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【日本画】鏑木清方三部作はじめ約110点の作品展示「没後50年 鏑木清方展」開催 音声ガイド「尾上松也」[東京国立近代美術館]

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本展のみどころ

日本画約110点の大回顧展

若くして挿絵で人気を博した清方は、文部省美術展覧会の開設(1907年)を契機に日本画に転向しました。 彼が人生を賭けた日本画作品約110点が一堂に会します。
※会期中、展示替えがあります。東京会場のみ、京都会場のみに展示される作品もあります。


三部作は二会場、全会期通して展示

《築地明石町》《新富町》《浜町河岸》
切手にもなった《築地明石町》。あわせて三部作となる《新富町》と《浜町河岸》。2019(令和元)年に44年ぶりに公開されたこの三部作を、東京、京都の両会場とも展示替えなしでご紹介します。


初公開作品、10点予定

清方が毎回力作を出品したグループ展・七絃会展の出品作《鐘供養》(1934年)、《雪紛々》(1937年)など10点が、回顧展では初公開となります。


展覧会構成が変わる二会場

東京会場では作品のテーマで区切って年代順に、京都会場では全体をとおして年代順に構成します。


尾上松也さんコメント


音声ガイドナビゲーター歌舞伎俳優の尾上松也さん

ーー展覧会の音声ガイドのナレーションを担当してみていかがですか?

伝えるべき、継承すべき作品だと感じました。風景や情景を感じる作品です。時代が変わっても残すもので、歌舞伎とも共通していますね。美術作品というだけでなく、ルーツや先祖が生きた証を感じました。

ナレーションという仕事においては、作品を見ながら聞いてくださると思いますので、聴きとりやすさは意識しました。

ーー気になった作品はありましたか?

父の実家が銀座でして、二十歳まで銀座に住んでいました。《築地明石町》は、本当に近くですよね。清方が描く場所は、私にとっても故郷です。安らぎや懐かしさを感じていただけたらと思います。

懐かしさなどを感じるということは、我々がつながっているということなのかなと思います。

清方も情景を思いかえしながら描いたと思うのです。今も街の風景は移り変わりますので、寂しさを感じますが、昔ながらの雰囲気は残って欲しいなと思います。


1章 生活をえがく[東京会場]

鏑木清方《築地明石町》


1927(昭和2)年、東京国立近代美術館、通期展示、絹本彩色・軸、173.5×74.0cm


鏑木清方《新富町》


1930(昭和5)年、東京国立近代美術館、通期展示、絹本彩色・軸、173.5×74.0cm


鏑木清方《浜町河岸》


1930(昭和5)年、東京国立近代美術館、通期展示、絹本彩色・軸、173.5×74.0cm


鏑木清方《泉》


1922(大正11)年、公益財団法人 二階堂美術館、通期展示、絹本彩色・軸、175.0×72.0cm


鏑木清方《雪紛々》


1937(昭和12)年、個人蔵、通期展示、絹本彩色・軸、143.7×56.2cm


鏑木清方《鰯》


1937(昭和12)年頃、東京国立近代美術館、通期展示、絹本彩色・軸、72.0×86.0cm


2章 物語をえがく[東京会場

鏑木清方《一葉女史の墓》


1902(明治35)年、 鎌倉市鏑木清方記念美術館、3月18日~4月3日展示、絹本彩色・軸、128.7×71.0cm


鏑木清方《三遊亭円朝像》重要文化財


1930(昭和5)年、 東京国立近代美術館、通期展示、絹本彩色・軸、138.5×76.0cm


鏑木清方《道成寺(山づくし)鷺娘》


1920(大正9)年、福富太郎コレクション資料室、4月5日~5月8日展示、絹本彩色・屏風(二曲一双)、各155.6×169.6cm


3章 小さくえがく[東京会場

鏑木清方《朝夕安居(朝)》


1948(昭和23)年、 鎌倉市鏑木清方記念美術館、3月18日~4月3日展示、絹本彩色・画巻、42.2×124.0cm


鏑木清方って、どんな人? 


ポートレート 鏑木清方(1956年)鎌倉市鏑木清方記念美術館

鏑木清方

[かぶらき・きよかた (1878-1972) ]

東京神田の佐久間町に生まれる。本名は健一。
父は幕末に戯作者として活躍し、維新後は「東京日日新聞」や「やまと新聞」を創刊した條野採菊。
13歳で水野年方に入門し挿絵画家として身を立てた後、日本画家を目指して仲間と結成した烏合会で研鑽を積む。1909(明治42)年に第3回文展に初入選。浮世絵をベースにした平明な姿かたち、明るい色調をもつ美人画によって画壇での地位を築いた。
大正時代半ば頃からは社会との接点をもつ作品世界を模索し、金鈴社のグループ展等で研究を重ねる。
1923(大正12)年に起こった関東大震災とその後の復興を境に、自身を育んだ明治時代を回顧する主題に新たな画境を開いた。展覧会の観客に向けた会場芸術に対し、ひとり机上で楽しむような小画面の作品を指す「卓上芸術」を提唱し実践したのもその頃から。
戦後は1954(昭和29)年に文化勲章受章。1972(昭和47)年に93歳で生涯を閉じるまで、“専ら市民の画境に遊ぶ”※小品に、心のふるさとを描き続けた。清方が戦後に暮らした鎌倉雪ノ下の住まいは、現在、鎌倉市鏑木清方記念美術館となっている。 
※「自作を語る」1971年『鏑木清方文集 一』 

画像はすべてⒸNemoto Akio



没後50年 鏑木清方展[東京会場]

2022年3月18日(金)~5月8日(日)

[会場] 東京国立近代美術館(東京・竹橋)

[開館時間] 9時30分~17時(金曜・土曜は20時まで)
※入館は閉館の30分前まで。※所蔵作品展「MOMATコレクション」、コレクションによる小企画「新収蔵&特別公開|ピエール・ボナール《プロヴァンス風景》」は10時開場

[休館日] 月曜日(3月21日、28日、5月2日は開館)、3月22日(火)

[入場料] 一般1,800円、大学生1,200円、高校生700円 (いずれも税込) ※ 中学生以下は無料。障害者手帳等をお持ちの方とその介護者1名は無料。

[主催] 東京国立近代美術館、毎日新聞社、NHK、NHKプロモーション
[協賛] 損害保険ジャパン、DNP大日本印刷

[お問合わせ] 050–5541–8600(ハローダイヤル)
[公式サイト] https://kiyokata2022.jp/
[公式Twitter] @kiyokata_2022
[巡回情報] 2022年5月27日(金)~7月10日(日)京都国立近代美術館


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