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【着物の保管方法】着物を着た後は5つのお手入れ! 5つの保管ポイント

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着物を着た後のお手入れ

着物のお手入れは、自分でできることもあれば、プロに任せたほうがいいものもあります。

お手入れ1

 ハンガーにかけて湿気を取る 

着物の1番の敵は湿気です。脱いだ着物は、すぐにハンガーにかけて湿気を取り除きます。半日ほど陰干ししてください。このときは着物用のハンガーを使いましょう。洋服用のものですと、肩にハンガーの跡が付いてしまうことがあります。

お手入れ2

 汚れのチェック 

着物の汚れやすい場所は、洋服と同じです。衿、袖、脇、胸元、膝、裾。この辺りは重点的にチェックしましょう。汚れで多いのは、汗や化粧品、それから食べ物や飲み物のシミです。コーヒーをこぼしたなど汚れの原因が分かる場合は、お手入れに出すとき、お店に伝えましょう。

お手入れ3

 ほこりを落とす 

大きな汚れがない場合は、着物用のブラシか柔らかい布でほこりを落とします。生地が毛羽立たないように、上から下へ優しく撫でてください。汗が気になる場所は、かたく絞った布でポンポンと叩くようにして、下に敷いたタオルに汚れを移します。強くこするのは厳禁です! 汚れはクリーニングで落とせますが、生地自体が痛んでしまうと直すのは至難の業なのです。

お手入れ4

 専門店でクリーニングする 

大きなシミがある場合、汗をたくさんかいた場合、しばらく着る予定がないときなどは、プロにお手入れを頼みましょう。クリーニングと同時に、汚れをはじくガード加工をしてもらうと、次回からのお手入れが楽になります。半衿を重点的にきれいにする・水洗いで汗を流すなど、お店と相談して希望を伝えてください。頼れるお店が見つかると、着物を楽しむうえで心強い存在になりますよ。シミがある場合、自分で洗剤で落とそうとすると、かえって汚れが悪化します。そのままの状態でお店に持っていきましょう。

お手入れ5

 小物の取り扱い 

お手入れが必要なのは、着物だけではありません。帯や長襦袢、その他の小物もきれいにしましょう。

長襦袢

脱いだらすぐに干して、しっかり湿気を取り除きます。最近は自宅で洗える素材も増えています。自宅で洗う場合は、半衿は取り外し、手洗いしましょう。着物以上に汗を吸いこむので、どうしても頻繁にお手入れをする必要があります。正絹の長襦袢や、自宅で洗うのが不安な場合は、無理せずプロに任せましょう。

ハンガーにかける際、まだ体温が残っているうちに、ぽんぽんと叩くようにシワを伸ばします。シミがある場合は、クリーニングに出しましょう。

帯揚げ、帯締め

ハンガーにかけて湿気を取ります。シワが気になるときは、あて布をしてアイロンで伸ばしてください。帯締めのは、そろえて紙を巻きつけ置くときれいに保管できます

草履

陰干ししたあと、柔かい布で拭いてください。汚れが気になる場合は、かたく絞った布で拭くか、専用のクリーナーも販売されています。 保管する箱の中には、乾燥材を入れておきましょう。

肌襦袢、裾よけ、足袋

ネットに入れて洗濯機で洗えます。足袋の汚れは落ちにくいので、歯ブラシなどを使ってみてください。

着物のたたみ方

『本だたみ』は着物の基本のたたみ方です。男性の着物も同じようにたたみます。

①衿を左にして着物を平らに広げ、下前の脇の縫い目で折ります。


②下前の衽(おくみ)を衽線で折り返します。この時、衿肩あきから、衿を内側に折っておきます。


③下前の衽に上前の衽を重ね、そのまま衿も重ねます。衿先、褄先(つまさき)もずれないようにきちんと揃えておきます。


④背縫いで折って、左の脇縫いを右の脇縫いに合わせ、左右の見頃と袖を合わせます。


⑤左袖を見頃の上に折り返します。


⑥裾を持って、丈を半分に折ります。


⑦右袖を着物の下側に折り返し、全体を整えて完成です。


保管・収納方法

着物に湿気は大敵です。保管の場所と方法にも気を配りましょう。

ポイント1

 保管の収納家具 

桐たんす

着物収納の代表と言えば、桐たんすです。湿気をためない虫がつきにくい燃えにくいなどの特性があり、着物の保管に最適です。とは言え、たまには扉をあけて、中の着物に風を通すようにしましょう。たんすを置くスペースがない場合には、着物2、3枚が入る桐の衣装ケースも販売されています。とっておきの一枚や特に大切にしたい着物があれば、こちらに保管することもおすすめです。

洋ダンス

洋服ダンスで保管する場合、本だたみのまま、しまえるサイズがあるといいですね。防虫剤・防湿剤を忘れずに入れてください。また、小まめにタンスを開けて、中の空気を入れ替えましょう。

プラスチックケース

プラスチックケースで保管する場合は、湿気に注意してください。防湿剤の他、底にスノコを引くことも対策になります。本だたみの長さでは入らない場合は三つ折りにしましょう。シワや湿気を防ぐために、詰め込み過ぎないように気を付けてください。

ポイント2

 保管場所 

どんな家具に収納するにしても、置き場所が悪ければ着物に悪影響を与えてしまいます。高温・多湿・直射日光のあたる場所は避けましょう

ポイント3

 防虫剤 

近年では、洋服を虫に食われるといったことはだいぶ少なくなりました。しかし、着物は洋服よりも長い時間、着用・保管するものです。念のため、防虫剤は入れましょう虫の被害が特に多いのがウールです。正絹の着物とは分けて保管しましょう。複数のものを一緒に使うと、化学反応が起きて着物が変色する可能性がありますので、1種類だけ使うようにしてください。また、着物に直接防虫剤が触らないようにしてください。

ポイント4

 防湿剤 

着物の天敵は湿気です。必ず防湿剤を入れてください。湿気を吸い過ぎると効力がなくなるので、商品についている交換サインを忘れずにチェックしましょう。日に干すことで再利用できるものも販売されています。防虫剤と同様、着物に直接触らないようにしてください。

ポイント5

 虫干し 

防湿剤・防虫剤を入れることも大切ですが、しまいっぱなしは着物によくありません。定期的に虫干しをしましょう。着物を長持ちさせるために、古くから行われてきた習慣です。

虫干しの時期は、基本的に年3回です。

①梅雨明けの7月末から8月
②10月から11月
③1月から2月

直射日光の当たらない場所に着物をかけて、3~4時間、風を通します。同時に、汚れがないかチェックし、古くなった防湿剤やたとう紙を変えましょう。

まとめ

少しの手間をかけるだけで、着物は長持ちさせることができます。

着物は親から子へ、そして孫へと、長く受け継がれるものです。

家族の思い出を大事にするように、着物も大切に保管してくださいね。


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ライター紹介 ライター一覧

とうこ

とうこ

学生時代、茶道サークルで着付けを習い、茶道よりも着物が好きになってしまいました。
卒業後、仕事をしながら着付け師の免許を取得し、着物屋に転職。
いちばん最初に自分で作った着物は、薄青の地色にふわふわの小鳥が飛んでいる小紋でした。それ以来、どうも目にとまるのは動物柄が多くなり、鳥やら猫やら熊やら・・・。
ペットがウサギのため、特にウサギ柄の着物や帯・小物を見つけるとついつい手が伸びてしまい、結果、タンスは動物園状態です。

堅苦しいと思われがちな着物ですが、けっこう「なんでもあり」なところが面白さですよね。
着物がもっと身近な存在になるように、楽しくお伝えしていきたいと思います!

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