ふっくらおいしい“白米” 栄養たっぷり“玄米” 違いを知ろう! 炊き方や味に栄養素
白米とは
お米はもみ殻・ぬか層・胚芽・亜糊粉層・胚乳で構成されており、ぬか層は果皮・種皮・糊粉層の3層から成ります。白米は、ぬか層などを削り、ほぼ胚乳のみにしたものです。
ちなみに、もみ殻を取ることを脱穀、ぬか層・胚芽を削ることを精米と呼びます。
お米の栄養はぬか層や胚芽に多く含まれていますが、白米には消化しやすいという長所があり、胃腸の弱い人や3歳未満の乳幼児には消化に時間がかかる玄米より白米の方が適していることがあります。
栄養価が高いからといってやみくもに玄米を選ぶのではなく、体調を見ながら、玄米・白米を選ぶことが大切です。
玄米とは
玄米とはお米のもみ殻を取り除いたものです。ぬか層や胚芽が残っているため、薄い茶色をしていますが、ビタミンやミネラルなどの栄養が豊富です。
白米より硬いため、時間をかけて給水させ、ゆっくりと炊飯しなければなりません。また、水に数時間漬けていると発芽することがあります。これを発芽玄米といい、玄米よりさらに栄養価がアップするといわれています。
玄米を少し削ったものを分づき米といい、3割削ったものを3分づき米、5割を5分づき米、7割削ったものを7分づき米と削る割合によって呼び方が変わります。
削る割合が多いほど白米のように柔らかく食べやすく胃腸への負担が軽減されますが、玄米より栄養価は落ちてしまいます。
水に漬ける時間
お米を美味しく炊くには、芯までしっかり吸水させる必要があります。白米と玄米では漬ける時間が違うため、注意しましょう。
[白米]
白米を水に漬ける時間は季節により違います。 水温により吸水しやすさが違うため、春・秋は45分、夏は20分、冬は1時間~2時間が目安です。
白米には精米時に出たぬか層の削りカスが付いていますので、水に漬ける前は、削りカスを落とすようにしっかりと研ぎましょう。
[玄米]
玄米は季節に関係なく、8時間から12時間程度、水に漬けるのがおすすめです。しっかりと吸水させると、ふっくらとした炊きあがりになります。
玄米は、さっと軽く洗う程度で良いです。
炊く時間
お米は炊飯器や圧力鍋、土鍋などで炊けます。玄米の方が硬いため、白米より時間がかかります。
[白米]
白米を炊飯器で炊く場合、30分~1時間程度で炊き上がります。
圧力鍋の場合は、加圧を3分~5分、加圧後10分放置すると完成です。土鍋の場合は、中火で10分加熱し、沸騰したら弱火にして15分炊き10分蒸らすと出来上がります。
[玄米]
玄米は炊飯器の玄米炊きモードで、90分~120分で炊き上がります。炊飯器に白米炊きモードしかない場合は、しっかりと水に漬けしてから通常通りに炊きましょう。
圧力鍋の場合は、加圧を5分、加圧後20分放置で完成です。土鍋の場合は、中火で10分、沸騰後弱火で25~30分加熱し、15分蒸らすと出来上がります。
味と食感
白米と玄米では味や食感も違います。それぞれについて見ていきましょう。
[白米]
白米の食感は適度な粘り気があり、もちもちとして柔らかいのが特徴で、水分を多く含むのでみずみずしさも感じます。
味は甘みがあり、癖がないため食べやすいです。
[玄米]
玄米は白米に比べるとパサパサとして硬いのが特徴で、水に長時間漬けて炊飯しても白米ほど柔らかくありません。味は白米ほど甘くはありませんが、よく噛めばわずかな甘みを感じます。
硬く香りが独特なため、白米より食べづらさを感じる人もいるようです。その場合は、炊飯時に塩をひとつまみ入れたり、ごま塩を少しかけて食べたりすると食べやすくなります。
また、白米から玄米に切り替えたい時は、いきなり玄米にするのではなく、分づき米からスタートすると切り替えやすいです。
栄養素
ぬか層・胚芽の有無により白米と玄米では含まれる栄養素が異なります。
[白米]
白米の栄養素は糖質と食物繊維です。白米の糖質は小麦粉と比べると緩やかに血糖値を上げるため、腹持ちが良いのが魅力です。
精米技術の進化により胚乳の表面にある亜糊粉層を多く残す白米ができるようになりました。亜糊粉層は、非常に繊細な層で単糖やアミノ酸などの甘み成分が豊富に含まれており、動脈硬化や血管疾患を予防する効果があるともいわれています。
[玄米]
玄米のぬか層にはフィチン酸・イノシトール・フェルラ酸などの栄養が含まれています。
フィチン酸にはがんの予防効果、イノシトールには脂肪肝や動脈硬化の予防効果があります。また、フェルラ酸には抗酸化作用があり、玄米はアンチエイジング食材としても注目されています。
胚芽の中にはビタミンやミネラルが豊富で、食物繊維が白米の6倍も含まれているため、便秘や整腸に効果的です。白米と玄米ではカロリーはあまり変わりませんが、白米に比べて玄米は低GI(血糖値を上げにくい)ため、太りにくい体質にすることができるといわれています。
まとめ
白米と玄米には、栄養素や炊き方、水に漬ける時間などの違いがあります。ふっくらとして消化しやすいのは白米ですが、栄養素を多く含むのは玄米です。
長所が違うため、体質や体調にあわせて使い分けることのが大切ですね。
ご自身に合うお米の食べ方を見つけて、より健康的な食生活を送りましょう。
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