【日本画】特別展「水のかたち ー《源平合戦図》から千住博の「滝」までー」開催。源平の物語をテーマにした、特集展示「日本画に描かれた源平の世界 」もあわせて展示[山種美術館]
清涼感あふれる水をテーマにした特別展「水のかたち ―《源平合戦図》から千住博の「滝」まで―」と特集展示「日本画に描かれた源平の世界」が2022年7月9日(土)より9月25日(日)まで山種美術館にて開催されます。
四方を海に囲まれ、湿潤な気候で降水量の多い日本では、水は身近な存在であり、古来、名所絵や山水画、物語絵など、さまざまな主題の中で描かれてきました。近代以降の日本画においても、海や湖、川や滝を題材とした風景画から、水辺の場面を描く歴史画まで、水が主要なモティーフとなった作品は時代やジャンルを問わず幅広く見いだせます。
降り注ぐ雨、煙る霧、川の清らかな流れ、荒ぶる海、池や湖のゆらめく水面、水が結晶となって降り積もる雪など、水は刻々と姿を変え、多彩な表情をみせます。画家たちはその表情を巧みにとらえ、各々の感性と技術によって、水のかたちを個性豊かに描き出しています。
本展では、海辺を舞台とする《源平合戦図》から、《名所江戸百景 大はしあたけの夕立》など雨を描いた名作で知られる歌川広重(うたがわひろしげ)[1797-1858]の名所絵、群青をふんだんに使って海を表現する川端龍子(かわばたりゅうし)[1885-1966]の《黒潮》、中国の幽玄な山水の景を水墨で描き出した松尾敏男(まつおとしお)[1926-2016]の代表作《連山流水譜》(個人蔵)、画家の代名詞にもなっている千住博(せんじゅひろし)[1958-]の「滝」シリーズまで、水を印象的に描き出した優品の数々を展示します。
涼感にあふれた美術館の展示室で、日本の画家たちが描き出すさまざまな水のかたちをご堪能ください。
[特集展示] 日本画に描かれた源平の世界
昨今、大河ドラマやアニメで注目を集めている源平の物語は、日本画でもたびたび取り上げられ、小林古径(こばやしこけい)[1883-1957]や前田青邨(まえだせいそん)[1885-1977]をはじめ、歴史画を得意とする画家たちを中心に描き継がれてきました。
そのなかでは、宇治川や瀬戸内海など、水辺を舞台とした場面が数多く絵画化されています。これらの作品を「水のかたち」展で取り上げるとともに、源義経と藤原秀衡を描く安田靫彦(やすだゆきひこ)[1884-1978]《平泉の義経》、平清盛の娘・徳子 (建礼門院)を描く今村紫紅(いまむらしこう)[1880-1916]《大原の奥》など、源平のヒーロー、ヒロインを題材とした作品をあわせて展示します。
※上記文中のうち、所蔵表記のない作品はすべて山種美術館蔵です。
[特別展]水のかたち -《源平合戦図》から千住博の「滝」まで-
特集展示:日本画に描かれた源平の世界
2022年7月9日(土)〜9月25日(日)
※会期中、一部の作品を展示替えいたします [前期7/9(土)〜8/14(日)、後期 8/16(火)〜9/25(日)]
[開館時間]
10:00〜17:00 (入館は16:30まで)
※今後の状況により会期・開館時間等は変更する場合がございます。
[休館日]
月曜日 [7/18(月)、9/19(月)は開館、 7/19(火)、9/20(火)は休館]
[入館料]
一般1300円、中学生以下無料 (付添者の同伴が必要です)
※障がい者手帳、被爆者健康手帳をご提示の方、およびその介助者 (1名)一般 1100円
[夏の学割]
大学生・高校生500円
※本展に限り、特別に入館料が通常1000円のところ半額になります。
[きもの特典]
きものでご来館のお客様は、一般料金から200円引きとなります。(複数の割引・特典の併用はできません)
[主な出品作品]
約50点(○…前期展示 7/9〜8/14、●…後期展示 8/16〜9/25、無印 …全期間展示 )
《源平合戦図》、歌川広重《東海道五拾三次之内 蒲原・夜之雪》 ●、《東海道五拾三次之内 庄野・白雨》 ●、《名所江戸百景 大はしあたけの夕立》〇、小堀鞆音《那須宗隆射扇図》、横山大観《夏の海》、川合玉堂《雪志末久湖畔》、菱田春草《雨後》、今村紫紅《大原の奥》、奥村土牛《鳴門》、安田靫彦《平泉の義経》、前田青邨《大物浦》、川端龍子《黒潮》、山本丘人《流転之詩》、横山操《滝》、松尾敏男《連山流水譜》(個人蔵)、加山又造《波濤》、千住博《ウォーターフォール》ほか
※出品内容には変更が入る場合があります。※所蔵表記のない作品はすべて山種美術館蔵。
※会期中、一部展示替えを行います。
[主催]山種美術館、日本経済新聞社
[山種美術館]https://www.yamatane-museum.jp/
[入館日時オンライン予約]
詳しくは、山種美術館Webサイト(https://www.yamatane-museum.jp/onlineticket.html)をご覧ください。
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