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【日本画】山種美術館広尾開館10周年記念特別展「上村松園と美人画の世界」開催中!

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本展のみどころ


山種美術館の松園作品をすべて展示

代表作《蛍》や《砧》をはじめとする、所蔵作品全18点が一堂に会すのは約3年ぶり!季節を感じさせる衣装や丹念に描かれた日本髪、繊細な表情をみせる目元や指先など、松園芸術の粋をご堪能ください。


美人画の名手たちの作品が勢揃い

松園の作品とともに、鏑木清方や伊東深水、橋本明治など、近代・現代の画家たちが手がけた美人画の数々をご紹介します。それぞれに趣向を凝らし描かれた、女性の装いや仕草をご覧いただきながら、華やかな美人画の世界をお楽しみください。


日本画に描かれた多彩な女性像

日本画家たちは、古画や文学などに取材し、さまざまな女性の姿を描き出しました。仏画を思わせる神秘的な女性像を表した村上華岳《裸婦図》【重要文化財】をはじめ、日本画において幅広く展開した女性表現をご紹介します。


第1章

上村松園の美人画 一珠玉の美一

江戸や明治の風俗に取材した美人画を多く描いています。
画中の女性の装いは、古画や時代風俗の学習に基づいた豊富な知識によって表されました。結われた日本髪や身にまとう衣装の細部にいたるまで、各時代の様式をふまえて描き出されています。一方で、身体の柔らかな丸みや、温かみを感じさせる肌の色、指先の仕草などの繊 細な描写には、観察に基づいた現実味も感じられ、松園ならではの生き生きとした女性の姿が表現されています。

松園の作品の主題は歴史上の人物から市井の女性まで様々。画中の女性の外面の美しさのみならず、清澄さや品格といった内面の美しさまでを表現することで美人画の世界に新境地をひらいています。



上村松園《桜可里》1926-29(昭和元-4)年頃 絹本・彩色 山種美術館



上村松園《新蛍》1929(昭和4)年 絹本・彩色 山種美術館



上村松園《春のよそをひ》1936(昭和11)年頃 絹本・彩色 山種美術館



上村松園《春芳》1940(昭和15)年 絹本・彩色 山種美術館



上村松園《春風》1940(昭和15)年 絹本・彩色 山種美術館



上村松園《つれづれ》1941(昭和16)年 絹本・彩色 山種美術館



上村松園《娘》1942(昭和17)年 絹本・彩色 山種美術館



上村松園《牡丹雪》1944(昭和19)年 絹本・彩色 山種美術館



上村松園《庭の雪》1948(昭和23)年 絹本・彩色 山種美術館


第2章

美人画の精華

第7回文展に出品され三等賞を受賞した松園《蛍》は、蚊帳と美人の組み合わせが江戸時代の浮世絵を思わせる一方で、柔らかな女性の表情や、当時流行していたアール・ヌーヴォー風の百合模様が表された浴衣などから、同時代の表現への意識も感じられます。

美人画の名手として上村松園と並び称された鏑木清方や、清方と同じ画塾に学んだ池田輝方、清方の弟子である伊東深水、松園と同様に京都を拠点に活躍した女性画家・伊藤小坡など、松園とともに美人画の隆盛を導き支えた画家たちの作品がご覧いただけます。
画家たちが趣向を凝らして女性の装いや仕草を描き出した、華やかな美人画をお楽しみください。



上村松園《蛍》1913(大正2)年 絹本・彩色 山種美術館



池田輝方《夕立》1916(大正5)年 絹本・彩色 山種美術館



橋本明治《舞》1966(昭和41)年 紙本・彩色 山種美術館


第3章

物語と歴史を彩った女性たち

大正期の上村松園は、表面的な美しさばかりではなく、女性の内面性や感情を表した人物画を描こうと模索し、謡曲を画題とした美人画に積極的に取り組むようになります。
1938(昭和13)年に描かれた《砧》も、謡曲「帖」の物語に取材した作品です。遠く離れた夫の帰りを待ちながら砧を打とうとする妻の毅然とした姿を捉え、画中の女性の高い精神性を感じさせます。

