【藤野涼子】映画「輪違屋糸里」糸里を演じる!撮影話から日本の文化への思い[インタビュー]
この記事の目次
時代劇ならではの雰囲気が好き
—— 時代劇出演の話がきた時はどう思いましたか?
もともと色々な人から“今時の顔と言うより古い感じの顔立ちだよね”って言われていて、自分がかつらをつけて浴衣を着たらどのような雰囲気になるのかなって興味もありました。だから今回のお話をいただいた時は"よっしゃー"って感じでとても嬉しかったですね。
—— 時代劇は見られていましたか?
小学生の頃から水戸黄門を見ていて、オープニングの曲が流れると一緒に口ずさんだりしていました。中学生の時には、黒澤明監督の「蜘蛛の巣城」「七人の侍」などを見ていましたね。
その頃、映画「ソロモンの偽証」の撮影も始まり女優として歩み始めていたので、いつどのようなお話をいただいてもいいように様々な作品を見ていました。
今の映画の雰囲気はもちろん好きですが、昔の時代劇ならではの脚本の作り方やストーリー展開も味があって、そのような作品を見るのは楽しいです。
無邪気な女の子から大人の女性へ成長
—— 糸里を演じるにあたり心がけた事はありますか?
最初に脚本を読んだときの糸里の印象は25、6歳位の精神年齢で、大人びた強い女性なんだろうなって思っていました。
でも、加島監督と役作りについて話している時、“糸里の天真爛漫でおっちょこちょい、いたずら好きな面は、今の等身大の涼子ちゃんそのままを演じてくれればいいのだよ”ってアドバイスをいただきました。
そんな糸里と自分との共通点に気づいてからは、感情を読み解くのがスムーズになって、私なりの糸里を演じることができました。
—— 恋愛映画という面でも初挑戦でしたね。
撮影した時は16歳でわからないところも多かったので、周りの方や加島監督に相談しながら演じていました。もし私が糸里だったら、どっちの道を選ぶのかな? 強い思いを通せるかな? と考えたりしていましたね。
この映画では、無邪気でまだ幼さが残っていた糸里が、様々な壁にぶつかりながらも自分の選んだ道を突き進み大人の女性へと成長していきます。糸里以外にも、松井さん演じる吉栄や田畑さん演じるお梅と、様々な女性の生き様が描かれています。時代劇って男性が見ることが多い印象ですが、ぜひ女性の方にも見ていただきたいです。
見守ってくれるお姉さん、気さくなお兄さん
—— 共演者の方々とのエピソードなどはありますか?
吉栄演じる松井玲奈さんは、女優としても芯が強い方。実年齢も私より年上で本当にお姉さんみたいな存在でした。
シリアスなシーンが控えている時、役に集中している私の側に寄り添って見守っていてくれたり、お互いの感情が途切れないように気を配ってくださったり、色々な場面で支えてもらったお陰で糸里の繊細な感情を表現する事ができました。
面白かったエピソードは、撮影中松井さんにクリスマスプレゼントのリクエストを聞いたら、仮面ライダーのベルトが欲しいと(笑)
仮面ライダー好きという事を知らなかったので、すごくびっくりしました。
溝端さんもすごく気さくな方で、初めてお会いした時、緊張していた私の為に、関ジャニ∞の“無責任ヒーロー”を歌ってくださったり、お勧めの食べ物屋さんを教えてくれたりもしましたね。
女性としての意識を奮い立たせてくれる
—— 今作で着用した着物は、どんな印象でしたか?
普段から赤や黒などの洋服を好んで着ているので、今回糸里が着用した暖色系の着物は違和感がなかったですね。
一番好きだったのは太夫の衣装。
お着物が10キロで、かつらが5キロでしたが、歩くと長いかんざしがサラサラと揺れて、女性としての意識を奮い立たせてくれるような、強い気持ちになりました。
逆に、一番意外だったのは、水色のお着物。最初に見た時、この色は自分に似合うのかなって思いました。しかし、着てみると思ったよりも似合っていて意外な発見ができました。
—— 着物を着てみて最も難しかった所はどこですか?
撮影をする1、2ヶ月前から三味線や日本舞踊、太鼓などのお稽古を始めていました。松井さんと、ここの指の位置がわからないよね、すり足ってどうするんだろう、と言いながら。
でも、何と言っても最も難しかったのは芝居をしながら着物の所作や京都弁を話すこと!
これが本当に難しくて、頭がこんがらがっていました(笑)
女優として成長!いつの日かスカイダイビングを
—— 女優を目指すきっかけは?
事務所のオーディションを小学校5年生で受けた時には、タレントさんになりたいなって思っていました。性格も活発な方でお笑いを見るのも好きでしたし、その中でもイッテQのイモトさんが大好きで、ずっと見ていました。
もし旅番組のロケに挑戦する機会があったら、スカイダイビングとかしてみたいですね(笑)
その後、事務所に入って養成所でお芝居やダンス、歌のレッスンを受けるうちにお芝居の楽しさに気づき、中学3年生の時に「ソロモンの偽証」で主役に選ばれて女優として歩みはじめました。
今作の「輪違屋糸里」でもそうですし、色々な経験をさせて頂き、また、お仕事をご一緒させて頂いた皆さんにアドバイスをいただきながら、どんどん吸収して女優として成長していきたいですね。
優しさや思いやりを大切に
—— 日本の文化についてどう思いますか?
今オーストラリアに語学と演技の勉強をしに行っています。海外に行ってみて “優しさ、思いやり”の部分が、日本の本当にすばらしいところだなと改めて気づかされました。
しかし、現代はスマホやパソコンが発達して1人で過ごす時間も増え、人への優しさや思いやりが薄れがちではないかと思います。
優しさや思いやりを持って人と接するというのは、昔から伝わって行われてきた部分でもあり、素敵な事だと思いますので、私自身も大切にし、皆さんにも伝えていきたいと思います。
常に挑戦し成長している藤野涼子さん
日本らしさを自分なりの方法で発信し、周りの方への思いやりを忘れずに接する姿は素晴らしいですね。
海外の方と接する機会も多いとの事、折り鶴を折って差し上げたら大変喜ばれたそうです。わつなぎから折り紙のプレゼントをさせていただいた所、とても喜んでいただけました。
女優としてもプライベートでも常に挑戦し成長している藤野涼子さんのご活躍が楽しみです。
まずは、12月15日(土)より全国順次公開される映画「輪違屋糸里 京女たちの幕末」糸里の成長していく姿が楽しみですね。
「輪違屋糸里 京女たちの幕末」
出演:藤野涼子 溝端淳平 / 松井玲奈 佐藤隆太 / 新妻聖子 / 石濱朗(特別出演) 榎木孝明(特別出演) / 田畑智子 塚本高史 原作:浅田次郎『輪違屋糸里(上・下)』(文春文庫刊)
監督:加島幹也
脚本:金子成人、門間宜裕、加島幹也
配給:アークエンタテインメント
配給協力:エクセレントフィルムズ
公式サイト:http://wachigaiya.com/
(c)2018銀幕維新の会/「輪違屋糸里」製作委員会
12月15日(土)有楽町スバル座ほか全国順次公開
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