【日本画】動物を描けばその体臭までも表す! 特別展「没後80年記念 竹内栖鳳」開催[山種美術館]
この記事の目次
本展の見どころ
みどころ① 本展限りの撮影チャンス!アイドルねこ《班猫》
猫の柔らかな毛並み、しなやかな動きの一瞬をとらえた《班猫》【重要文化財】は、今もなお多くの人を魅了し続けています。今回、特別に《班猫》を写真撮影いただけます!お見逃しなく!
※撮影はスマートフォン・タブレット・携帯電話に限らせていただきます。
みどころ② あなたの知らない栖鳳作品に出会える
山種美術館所蔵の栖鳳作品全26点をはじめ、個人蔵の初公開作品10点(うち2点は後期展示 11/8〜 12/4)を含む初期から晩年までの栖鳳作品が一堂に会します。
みどころ③ 京都画壇の名だたる画家たちの名作が揃う
村上華岳《裸婦図》【重要文化財】をはじめ、江戸時代から近代・現代に至るまで、京都画壇の選りすぐりの画家たちの競演をお楽しみいただけます。
第1章 竹内栖鳳
竹内栖鳳《松虎》東京国立博物館
渡欧前に制作された作品。水を呑む虎という、伝統的に描かれてきた虎の図様を用いており、松や岩の描写には、円山・四条派だけでなく、狩野派や中国絵画を学んだ跡がみられます。
虎の毛並みに施された胡粉によるハイライトや、虎の顔の表現など、写実的に見せるための栖鳳の工夫がみてとれます。
竹内栖鳳 《松虎》 1897(明治30)年頃 絹本・彩色 東京国立博物館 [前期展示 10/6-11/6]
竹内栖鳳《班猫》【重要文化財】
栖鳳は旅先の沼津で見かけた猫から徽宗皇帝の猫の絵を想起し、表現欲が湧いたといわれています。その猫を譲り受けて連れ帰り、写真撮影や写生を繰り返した上で本作品を完成させました。
瞳や毛描に金泥を用いるなど、江戸時代以前からの手法に準じながらも、写実性、迫真性に富んでおり、伝統的な絵画表現を活かしつつ、新たな動物画の境地に挑んだ画家の姿勢がみてとれます。
竹内栖鳳 《班猫》【重要文化財】1924(大正13)年 絹本・彩色 山種美術館
竹内栖鳳《潮来小暑》
昭和2年に初めて潮来(茨城)を訪れた栖鳳は、中国・揚州の風景に似通ったこの地に魅せられ、同地に取材した作品を数多く残しました。
本作品では、水彩風の淡い色彩によって、水郷の風光が巧みに表現されています。
牛をのせた小舟も、水路を道路代わりにする水郷の農村ならではの風物です。小暑とは梅雨明けを迎える頃のことで、描かれた風景には、湿潤な空気とともに陽光のまぶしさが感じられます。
竹内栖鳳 《潮来小暑》 1930(昭和5)年 絹本・彩色 山種美術館
竹内栖鳳《海幸》個人蔵
竹内栖鳳 《海幸》 昭和初期 絹本・彩色 個人蔵
第2章 栖鳳をめぐる人々
西村五雲 《白熊》
日本で2番目の動物園として開館した京都市動物園で、初めて目にした白熊を繰り返し写生し完成させた作品。
北極と思しき遠景と、白熊がオットセイを捕らえて餌にするという構想は、画家の創作と思われます。動物描写では師の栖鳳をもしのぐといわれた五雲ですが、本作品もスピード感のある毛描が高く評価されました。
西村五雲 《白熊》 1907(明治40)年 絹本・彩色 山種美術館
特集 国画創作協会−栖鳳が応援した画家たち−
村上華岳《裸婦図》【重要文化財】
平成26年に重要文化財に指定された華岳の代表作。
人間永遠の憧憬の源であり理想の典型である 「久遠(くおん)の女性」を描きました。実在の女性をモデルとする一方、装身具をつけた姿やポーズはアジャンタ一石窟(インド)の菩薩像などから着想を得ており、遠景に風景を描く構図はレオナルド・ダ・ヴィンチの 《モナ・リザ》(ルーブル美術館)を想起させます。この作品以降、華岳が生身の女性を描くことはありませんでした。
村上華岳 《裸婦図》【重要文化財】1920(大正9)年 絹本・彩色 山種美術館
※文中、所蔵先表記のない作品はすべて山種美術館蔵。
[特別展]没後80年記念 竹内栖鳳
2022年10月6日(木)〜12月4日(日)
※会期中、一部展示替えあり。
【前期】10月6日(木)〜11月6日(日)
【後期】11月8日(火)〜12月4日(日)
[開館時間]
10:00〜17:00 (入館は16:30まで)
※今後の状況により会期・開館時間等は変更する場合がございます。
[休館日]
月曜日
[入館料]
一般1300円、大学生・高校生1000円、中学生以下無料 (付添者の同伴が必要です)
※障がい者手帳、被爆者健康手帳をご提示の方、およびその介助者(1名)一般 1100円、左記いずれかのうち大学生・高校生900円
[きもの特典]
きものでご来館のお客様は、一般200円引き、大学生・高校生100円引きとなります。(複数の割引・特典の併用はできません)
[主な出品作品]
63点 ※所蔵表記のない作品はすべて山種美術館蔵。 ※出品内容には変更が入る場合があります。
竹内栖鳳:《松虎》(東京国立博物館)[前期展示]、《真桑瓜図》(個人蔵)、《班猫》【重要文化財】、《双鶴》、《白菜》(個人蔵)、《潮来小暑》、《みゝづく》、《蛙と蜻蛉》、《鴨雛》、《憩える車》、《艸影帖・色紙十二ヶ月》、《海幸》(個人蔵)
伝 長沢芦雪《唐子遊び図》【重要美術品】、都路華香《萬相亭》、山元春挙《曠原放牧図》、西村五雲《白熊》、西山翠嶂《狗子》、村上華岳《裸婦図》【重要文化財】ほか
※出品作品および展示期間は都合により変更される場合があります。
[主催]山種美術館、日本経済新聞社
[山種美術館]https://www.yamatane-museum.jp/
[入館日時オンライン予約]
詳しくは、山種美術館Webサイト(https://www.yamatane-museum.jp/onlineticket.html)をご覧ください。