古くから日本では、物語を題材とした絵が数多く生み出されており、近代以降も文学に取材した絵画は描き継がれました。
日本画家たちがさまざまな画題に取り組むことによって表された、多彩な女性像をご覧ください。



上村松園《砧》1938(昭和13)年 絹本・彩色 山種美術館


特集

村上華岳《裸婦図》と女性表現の展開

1920(大正9)年に描かれた村上華岳《裸婦図》は、この時代に描かれた女性像を代表する作品です。

薄物をまとった女性が森の中にたたずむ様子が描かれています。
顔立ちや装身具は神仏の像を想い起こさせ、神秘的な雰囲気を漂わせています。女性像の背景として、遠景に風景を描く表現にはレオナルド・ダ・ヴィンチ《モナ・リザ》などの西洋絵画の影響もみられます。

華岳は、構図や女性のポーズなどを、仏画をはじめとする東西の美術に学び、そこに自身の妻などの実在の女性のイメージを重ねることによって、画中に深遠なる精神世界を表しました。



村上華岳《裸婦図》【重要文化財】1920(大正9)年 絹本・彩色 山種美術館


オリジナル特製和菓子


美術鑑賞の余韻のなかで、お茶とスイーツ、ランチが楽しめる「Cafe椿」にて、上村松園と美人画の世界に合わせたオリジナル特製和菓子がいただけます。


雪の日

上村松園 《牡丹雪》



雪の中、女性がさす傘を 端正な和菓子で表しました。 中は描かれた着物を思わせる 黄緑色の柚子あんです。(柚子あん)


雪輪

上村松園 《庭の雪》


舞い降りる雪に身を縮める娘。 麻の葉文様の絞りの帯をかたどりました。 雪をイメージした粉糖と錦玉羹をアクセントに。(こしあん・錦玉羹)


花の色

上村松園 《春のよそをひ》



春の装いを身にまとった女性。淡雪羹の桜を春らしい色合いのきんとんにのせ、簪を表現しました。(黒糖風味大島あん・淡雪羹) ※卵を使用しています。


春のかぜ

上村松園 《春風》


桜花柄の着物と風にふわりととぶ蝶を、可愛らしい和菓子に仕上げました。中は上品な甘さのこしあんです。(こしあん・淡雪羹) ※卵を使用しています。


誰が袖

上村松園 《春芳》


春の訪れを感じさせる一幅。女性がまとった打掛とかたわらの白梅をモティーフに、風味豊かな胡麻入りのあんを包みました。(胡麻入りこしあん・淡雪羹) ※卵を使用しています。



山種美術館 広尾開館10周年記念
特別展「上村松園と美人画の世界」

[会期] 2020年1月3日(金)~3月1日(日) *会期中、一部展示替えあり
[開館時間] 午前10時〜午後5時 (入館は午後4時30分まで)
[休館日]  月曜日[但し、2/24(月)は開館、2/25(火)は休館]
[入館料] 一般1200円(1000円)・大高生900円(800円)・中学生以下無料
※( )内は20名以上の団体料金および前売料金。※障がい者手帳、被爆者健康手帳をご提示の方、およびその介助者(1名)は無料。
[割引情報]
<きもの割引> 会期中、きものでご来館のお客様は、団体割引料金となります。
<リピーター割引> 本展使用済み入場券(有料)のご提出で、会期中の入館料が団体割引料金となります(1枚につき1名様1回限り有効)。
※リピーター割引は、同一の展覧会を2回目以降にご覧いただく場合に有効。他の展覧会の入場券はご使用いただけません。※ 複数の割引の併用はできません。
[主催] 山種美術館、日本経済新聞社

[山種美術館]>>http://www.yamatane-museum.jp/


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