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【吉田伶香】あなたに会えて本当によかった。映画『こわれること いきること』吉田家お正月のしきたり[インタビュー]

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素の私に近いシーンかな

──本作の脚本を読んだ時の感想を教えてください。

東日本大震災を題材とした作品でもあり、最初はすごく重たい内容だと思いました。ただ、ひたむきに生きる遥の姿勢や出会いに、私自身、心動かされすごく感動したのを覚えています。

私の演じる遥は、家族4人を震災で亡くし、ひとりだけ生き残るという状況から、人との出会いによって成長していきます。読んでいくうちに、絶望や喪失感。成長する姿など、演じることができるか不安な気持ちになりましたが、最初に読んだ時に覚えた気持ちや感動を大切にして、演じていこうという考えになりました。

──吉田伶香さんから見た“遥“はどのような子ですか。また、ご自身と重なる部分はありましたか。

遥は芯の強い子なのかなと思いますが、決して、ひとりでも大丈夫というほど強い女の子ではないかと思います。笑ったり怒ったり、時には悲しい思いをして落ち込み人間関係を遮断するけれど、人とつながりながら生きていく普通の女の子なのかな。

重なる部分では、明るく人と接しているシーンでは素の私に近いかなと。少し方言が入った話し方は違いますが、人と接しているテンションなんかは似ているかと思います。


変な訛り。 私だけの方言!?

──方言が入った話し方とのことでしたが、方言で苦労され部分はありましたか。

監督から、「福島で暮らしている時、東京で暮らしている間、福島に戻った時と、方言の使い方が変わってくるんじゃないかなぁ」と言っていただき、ほとんど標準語で時折混ざる方言といった形で感じでやらせていただきました。

福島弁の指導の方が現場でついてくださっていたので、「このセリフはここの部分を訛らすのがいいんじゃないかな。」とアドバイスいただきながら演じました。変な訛りなっちゃうと「それはちょっと違う」と教えていただけたので、すごく大変とかは無かったです。
ただ、無意識に変な話し方になっている部分を直す時は苦労しました。

──ご出身は山形県ですね。山形の方言は使われていましたか。

出身は山形なんですけれど、山形の方言を使うことがなく、まわりの子たちも標準語でした。

母と父が奈良と大阪で関西出身の両親のしゃべりを聞いて育っているので、変な訛りというかエセ関西弁(笑)が、ふとした瞬間に出たり、標準語だと思っていたイントネーションが違ったりと私だけの方言はあります。


すごく仲がよかったです

──「楽しく前向きに学びながら終えることができた」とコメントされていました。撮影は楽しく進みましたか。

最初の数日は、共演の方やスタッフさんに声をかけづらくひとりで過ごすことが多かったんですけれど、撮影を重ねるうちに自然と仲良くなって、一緒にご飯を食べたり雑談したり過ごすようになりました。
その甲斐もあってか、撮影中もピリついた空気はあまり無く、誰かがミスをしても“何やっているんだよー”って笑いが起きるような現場でしたね。

最初馴染めなかったのが嘘のような “すごく仲がよかったです!”って言えるくらい楽しい現場でした。

──共演の皆さんのすごいなぁと思えた部分や学べたところを教えてください。

共演の皆さんは、本番が最良の演技になるように、テストから徐々に仕上げていくんです。決して手を抜いているわけではなく、効率よく演技をして無駄がないんです。それはやっぱり経験ある皆さんのワザなんだなぁと思いました。

あと、台本を読む時、相手の演技を想像したりするんですけれど、私の想像を超える表現力で演技されるんです。ため息ひとつとっても目の動かし方や話している時の手の動かし方なんかも本当に勉強になりました。少しでも吸収して演技に活かしていきたいと思ってかなり研究していましたね。


吉田家のしきたり

──日本の文化について伺います。普段接している、興味をもたれている日本の文化はありますか。

皆さんの家でも行っていると思うんですが、私の実家では、正月の飾り付けをして、三が日はおせちやお餅を食べて過ごしています。三が日には、お米(白米)を食べてはいけないらしく、小さい頃はおせちで食べられるものが本当に無くて、お餅でお腹を満たすみたいな感じでした。(笑)

