【相撲番付】関取は一人前の力士!階級の違いを知ろう
この記事の目次
番付とは
大相撲の「番付」とは力士の階級を表す言葉で、本場所ごとに力士の成績によって階級が見直され、昇進したり降格したりと入れ替わります。
この番付を相撲文字と呼ばれる独特の筆文字で書いた表のことを「番付表」と言い、階級が上がるほど大きな文字で書かれ、下になるほど細かく読みにくくなるので番付表を一目見るだけで実力者がわかるのも特徴です。
出展:Wikipedia
番付表には力士以外にも行司や理事、年寄、審判委員、若者頭に世話人や十両以上に付く呼出しなど、本場所に関わる人達の名前が表記されており、下に行くほど肉眼では見えない文字で書かれた番付表の原本は全て技術を受け継いだ行司さんが手書きで書いているもので、東西に分かれた番付は東の方が強く、力士たちの実力を測る目安にもなっています。
関取と力士養成員
力士を指す言葉に「関取」とありますが、力士全員が「関取」と呼ばれるわけではないのをご存知でしたか?
よく聞く「関取」は力士の階級である「十両」以上の「前頭」「小結」「関脇」「大関」「横綱」を指す言葉で、十両より下の階級の人を「力士養成員」と言い、「幕下」「三段目」「序二段」「序ノ口」の4階級を指します。
明確な違いとしては実力もさることながら、関取と力士構成員ではお給料や付き人の有無、相撲部屋で暮らすか自宅を持つかなどの待遇の他に身に着ける浴衣や下駄などの装束も大きく異なります。
関取がカラフルな絹の廻しとパリッと糊の効いたさがりを着けているのに対し、力士構成員はシンプルな黒や白の木綿性の廻しに紐そのもののさがりを着けています。
関取
[横綱・よこづな]
力士の頂点に立つ階級の「横綱」の由来は化粧まわしに着けている太い白麻のしめ縄からきており、神様の依り代として神聖な存在である事を示しています。
横綱になるには大関まで昇進し年6回奇数月にある本場所で2場所連続優勝かそれに近い成績を残し横綱審議委員会で力量と品格を審査されて決まります。
常に最高レベルの強さと清廉潔白であるが求められ、約400年ある大相撲の歴史の中で72人(非公認横綱を含めても80人)といない階級なのです。
[大関・おおぜき]
横綱の一つ下の階級である「大関」の語源は凄い関取を示す「大関取」という賛辞からといわれ、横綱同様にルール上人数に上限はありませんが最低でも東西に1人ずついます。
大関になるには関脇まで昇進し、さらに本場所を3場所で通算33勝以上を基準にして審判部からなる審査会によって大関に相応しい力量と品格がある人物かを審査され、仮に大関から番付が陥落しても次の本場所で10勝以上をすると大関に返り咲くこともできます。
[関脇・せきわけ]
上から3番目の階級となる「関脇」は、「大関の脇に控える者」という意味から、序列3位の階級となります。実力者が多く関脇が強い場所は一際盛り上がる傾向になるとか。
関脇も江戸時代からある階級で東西最低でも1人は必ずいなくてはいけないので、横綱や大関とは違い厳格な昇進ルールはありませんが、小結の中で前場所での勝ち越しの成績と番付などを考慮されてなんらかの理由で関脇に空席がある場合に昇進することができます。
[小結・こむすび]
「小結」の由来は諸説あり、大関や関脇が1人しかいない場合に「小口の結び」の一番を行うためと言う説や三役の取組を「結びの三番」と言いますが、その中で一番最初に行うからという説もあります。
この小結も最低でも1人は必要とされていますが人数制限はなく、前頭かそれに準ずる先場所の勝ち越し成績と上位に空席があると昇進します。小結、関脇、大関を「三役」と呼ばれ待遇も変わり、千秋楽に三役揃い踏みとして四股を踏むのも特徴です。
[前頭・まえがしら]
横綱と三役の役付き力士を除く幕内の力士を「前頭」といい東西合わせて1枚目の前頭筆頭から16枚目までの序列があり、多少の変動はあっても32名幕内全体で42名と決まっています。
前頭の由来は江戸初期の頃に役付きになれない新弟子や下位の力士たちが取る前相撲の頭であったからと言われていますが、今は平幕力士を示す階級です。
前頭なるには番付に空があり十両で優勝や勝ち越し成績が良い力士が前頭に昇進することができます。
[十両・じゅうりょう]
幕下のうち上位10枚目までの力士のことを「十両」と呼びます。
この由来は江戸時代末期に彼らのお給料が十両だったことからと言われ、十両力士は「十枚目」と呼ばれることもあり、東西で十両筆頭の1枚目から13枚目までの26名がおり、幕下三段目で15日のうち7番の取組を全勝した力士から選ばれます。
力士は十両になってからが一人前と言われ、前頭に空席があり十両優勝などの良い成績を残した力士が幕内へと昇進できるのです。
力士養成員
[幕下・まくした]
幕内と十両以外の力士で三段目の上を「幕下」と言い、由来はそのまま「幕内の下」という意味から。
東西で1枚目の幕下筆頭から60枚目まで120名がおり、一人前とされる十両を目指して日々しのぎを削っています。
[三段目・さんだんめ]
序二段で優秀な成績の力士養成員から選ばれる「三段目」は、番付表の下から三段目に名前を書かれることが由来です。
関取への昇進が見込めることから厳しく実戦的な稽古を行うようになり、力士らしい雪駄を履くことが許されるようになります。
[序二段・じょにだん]
序ノ口の力士が4回勝つと昇進できる「序二段」は東西で100枚目までで200名と、力士の中で最も多い人数になります。
由来は番付表の下から二段目に名前が書かれることからで、その実力は全体的にまだまだなレベルです。
[序ノ口・じょのくち]
番付の最下位になる「序ノ口」は約100人ほどいますが、その人数はきまっていません。
由来はそのまま始まったばかりの位という意味で、慣用句にも使われる言葉です。
新弟子よりは経験を積んだまだまだ若い力士が多くいます。
まとめ
実力と心が揃って上位に行ける大相撲は、本場所で好成績を収めた際に空席があるかどうかの運で番付が変わる厳しい世界です。
この狭き門を多くの力士が切磋琢磨ししのぎを削っているのを番付からうかがえるのも、大相撲の魅力ですね。
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