品には鳥の鳴き声に聞こえる音がイルカの鳴き声であったり、クラクションに聞こえる音がクジラの鳴き声であったりします。
そういった頭に浮かぶ様々な事物の関係性を想起しながら、デジタルと自然の融合を感じつつ、頭をnullに、いや空っぽにして1時間ほど作品を見てもらえると嬉しいです。
「大手町の森」とは
「大手町の森」は、約 3,600㎡におよぶ「本物の森」で、「都市を再生しながら自然を再生する」という開発コンセプトを具現化したものです。「大手町という日本の中心といえるオフィス街であればこそ、その対極ともいえる野性味のある『本物の森』に意義がある」と考え、オフィス街に本物の森を再現しました。
本物の森を再現することに先立ち、千葉県君津市で大手町の人工地盤等の環境を再現したプレフォレスト※を構築し3年にわたるさまざまな検証を実施したうえで、多くの土壌や植物を君津から大手町へ輸送・移植しました。 一般的なオフィスビルの足元に見られる緑地帯とは異なる、緑地の集約配置、一般動線との分離、様々な樹種の混交といった工夫により、現在では近隣に位置する皇居や神田川との生態ネットワークを形成するに至っています。竣工当初に比べ、生息する植物、昆虫の種類の増加が見られ、時折、タカ、ハヤブサ、タヌキなどが視認されるなど、多様な生態系の形成が確認されています。さらに、ヒートアイランド現象の緩和など、クールスポットを生む効果や、四季よる変化も楽しめることから、近隣オフィスワーカーの憩いの場として利用されています。
※ 別の敷地で育成・管理された「森」をそのまま計画地に移植する取り組みのこと。