【記者発表会】時空を超える日本のアート『古典 × 現代2020』3月11日より開催[国立新美術館]
この記事の目次
古典×現代2020―時空を超える日本のアート
江戸時代以前の絵画や仏像、陶芸や刀剣の名品を、現代を生きる8人の作家の作品になるよう組み合わせ、一組ずつ8つの展示室で構成します。
古典美術から曾我蕭白、尾形乾山、円空、仙厓、葛飾北斎などの巨匠に加え、鎌倉時代の仏像や、伊藤若冲をはじめとする江戸時代の花鳥画、刀剣の名品を選出。これらに対する現代作家は、川内倫子、鴻池朋子、しりあがり寿、菅木志雄、棚田康司、田根剛、皆川明、横尾忠則の8人のクリエイターです。
花鳥画 × 川内倫子
刀 剣 × 鴻池朋子
北 斎 × しりあがり寿
仙 厓 × 菅木志雄
円 空 × 棚田康司
仏 像 × 田根剛
乾 山 × 皆川明
蕭 白 × 横尾忠則
世界観や主題、造形、制作方法の類似を示すだけでなく、先達から得たインスピレーションや誰もが知るイメージに基づくパロディ、古い作品を取り込んだインスタレーションなど過去の偉業に積極的に関与していく現代の作家たちの姿にも焦点を当てます。
展覧会のみどころ
日本美術史の巨匠×気鋭の現代作家 8組の共演
江戸時代以前のビックネームによる名品と現代の日本を代表するクリエイターたちの作品を組み合わせ展示。
ジャンルをまたぐセレクション、幅広い創造分野を横断
絵画、彫刻、陶芸や刀剣まで、様々なジャンルを取り込み、日本の創造性の多彩な豊かさを紹介。
第一線で活躍する現代作家の新作ぞくぞく
多くの現代作家が、新作や新しいインスタレーションを発表。
国立新美術館初、國華社との共同企画
日本美術の研究で長い歴史を誇る國華社と初めて共同でキュレーション。
「日本博」プロジェクト採択企画
日本の美を発信する、文化芸術の祭典「日本博」において、ひとつの事業として選出。
アーティスト(記者会見)
北斎 × しりあがり寿
軽妙酒脱 浮世の富士
自ら「画狂人」と号するほどに描画に没頭した葛飾北斎。
北斎を敬愛するしりあがり寿が、本展に出品するのは北斎作品を現代風に解釈し、社会批評的視点やユーモアを加えたパロディ。
北斎と一緒に飾ってもらえるなんてスーパースターとツーショットを撮っている感じで緊張します。
人を楽しませるのに貪欲で新しい表現に対する好奇心が強い北斎を現代で再現したいですね。北斎が見たら苦笑しちゃうような作品をお届けしたいと思います。
仙厓 × 菅木志雄
無限は、シンプルだ
江戸時代の臨済宗の僧で、あらゆるものを禅画として描いた仙厓。
「もの派」の論理と方法論を確立して活躍してきた菅木志雄が、膨大な思考の軌跡を今ここにあるもの、そのものの在様をシンプルに集約。
仙厓に対する思いは学生の時からありまして、あまり違和感なく対峙できると思います。
自然には純粋な円とか三角とか四角とかはなく、人間が作り出したひとつのシンボリックな図形だと思うんですよね。しかし、日常の中には、円に近い枝とか三角に近い石。四角い田んぼ。と無数にあります。常にファイリングするのもひとつの楽しみであり制作しています。
円空 × 棚田康司
木を彫る、いのちを造る
江戸時代の僧で、約12万体の仏像を彫ったとも伝わる円空。
簡素な表現の中に木の生命力を感じさせる円空仏に関心を寄せてきた棚田康司が、円空同様、1本の木から像を掘り出す事で継ぎ目のない木彫を制作。
円空と考えた時、何かつながっているなと感じます。
現在では、世界とか社会とか分断されている所があると思うんですけれど、見ている方に「つながっている」という感覚を感じてもらえたら嬉しいです。
また、この機会に僕の作品のなかで最大のモノをお見せしたいと思います。
乾山 × 皆川明
自然の神秘、デザインの魔法
江戸時代の陶工で高級什器の世界で卓越した造形を展開した尾形乾山。
主宰ブランド「ミナペルホネン」による服や家具、器などを通じてライフスタイルを提案しつづけてきた皆川明が、優れた想像力が生み出す魅力を提示。
まず、この企画のお話をいただいた時、斬新でとても興味深かったです。
改めて、乾山との共通点は感じています。その上で、乾山はどんな背景でどんなイマジネーションと結びついて制作したのだろうと創造するととても楽しいです。
今回は、視覚的な共通点だけでなく、考えや形に至る部分でも、乾山が生きた時代と現在とではどのような共通点があって違いがあるのかお見せできたらいいなと考えております。
古典×現代2020―時空を超える日本のアート
2020年3月11日(水)~6月1日(月)
[会場] 国立新美術館 企画展示室2E (〒106-8558東京都港区六本木7-22-2)
[休館日] 毎週火曜日休館 ※ただし、5月5日(火・祝)は開館、5月7日(木)は休館
[開館時間] 10:00~18:00
※毎週金・土曜日は20:00まで ※5月30日(土)は「六本木アートナイト2020」開催にともない22:00まで ※入場は閉館の30分前まで
[展覧会ホームページ] https://kotengendai.exhibit.jp