【ずんだ】黄緑色鮮やかなヘルシーフード「ずんだ餅」地域によって違う呼称。特徴や由来[郷土料理]
「ずんだ餅」の特徴
「ずんだ餅」の最大の特徴はあざやかな黄緑色にあります。
旬の枝豆が持つみずみずしさが色を見るだけで伝わってきますね。また旬の枝豆ならではの甘みと香り、つぶつぶとした食感を存分に味わえるのもシンプルな材料で作る「ずんだ餅」だからこそです。
材料は枝豆、塩、砂糖、そしてお餅だけととてもシンプルですが「ずんだ餅」には糖質、食物繊維、ビタミン、カリウム、鉄分などが含まれていますし、枝豆をすりつぶしてあるので消化にも良い食品です。さらには「ずんだ餅」(1個当たり20g)のカロリーはおよそ40キロカロリーしかありません。
チョコレートは20gでおよそ112キロカロリー、食後の満足感も考えると「ずんだ餅」は低カロリーかつ満足感のあるスイーツと言えるでしょう。
「ずんだ餅」は夏限定の和菓子?
「ずんだ餅」には夏季、とくにお盆やお彼岸などのお供え物として南東北地方で食べられる和菓子、といったイメージがありませんか?
ひと昔前まで「ずんだ餅」は枝豆の旬である夏季限定の和菓子でした。また賞味期限が短いことからお土産物にもあまり向かず、それゆえに南東北地方を中心とした夏季および地域限定の和菓子でもありました。しかし近年では冷凍技術などが進化したことや流通システムが発達したこともあり、全国各地で季節を問わずに「ずんだ餅」をたのしめるようになりました。とはいえやはり旬の季節に本場でいただく「ずんだ餅」の風味は格別と言われています。
夏場はよく冷やして食べるのが一般的だとか。現地に足を運んでみたくなりますね。
「ずんだ餅」の歴史と由来
「ずんだ餅」という名前の由来には諸説あるものの、戦国時代から食べられている「ずんだ餅」の歴史にはあるひとりの戦国武将が深くかかわっています。
その武将とは仙台藩の初代藩主・伊達政宗です。
ドラマや映画などでもおなじみの戦国時代を代表する名将ですが武芸だけではなく料理好きとしても知られています。「ずんだ餅」と伊達政宗公にはどのような関係があるのでしょう?
それでは代表的な由来を3つ、見ていきます。
陣太刀の柄
伊達政宗公が「陣太刀」の柄を用いて枝豆をつぶして食べたことに由来するという説。「陣太刀(じんだち)」が訛って「ずんだ」になったとされます。
豆ん打
豆を打つ音(豆ん打:ずんだ)に由来するという説。昔は豆を打つ行為を豆打(ずだ)と呼んでおり、豆打餅(ずだもち)が訛って「ずんだ餅」と言われています。
農夫の甚太
農夫の甚太がはじめて「ずんだ餅」を作ったところ、その餅を伊達政宗公がとても気に入ったことに由来するという説。甚太の作った餅→じんたもち、が訛って「ずんだ餅」になったと言われています。
地域で異なる「ずんだ」の呼称
枝豆をすりつぶしたもの=「ずんだ」という呼称が一般的ですが、郷土料理として根づいている南東北地方の各地ではご当地ごとの呼称があります。
旧・伊達藩の領地であった仙台をはじめとする宮城県や岩手県南部などでは「ずんだ」「づんだ」と呼んでいます。
会津以外の福島県と秋田県や山形県の庄内地方では「じんだ」、山形県の置賜地方では「じんだん」、福島県の会津地方や山形県の村山地方では「ヌタ」「豆ヌタ」と呼んでいます。
おなじ食べものなのに名前が違うと印象が変わるから不思議ですね。
まとめ
本来は夏の和菓子であり南東北地方だけで食べられていた「ずんだ餅」。
今では通販サイトや流通の発展のおかげで、お餅だけではなく「ずんだ」を利用したスナック菓子やスイーツなど全国どこででも食べられるようになりました。また「ずんだ餅」はふるさと納税の返礼品としても人気があります。
みなさんもぜひおいしい「ずんだ餅」をご賞味ください。
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