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【浮世絵】人気の浮世絵師が一堂に!『大浮世絵展ー歌麿、写楽、北斎、広重、国芳 夢の競演』開催

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『大浮世絵展ー歌麿、写楽、北斎、広重、国芳 夢の競演』のみどころ

5人の浮世絵師の展覧会を一堂に

国内外で現在もっとも人気のある歌麿、写楽、北斎、広重、国芳の5人の粋を集めた展覧会です。各絵師のエッセンスであるジャンルに絞り、誰もが見たことのある作品が並び、各絵師の展覧会5つが一堂に会したような豪華な内容になっています。

浮世絵本来の鮮やかさを残す作品の数々

浮世絵は、保存状況によって作品状態に大きな差が出ます。本展では、国際浮世絵学会の監修のもと、国内外の優品を集めました。浮世絵本来の鮮やかさに目を奪われます。


第1章 喜多川歌麿

[きたがわうたまろ]

宝暦3年頃~文化3年(1753年頃~1806年)

いわずと知れた美人画の名手。
絵を狩野派の町絵師鳥山石燕について学び、十代から北川豊章の号で、絵入版本や細判の役者絵なども描いていましたが、号を歌麿と改めた天明元年(1782)頃からは、気鋭の版元蔦屋重三郎のサポートを得て積極的な活動を始め、一気に実力を発揮します。美人画では、すでに独特のしなやかな体の表現が見られます。この頃には、『画本虫撰』をはじめとする絵入狂歌本でも、優れた表現を見せています。

寛政4年(1792)頃から寛政末頃、歌麿芸術は絶頂期を迎えます。特に上半身をアップで描く大首絵の手法を取り入れた「婦人相学十躰」、「歌撰恋之部」などの美人大首絵には、歌麿作品の美質が凝縮されています。腰から上を、やがて胸から上を描くようになる歌麿の美人大首絵に高評価が与えられるのは、描かれた女性が美しいというだけではないでしょう。

近くから顔を見れば相手の表情が分かるものです。歌麿は、大写しにした女性の顔に気持ちや心映えを込めることができたのです。恋に悩み、恋に心ときめかす表情や、ふとしたしぐさに隠された心の動きなど、全身描写では分からないことを、歌麿は大首絵で表現しました。

もとより、画面構成や色彩バランスなど、画家としての基礎的な力量において歌麿が傑出していたことは、肉筆画などでも明らかです。複数の女性が描かれる場合には、女性のポーズが画面にリズムを生み出していること、これも歌麿作品の大きな魅力のひとつです。


婦女人相十品 ポペンを吹く娘


喜多川歌麿「婦女人相十品 ポペンを吹く娘」江戸時代/寛政4-5年(1792-3)頃、大判錦絵 メトロポリタン美術館蔵 Image Copyright ⒸThe Metropolitan Museum of Art / Image source: Art Resource, NY 展示期間:2019年12月3日~12月22日(東京会場)


当時三美人


喜多川歌麿「当時三美人」江戸時代/寛政5年(1793)頃、大判錦絵 ギメ東洋美術館蔵 Photo Ⓒ RMN-Grand Palais (MNAAG, Paris) / Harry Bréjat / distributed by AMF 展示期間:2019年12月17日~2020年1月19日(東京会場)


難波屋おきた


喜多川歌麿「難波屋おきた」江戸時代/寛政5年(1793)頃、大判錦絵 ミネアポリス美術館蔵 Photo:Minneapolis Institute of Art 展示期間:2019年11月19日~12月15日(東京会場)


第2章 東洲斎写楽

[とうしゅうさいしゃらく]

生没年不詳

写楽の浮世絵界への登場は異例ずくめのものでした。聞いたこともない絵師が描いた、寛政6年(1794)5月の江戸三座の芝居に取材した役者絵は、28枚の役者絵という量の多さ、黒雲母摺の大首絵という豪華な形式、いずれも破格の扱いでした。しかもその描写内容は、誇張された描写が目に飛び込んでくるという前例のないものでした。続いて同年7・8月の秋狂言に取材した38枚を、同じく11月・閏11月の江戸三座の顔見世狂言に取材したものを中心に64枚、そして翌年正月の初春狂言を中心に12枚を出しますが、写楽の錦絵作品で確実なのはこれだけです。