三が日は“お米を口にしない”のは、他の家でも同じだと思っていたら違ったんです。みんなお米(白米)食べているらしいんですよ! 詳しくはわからないですが、三が日はおせち料理を食べて家事を行わないという理由もあって、お米(白米)を食べないのかな?と。
そんな慣しや郷土の文化って、今となっては良いなと思うようになりました。吉田家のしきたりも大切にしていきたいと思いますし、おせち料理も作れるようになりたいです。

あと、着物や浴衣が好きです。
中学生の時、浴衣の着付けを勉強して自分で着て出かけていました。今は着る機会がなさすぎて忘れかけています。成人式の時は、着物の着付けがすごく大変だったので、自分で着られるようになったらかっこいいなぁと、改めて考えました。着付けを学び直したいですね。


あたりまえってありがたい

──本日はありがとうございました。最後にこの映画をどのような方に見ていただきたいですか。メッセージをお願いします。

多くの方に見ていただきたいですが、特に私と同年代の方に見ていただきたいです。

普段、変化の無い毎日を過ごしていると、“何もないなぁ”“非日常的なこと起こらないかなぁ”なんて思ったりもします。
私は、東日本大震災を実家で経験しました。電気はつかないし、水もない。寒いし、ご飯もどうしようという状況だったんです。震災の経験を思うとあたりまえに暮らしていけるって幸せな事なんだなと思えるんです。

遥もつらい経験をしますが、人々との出会いによって少しずつかわっていきます。
あたりまえってありがたい事だと、思い返すきっかけになったら嬉しいです。そして、そっと背中を押してくれる作品だと思います。ぜひ、劇場でご覧ください。


おわりに

本作品は、東京と福島で撮影されました。

福島では、散策されましたか?と伺ったところ「はい。遥の実家を出ると道路を挟んで右に田んぼ!左に田んぼ!見晴らし良し! 仲良くなったスタッフさんとお話ししながら、自然たっぷりの中を散歩していました。近所のビニールハウスで働いている方とも仲良くなりましたね。」と、明るく楽しく教えていただきました。

本インタビューで遥と重なる部分で語った「明るい部分は素の私に近いかな」が、垣間見られる瞬間でもありました。

そんな吉田伶香さんが演じる明るく気さくな遥。絶望の淵から希望を見出そうとする遥。ひたむきに生きる遥。複雑に揺れ動く感情と、人間の尊厳に迫る命の物語をご覧ください。



映画『こわれること いきること』

吉田伶香 藤田朋子 宮川一朗太 斉藤 暁 寺田 農
風祭ゆき 丸純子 兼次要那 福原稚菜 大野佑紀奈 神倉千晶 木村八重子 五頭岳夫 外波山文明
監督・脚本・編集:北沢幸雄
作曲・編曲:富澤タク エンディングテーマ「小さなこえでも」(Toshie)
製作:三英堂商事/アイ・エム・ティ
配給:アイ・エム・ティ 配給協力:FLICKK
2022 年/126分/ステレオ
©三英堂商事/アイ・エム・ティ

全国順次公開中

[公式 HP]  https://koikoto-movie.com

[公式 Twitter] @koikoto01


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ひで

ひで

興味から参加した川中島合戦戦国絵巻。
鎧をまとい、手には槍に模した棒、腰には模造刀を持ち、いざ、敵軍に向かって出陣!かなりのハイテンション!
イベントの仕事でご一緒した忍者の末裔。ガチの忍者の動きを真似てみるが、鍛錬されている動きについていけず、改めて、本物のすごさに気付かされる!
初めて、着物を着ても普段の動きと違い所作の大切さに気づく!
あれ?難しそうって思っていた芸能も少しわかっちゃうと面白いぞ!のめり込んでいくのがわかる!

日本の文化というと様々ではあるが、気になったものやその時出会ったものに「まずは、やってみよう!」で、学び、体験し、きっかけ作りとなるよう伝えていきたい。

知らないことを知るって楽しいことですね^^

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