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【横浜流星・藤井道人監督】映画『ヴィレッジ』一俳優の成長を駆け出しより眺めてきた映画監督が振り返る[広島国際映画祭2023]

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11月23日から4日にわたって行われた『広島国際映画祭2023』にて、2023年公開の映画『ヴィレッジ』が公開され、主演を務めた横浜流星と作品を手掛けた藤井道人監督が登壇、映画の撮影の様子などについて語りました。


広島国際映画祭2023

本作の舞台は、新たな開発が進む一方で保守的な人間関係が蔓延する架空の村・霞門村(かもんむら)。そんな村の複雑な空気感を表すように登場するのが「能」の風景。その舞いは神秘的で美しく、同時に非常にミステリアスであり、作品の風味を決定する重要なスパイスとなっています。

横浜が撮影の中でもっとも感銘を受けたと語ったのが、共演者である中村獅童の「所作」。撮影の合間には「インスタをフォローしてくれない」などと冗談っぽい話を投げかけたり、ユーモアのある面を見せる一方で、歌舞伎役者ならではの美しい所作で本作の「能」の舞台を彩った演技を見せる中村に強い印象を受け、自身もこのような所作を身につけたいと考えている思いを明かします。


このように演技に対し、積極的な姿勢を見せる横浜のことを、藤井監督は「作品ごとに(新しいスキルを)身につけており、その姿勢は大いに刺激になっている」とその貪欲さを評価すると、横浜は「自分ができないことを『できる風に演じる』のが気持ち悪い。(その意味で、スキルを取得するというのは)自分に無いものを表現できないから、やっているだけなんです」とコメント。

ちなみに「苦手な(スキルを取得しづらい)ものはある?」とたずねられると横浜は「動かず、とにかく作業することが苦手」と回答。中学時代に空手で世界チャンピオンにも輝いた経験もあるだけに「体を動かすのは得意なんですけどね…」と語ります。


横浜と藤井監督の出会いは、藤井監督がかつて参加したオムニバス映画『全員、片思い』の打ち上げ。プロジェクトの中ではまだお互いに駆け出しの立場であったことからコンタクトが始まったといいます。

そして以後映画『青の帰り道』のオーディションに参加、出演が決定して以降たびたび藤井監督の作品に出演している横浜。その成長を見守る藤井監督は、近日CMの撮影でも仕事をともにし、その俳優然とした表情に大いに驚いたと振り返ります。


さらに本作のラストシーンで見せた横浜の表情を絶賛、そのシーンは昨年亡くなった本作のプロデューサー・河村光庸さんが現場で見た最後のシーンとなったことを明かしながら「河村の横でそのシーンを眺めながらグッときていたことを覚えています」と回想します。

そんな急成長真っただ中の横浜。近日は大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)~』の主演を務めることが決定。そんな中で「30歳までの目標は?」とたずねられると、まだ他のことはそれほど考えられず、とにかく大河ドラマへの全力投球と意気込みを明かします。

一方、40歳を目前とする藤井監督は目標として「今はとにかく『これは自分がやるべき仕事』という作品については私生活を投げ打ってでもやる。で、40歳になったら…仕事はしたくないなぁ…」と語り笑いを誘いながらも「映画界の後続が育たない」という現状を心配していることを明かし、その状況に対して後続にチャンスを与えられるようなポジションにいるかもしれない、と語りました。


映画情報

映画『ヴィレッジ』予告動画


(以下、『広島国際映画祭2023』公式サイトより)

映画『ヴィレッジ』ストーリー

夜霧が幻想的な、とある日本の集落・霞門村。神秘的な「薪能」の儀式が行われている近くの山には、巨大なゴミの最終処分場がそびえ立つ。
幼い頃よりこの村に住んでいる片山優(横浜流星)は、美しい村の中でも異彩を放つこのゴミ処理施設で働いていたが、母親が抱えた借金の支払いに追われていることを理由に同じくゴミ処理施設で働く作業員に目をつけられ、希望のない日々を送っていた。
そんなある日、幼馴染の美咲が東京から戻ったことをきっかけに、物語は大きく動き出す――。

キャスト

横浜流星、黒木華、一ノ瀬ワタル、奥平大兼、作間龍斗、渕上泰史、戸田昌弘、矢島健一、杉本哲太、西田尚美、木野花、中村獅童、古田新太

スタッフ

音楽:岩代太郎
監督/脚本:藤井道人
制作プロダクション:スターサンズ
配給:KADOKAWA/スターサンズ


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桂 伸也

桂 伸也

“和”という言葉で表現されるものには、人によって色んなイメージがあると思いますが、私は“整然として落ち着いたもの”という雰囲気を感じ取っています。

普段は芸能系ライターとして活動を行っており、かなり“にぎやかな”世界に生きていますが、その意味で“和”という言葉から受ける雰囲気に、普段から強い憧れや興味をもっていました。

なので、そんな素敵な“和”の世界へ、執筆を通して自らの船を漕ぎ出していきたいと思っています。

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