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【片山享監督、松林慎司、ドロンズ石本、佐伯日菜子、岡本信人、篠田諒】映画『かぶと島が浮く日』かぶと島が映し出す変化と記憶[広島国際映画祭2025]

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2025年11月28日、広島国際映画祭2025にて映画「かぶと島が浮く日」のプレミア上映とトークショーが開催され、主演・企画・プロデューサーの松林慎司、監督の片山享、共演の岡本恵佳、佐伯日菜子、篠田諒、そしてドロンズ石本が登壇しました。

「かぶと島が浮く日」は、瀬戸内海に浮かぶ“かぶと島”をモチーフに、故郷と記憶の揺らぎを静かに描くヒューマンドラマ。舞台となる旧映画館・岩国ニューセントラルでの撮影や、松林の地元に根ざした企画が特徴の作品です。

映画「かぶと島が浮く日」トークショー


岩国市出身で岩国観光大使の松林は、本作の出発点について「この街の綺麗さ、美しさを、自分が俳優という立場であるなら、それを映画で表現すべき」と思ったことが最初だったと、プロジェクトの企画当初を振り返りました。片山監督とは2023年のドラマ「いっちょうらい」で仕事をともにしたことがきっかけだったと回想します。


劇中の印象的な象徴となる「かぶと島(甲島)」は、広島県大竹市と山口県岩国市にまたがる瀬戸内海の無人島。岩国出身で幼い頃からかぶと島を眺めて育った松林の「小さい頃、ときにはかぶと島が浮いて見えたり沈んで見えたりすることがあったが、最近はそういう光景が見えない」という話を聞き、「面白いなと思った」ことで物語の筋道が形づくられたと片山監督は明かします。


再開発が進みつつあり、大きく変化する岩国の街を舞台としたこの物語について、片山監督は「変わること、老いるということは決して悪いことではない、それをかぶと島の浮き沈みに重ねたんです。なぜ島が浮き沈みをするのかはわかりませんが、(こうした日常を描いた)ドラマが私にとってのかぶと島になれば、と思いました」と作品への思いをコメント。篠田も本作の印象について「前を向ける作品」であることをアピールします。


またメインの舞台となる映画館・岩国ニューセントラルについては、プロジェクト発足後に建物が現存し撮影可能であることを知らされてロケ地に決定したと説明しました。奇跡的に映写機が使える状態で残っていたことも判明し、劇中にはその映写機が光を放つ場面も登場します。片山監督は「この映写機にとっては最後の投影で、それ自体は寂しいことでありますが、それを私の作品として発表できることは光栄なことでもあります」と語ります。


共演者のトークでは、松林と同じく山口県岩国市出身で岩国観光大使の岡本が、山口県内のイントネーションの多様さを指摘しながら、本番でしっかりと語りを克服した佐伯を「さすがは女優さんだ」と称賛。これに対しドロンズ石本は父が岩国出身であると明かし「(自分も)ちゃんとできていたのではないか」と返しつつ、「私も観光大使に選んでください」と会場に向けて訴え、笑いを誘っていました。



映画「かぶと島が浮く日」情報


(C)いわくに映画製作委員会

(以下、『広島国際映画祭2024』公式サイトより)

映画『かぶと島が浮く日』ストーリー

閉館した映画館の元支配人である幹男は、その映画館が入るビルが再開発で取り壊されることになり、自分の原点を辿り始める。幹男の高校時代からの親友である信弘は、父親の認知症に正面から向き合えないでいた。古くなりなくなっていくもの。そして、そこに生まれる新しいもの。変化をむかえる街で起こる、ほんの一瞬の出来事。

キャスト

松林慎司、ドロンズ石本、佐伯日菜子、岡本信人ほか

スタッフ

監督:片山享
2025年製作/日本映画/88分


岩国市が舞台の映画 『かぶと島が浮く日』が楽しみな話 【山口県岩国市】

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桂 伸也

桂 伸也

“和”という言葉で表現されるものには、人によって色んなイメージがあると思いますが、私は“整然として落ち着いたもの”という雰囲気を感じ取っています。

普段は芸能系ライターとして活動を行っており、かなり“にぎやかな”世界に生きていますが、その意味で“和”という言葉から受ける雰囲気に、普段から強い憧れや興味をもっていました。

なので、そんな素敵な“和”の世界へ、執筆を通して自らの船を漕ぎ出していきたいと思っています。

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