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【法隆寺】国宝だらけ!意外と知らない法隆寺の見どころ。世界最古の木造建築・五重塔

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法隆寺とは

法隆寺の建築物群は1993(平成5)年に「法隆寺地域の仏教建造物」としてユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されています。聖徳太子が飛鳥の地から都を移し「斑鳩宮いかるがのみや」を建造、住まいにしたことに端を発しています。その斑鳩宮に隣接して建てられたのが「斑鳩寺いかるがでら」で今日の法隆寺です。

境内は大まかに「西院伽藍さいいんがらん」と「東院伽藍とういんがらん」の二つのエリアに分けることができます。西院伽藍はお土産物屋さんや、バス乗り場などのある西側の参道を歩いて正面・南大門を抜けると少しずつ寺院の様子が見えてきます。

「西院伽藍」は建造物全体が国宝に指定されており、回廊に囲われた敷地内に「五重塔」や「金堂」、「大講堂」があります。


出典:Wikipedia 金堂と五重塔

五重塔

31.5mもの高さを誇る世界最古の木造建築である「五重塔」は法隆寺のシンボル的存在。仏舎利(お釈迦様の遺骨)を納めるための建物としての役割を持ち、塔内部には奈良時代の始めに作られたお釈迦様の説法の様子などが塑像で表されています。

金堂

法隆寺のご本尊を安置しています。金剛釈迦三尊像、薬師如来坐像、天人と鳳凰の飛び交う壁画などが安置されています。

大講堂

仏教の学問を勉強し、法要を行う場所。925(延長3)年に一度消失、990(正暦3)年に再建、「薬師三尊像」や「四天王像」がそのときに作られました。


「東院伽藍」は重要文化財に指定されている廻廊の敷地内に国宝・「夢殿」があります。同じく国宝の「伝法堂」、重要文化財の「舎利殿・絵殿」など。


出典:Wikipedia 夢殿

夢殿

601年に造営された斑鳩宮跡に行信僧都ぎょうしんそうずという身分の高いお坊さんが聖徳太子を偲んでやって来て、739(天平11)年に建てた伽藍として「夢殿」を作りました。「夢殿」は八角円形をしたお堂で、内部の厨子に聖徳太子等身の秘仏・「救世観音像」、周辺には「聖観音菩薩像」、「行信僧都像」などが安置されています。

伝法堂

聖武天皇の夫人である橘古那可智たちばなのこなかちの住宅を仏堂に改築したもの。堂内には、「阿弥陀三尊像」が安置されています。

舎利殿・絵殿

「舎利殿」聖徳太子が2才の時、合掌した手のひらの中から出現したと伝わる舎利(お釈迦様の遺骨)を安置。「絵殿」には、聖徳太子の行った事柄などを描いた障子絵が収められています。


その他にも法隆寺には、各時代の粋を集めた宝物類や、建築物が軒を連ねます。

国宝・重要文化財に指定されたものだけでも190件、点数にすると3000点にも及び、定められた期間内でしか御開帳することのない秘仏など魅力的な品々が数多く存在します。飛鳥・奈良時代の仏像、仏教工芸品で、歴史の息吹を感じてみてください。


法隆寺の創建

法隆寺の創建には聖徳太子が大きく関わっていますが、実はゆかりがあるのはこの人物だけではありません。元々は、聖徳太子のお父さんである用明天皇が自らの病気平癒を祈って建立を誓願しましたが、実現する前に崩御されました。そこで、用明天皇の妹の推古天皇(聖徳太子の摂政にあたる)と聖徳太子がその遺志を継いで607(推古15)年に建立したと伝えられています。

上述しましたように、当初は都を飛鳥から斑鳩に移し「斑鳩宮」を建造し、さらにその西側の土地に「斑鳩寺」を作りました。それが現在の「法隆寺」です。そして用明天皇の望んだ病気平癒のため、どんな病も治してくれるという「薬師如来」を本尊としました。

670年頃にすべての伽藍が火事で一度、焼失。日本書紀にはその記録が以下のように残されています。

「夜半災法隆寺、一屋無余、大雨雷震」

(暁に法隆寺で出火があった。一屋も残らず焼けた。大雨が降り雷鳴が轟いた)

710年頃に再建され、世界最古の木造建物群がここに完成。この建物群は現在、「西院伽藍」と称されています。

そして738年頃、行信僧都というお坊さんが、聖徳太子の菩提を弔うために斑鳩宮の跡地に、「夢殿」や「舎利殿」などの伽藍群を建立しました。これが、現在の「東院伽藍」です。

「斑鳩宮」は聖徳太子の住居だったこともあり、その後、「東院伽藍」は太子信仰の中心となります。


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法隆寺の仏像

法隆寺には、多くの仏像や仏画、宝物が残されています。それらのほとんどは飛鳥・奈良時代に作られたものや、伝来したものになります。中でも、おすすめしたい仏像をご紹介したいと思います。

[金堂]釈迦三尊像

流麗で穏やかな笑みをたたえた表情の裏側、光背には聖徳太子が発病し、崩御するにあたり病気平癒を願って作られたことなどが刻まれています。この像は、お釈迦様でありながら聖徳太子そのものをあらわしており、法隆寺が聖徳太子菩提のお寺でもあることも物語っています。

[五重塔]塔本塑像

古代インドではストゥーパといい、「仏舎利(お釈迦様の遺骨)」をお祀りするために作られ始めた塔を「仏塔」といいます。洞窟のような造りで、お釈迦様に関する説話を塑像の小群像で表現しています。保存の関係で内部を近くで見ることはできないのですが、立ち並ぶ塑像群は一見の価値ありです。

[大講堂]薬師三尊像

大講堂は、改築や消失を経て姿を変えていましたが、990(正暦元)年ほぼ最初の規模と同じ大きさに再建されました。堂内に安置されている「薬師三尊像」はこの再建時に新たに造像されたものになり、ほかの仏像に比べると少しだけ新しいです。

[夢殿]救世観音像

行信僧都が聖徳太子供養にと夢殿を創建し、厨子内には他にもたくさんの素晴らしい仏像が安置されています。秘仏中の秘仏なので「夢殿」の御開帳は春と秋と期限が決められています。

春季は4月11日~5月18日。秋季は10月22日~11月22日。


まとめ

法隆寺は1400年以上の歴史があり刻んだ年数分だけ、さまざまなロマンを持ちます。

世界遺産であることや国宝や重要文化財に指定されているからだけではなく、奈良に行ってみたい、仏像に触れてみたい、そう思っていただけるとより嬉しいです。

建築物や仏像などは、直接見て肌で感じてもらえるのが一番ですから。


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藤原 一葉

藤原 一葉

歴史や伝統文化、美術など、興味のある方はもちろんのこと、そうでない方にも楽しんでもらえる文章を目指しています!

物心ついた頃から、読書、歴史、世界遺産などに興味を持ち、大学では日本美術史を中心に学んできました。将来的に、趣味と仕事を兼ねることができたら人生楽しいだろうと好きなことを活かせる仕事を探し、行政の歴史書編纂所に勤務。その後、Web制作業、校正業を経て、現在は副業でライターのお仕事をしています。

趣味は、読書、美術館・博物館めぐり、アクセサリー作り、ヒトカラなど。

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