こうした写楽に対して、大田南畝は『浮世絵類考』で次のように記しています。「あまりに真を画かんとて、あらぬさまにかきしかば、長く世におこなわれず、一両年にして止む」。写楽は、役者の“真”を描こうとして“あらぬさま”に描いたので、1・2年で消えてしまったというのです。

活動期はあまりに短く、作品も少ない写楽ですが、評価は世界的にもすこぶる高いものがあります。それは南畝の言う「真」に注目すれば納得できるでしょう。悪役でも浪人役でも、役者はその役柄になりきろうと演技します。写楽は役者自身が悪人に見えるくらいの演技ぶり、つまり舞台上の役者の真の姿を描き出すのです。誇張の目立つその画風が好悪両様の反応を呼んだのは当然でしたが、斬新なその役者絵は浮世絵界に刺激を与えることになりました。

なお、謎の多い写楽に対しては、誰某論が盛んで、さまざまな説がありますが、「阿波侯の能役者」斎藤十郎兵衛(宝暦13年~文政3年(1763~1820))とするもの以外に有力なものは見当たりません。


三代目大谷鬼次の江戸兵衛


東洲斎写楽「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」江戸時代/寛政6年(1794)、大判錦絵 ベルギー王立美術歴史博物館蔵 Royal Museums of Art and History,Brussels 展示期間:2019年11月19日~12月8日(東京会場)


市川鰕蔵の竹村定之進


東洲斎写楽「市川鰕蔵の竹村定之進」江戸時代/寛政6年(1794)、大判錦絵 ボストン美術館蔵 Photograph © 2019 Museum of Fine Arts, Boston 展示期間:2019年12月17日~2020年1月19日(東京会場)


四代目岩井半四郎の重の井


東洲斎写楽「四代目岩井半四郎の重の井」江戸時代/寛政6年(1794)、大判錦絵 メトロポリタン美術館蔵 Image Copyright ⒸThe Metropolitan Museum of Art / Image source: Art Resource, NY 展示期間:2019年12月10日~2020年1月5日(東京会場)


第3章 葛飾北斎

[かつしかほくさい]

宝暦10年~嘉永2年(1760年~1849年)

多くの人の記憶に残っている錦絵である北斎の「神奈川沖浪裏」(大波)や「凱風快晴」(赤富士)は、見た瞬間に記憶に残る強い造形を持っています。
北斎は、30回におよぶ改名や90回以上の転居などの奇癖が注目されがちですが、90年の生涯のうち、70年にわたって浮世絵のすべてのジャンルにおいて第一線で描き続けた巨人なのです。

北斎は、江戸本所割下水(現墨田区亀沢)の町人の家に生まれました。19歳で当時の役者絵の第一人者勝川春章に入門し、はやくも翌年デビューします。35歳頃に勝川派を離れてからは北斎の独自性がはっきりしてきます。さまざまな画風を学習し、非売品の版画である摺物など錦絵以外の活動も増えてきますが、文化年間を中心に集中的に描いた読本の挿絵は、画業進展の中でとりわけ重要な要素でした。頁を繰った瞬間に飛び込んでくる読本の挿絵で、北斎は強烈な印象を与える図を描きました。世に存在しないもの、力や速さといったものまで表現しようとしました。また、圧倒的なデッサン力を見せる『北斎漫画』などの絵手本も次第に増えてきます。

「冨嶽三十六景」、「諸国瀧廻り」など、70代前半の風景画を中心とした錦絵の連作では、洋風画学習の成果である合理的な空間構成、読本挿絵で習熟した動感と緊張感に富む構図など、それまでの試みや経験が見事に開花しています。「神奈川沖浪裏」の求心的でダイナミックな構図、「甲州石班沢」の爽快なまでの安定した構図、「諸国瀧廻り下野黒髪山きりふりの滝」の岩肌を伝うアメーバのような滝の水、いずれも一目見たら忘れることのできない、強い造形性を誇っています。花鳥版画も同様です。和紙に摺られたささやかな画面の中に、かくも偉大な表現をなしとげることができたのは感動的でもあります。


冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏


葛飾北斎「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」江戸時代/天保2-4年(1831-33)頃、横大判錦絵 ミネアポリス美術館蔵 Photo:Minneapolis Institute of Art 展示期間:2019年11月19日~12月15日(東京会場)


冨嶽三十六景 凱風快晴


葛飾北斎「冨嶽三十六景 凱風快晴」江戸時代/天保2-4年(1831-33)頃、横大判錦絵 東京都江戸東京博物館蔵 展示期間:2019年12月17日~2020年1月19日(東京会場)


諸国瀧廻り 下野黒髪山きりふりの滝


葛飾北斎「諸国瀧廻り 下野黒髪山きりふりの滝」江戸時代/天保4年(1833)頃、大判錦絵 展示期間:2019年11月19日~12月15日(東京会場)


芥子


葛飾北斎「芥子」江戸時代/天保(1830-44)前期、横大判錦絵 ミネアポリス美術館蔵 Photo:Minneapolis Institute of Art 展示期間:2019年12月17日~2020年1月19日(東京会場)


第4章 歌川広重

[うたがわひろしげ]

寛政9年~安政5年(1797年~1858年)

広重は、各地の名所や宿場に取材し、それを抒情的で風情のある図に仕立てる名人として私たちの記憶に強く残っていることでしょう。

広重は、定火消同心の長男に生まれました。つまり武士です。父が早世して13歳で家を継ぎ、15歳頃に浮世絵師歌川豊広に入門し、27歳で隠居して画業に専念するようになります。役者絵、美人画、武者絵など、多彩なジャンルの作をこなしていましたが、北斎の「冨嶽三十六景」に刺激を受けてか風景画を描きはじめ、天保4年(1833)頃に出した保永堂版「東海道五拾三次之内」は、彼の絵師としての方向性を決定づけたようです。以後、風景版画を非常に多く手がけています。「木曾海道六拾九次」や二十種以上におよぶ東海道絵に、伝統的画題の「近江八景」や多数の江戸名所揃物など、その風景版画はおびただしい数になります。晩年に至っても「名所江戸百景」や「六十余州名所図会」など、大部の風景画揃物を出しました。

広重の方向性を決定づけた保永堂版「東海道五拾三次」には、広重作品の魅力が凝縮されています。この揃物の人気作品は、宿場の光景や付近の名所を説明的に描くものではありません。図には天候、季節、時間帯などさまざまな脚色が施されています。具体的には雨、雪、霧、月、夜などで、いずれも歌謡曲のタイトルに通じるものといえるかもしれません。またそこに登場する人物の多くは、笠で顔を隠したり、後ろ姿に描かれたりと、そこから表情をうかがうことはできません。人々の表情や気持ちは鑑賞者が想像するしかないのです。だからこそ鑑賞が深まるのでしょう。これを「あからさまに描かない」と考えると、同様の効果は広重の他の作品にも指摘できます。シルエット表現もそうでしょうし、特に晩年の縦判の風景画で多用する画面の端でモチーフを切り取る手法も同じような効果につながるものでしょう。そうして見る人の鑑賞が深まり、心を揺さぶるのです。


東海道五拾三次之内 蒲原 夜之雪


歌川広重「東海道五拾三次之内 蒲原 夜之雪」江戸時代/天保5-7年(1834-36)、横大判錦絵 ミネアポリス美術館蔵 Photo:Minneapolis Institute of Art 展示期間:2019年11月19日~12月15日(東京会場)


東海道五拾三次之内 庄野 白雨


歌川広重「東海道五拾三次之内 庄野 白雨」江戸時代/天保5-7年(1834-36)頃、横大判錦絵 東京都江戸東京博物館蔵 展示期間:2019年12月17日~2020年1月19日(東京会場)


名所江戸百景 亀戸梅屋舗


歌川広重「名所江戸百景 亀戸梅屋舗」江戸時代/安政4年(1857)、大判錦絵 東京都江戸東京博物館蔵 展示期間:2019年12月17日~2020年1月19日(東京会場)


月に雁


歌川広重「月に雁」江戸時代/天保(1830-44)中期、中短冊判錦絵 ミネアポリス美術館蔵 Photo:Minneapolis Institute of Art 展示期間:2019年11月19日~12月15日(東京会場)


第5章 歌川国芳

[うたがわくによし]

寛政9年~文久元年(1797年~1861年)

国芳は、豊かな発想で次々とアイデアを出し続け、幕末の浮世絵界を活性化させた人物です。特に勇壮な武者絵や、三枚続の画面にワイドに展開する歴史画や動物を擬人化させて描く戯画は、時代を超えて現代人にも高く評価されています。

国芳は、江戸日本橋の染物屋の家に生まれました。15歳で当時最大流派となりつつあった歌川派の領袖である豊国の門に入ります。

その名が江戸市中に広まるのは31歳の作「通俗水滸伝豪傑百八人之一個」が大ヒットしたことによります。水滸伝ブームに乗った企画でしたが、登場する英雄の力強いポーズと、大胆で躍動感に満ちた構図が、従来の武者絵を大きく凌駕する魅力を放っていたのです。

英雄の登場する和漢の故事や説話に取材した作品では、「ワイドスクリーン」と呼びたい三枚続の作品が注目されます。横長の画面いっぱいに巨大なモチーフを配して、シネラマ映画を見るようなダイナミックな画面が作り出され、見る人の視覚の驚きを誘います。

戯画におけるユーモアのセンスと趣向の妙は国芳の独壇場といってよいでしょう。特に動物を擬人化したものは、動物のかわいらしさと人間くさい仕草の取り合わせが絶妙です。

これら以外にも、現場からレポーターが生中継しているような趣を持つ風景画や、明るく屈託のない女性表現が魅力の美人画など、国芳の個性は際だったものがあります。

国芳の作品からは、自分も一緒に楽しもうとする国芳の姿勢が透けて見えてきます。浮世絵が人々が楽しむための情報を与えるものであったことを思い出せば、人が楽しむことを喜んだ風のある国芳こそ、奇想の画家といわれるけれども、むしろ逆に正統的な浮世絵師であったともいえるかもしれません。


相馬の古内裏


歌川国芳「相馬の古内裏」江戸時代/弘化2-3年(1845-46)、大判錦絵3枚続 展示期間:2019年12月17日~2020年1月19日(東京会場)


宮本武蔵の鯨退治


歌川国芳「宮本武蔵の鯨退治」江戸時代/弘化4年(1847)、大判錦絵3枚続 展示期間:2019年11月19日~12月15日(東京会場)


其まヽ地口猫飼好五十三疋


歌川国芳「其まヽ地口猫飼好五十三疋」江戸時代/嘉永元年(1848)頃、大判錦絵3枚続 展示期間:2019年11月19日~12月15日(東京会場)


大浮世絵展ー歌麿、写楽、北斎、広重、国芳 夢の競演

2019年11月19日(火)~2020年1月19日(日) ※会期中展示替えあり

[会場]東京都江戸東京博物館1階特別展示室
[開館時間]9:30~17:30(土曜は19:30まで) ※入館は閉館の30分前まで
[休館日]月曜日(2020年1月13日は開館)、2019年12月28日(土)~2020年1月1日(水・祝)
[主催]公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都江戸東京博物館、国際浮世絵学会、読売新聞社
[公式ホームページ]https://dai-ukiyoe.jp
 ※観覧料は公式ホームページをご確認ください。


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抽選で5組10名様に『大浮世絵展ー歌麿、写楽、北斎、広重、国芳 夢の競演』東京会場観覧券プレゼント!

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【応募締切】
2019年11月19日(火)

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※当選は発送をもってかえさせていただきます。
※発送用に頂いた情報は、発送以外に使用致しません。


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