【能楽】能楽の魅力を感じる!特別展「翁 ―大名細川家の能の世界―」日本唯一の能楽専門美術館で開催[金沢能楽美術館]
この記事の目次
金沢能楽美術館
金沢の能楽は、江戸時代の加賀藩前田家が武家の式楽として保護、育成を図り、とりわけ5代藩主綱紀(つなのり)以降は宝生流が主流となったことから、後に「加賀宝生」(金沢市指定無形文化財)と称されるようになりました。
また武家階級だけでなく庶民にも奨励されたため、「空から謡が降ってくる」といわれるほど、能楽文化が広く浸透しています。
金沢能楽美術館は、「加賀宝生」に伝わる貴重な能面や能装束を収蔵展示するとともに、この伝統芸能を後世に伝え、次世代を育む日本唯一の能楽専門美術館です。
細川家伝来品から、珠玉の能面・能装束を紹介!
細川家の藩主が愛用した能面や能装束など、大切に守り伝えられた貴重な能楽コレクションを展示します。
本展会場では、能舞台を模したケースでの「翁」を中心に、その周囲を五番立ての構成で展示し、それぞれの曲趣にそった能面や能装束をご紹介いたします。
翁とは
「翁」は、天下泰平・国土安穏・延命長寿・五穀豊穣を祈念して舞う、神聖で特別な演目です。細川家においてもたびたび演じられ、「翁」に関わる細川家伝来の翁面や装束が揃って残されています。
本展では、加賀宝生ゆかりの作品として、加賀藩の支藩であった大聖寺藩旧蔵・江沼神社伝来の面「三番叟(黒色尉)」も展示いたします。(後期のみ)
重要美術品「翁(白色尉)」
[おきな(はくしきじょう)]
重要美術品「翁(白色尉)」「日光作/満昆(花押)」金泥極 室町時代(15世紀)、永青文庫蔵、前期展示
三番叟(黒色尉)
[さんばそう(こくしきじょう)]
「三番叟(黒色尉)」江戸時代(17世紀)・江沼神社蔵(金沢能楽美術館寄託)、後期展示
細川家の能装束
永青文庫には、細川家伝来の装束が500点近く保管され、江戸時代から近代にかけて高度な染織技術により作られた豪華絢爛な作品が多く見られます。細川家の膨大な装束類の中から、選りすぐりの作品をご覧ください。
萌黄地変り蜀江模様袷狩衣
[もえぎじがわりしょっこうもようあわせかりぎぬ]
「萌黄地変り蜀江模様袷狩衣」江戸~明治時代(19世紀)、永青文庫蔵、通期展示
欝金地花菱に桜牡丹菊鳳凰模様唐織
[うこんじはなびしにさくらぼたんきくほうおうもようからおり]
「欝金地花菱に桜牡丹菊鳳凰模様唐織」江戸時代(18世紀後半~19世紀前半)・永青文庫蔵、前期展示
細川家の能面
永青文庫には、細川家伝来の能狂言面が163面確認され、演能に必要なほとんどの種類を網羅しています。大名家伝来の能狂言面は多くが散逸してしまっていますが、永青文庫では極めて貴重な質と量を保っています。
本展では、加賀宝生に伝来した「雷電」の面も展示いたします。(後期のみ)
重要美術品 般若
[はんにゃ]
重要美術品「般若」伝 般若坊作 室町時代(16世紀)、永青文庫蔵、後期展示
雷電
[らいでん]
「雷電」 出目元休満総作 江戸時代(18世紀)、個人蔵(金沢能楽美術館寄託)、後期展示
細川家と能
初代細川藤孝(幽斎、1534~1610)から現在に至るまで、細川家は能楽に深く関わりました。細川藤孝が自ら記したと伝えられる謡本などの貴重な史料も展示します。
謡本
[うたいぼん]
「謡本」 細川藤孝(幽斎)筆 桃山~江戸時代(16~17世紀)、永青文庫蔵、通期展示
展覧会関連企画
映像展示:「翁」-談山能2019-
「翁-談山能2019-」©HiroakiIshii
本展会場では、2019年春に奈良・多武峰の談山神社で現代最高峰の能楽師たちによって奉納された「翁」のダイジェスト映像を上映いたします。
[上映時間]約10分[制作]翁プロジェクト実行委員会
[映像提供]NHK
翁プロジェクト関連企画
ガイドブック「BookofOkina」販売予定
会場では、翁を楽しむガイドブック「BookofOkina」の販売を予定しています。翁の登場人物解説から研究者へのインタビューまで、今までにない多彩な視点で翁に迫ります。
「翁」巡回公演を開催予定
2021年3月9日(火)に水前寺成趣園(能楽殿)で喜多流宗家預り友枝昭世氏(人間国宝)による屋外での「翁熊本公演」を開催します。
また、2021年度にも宝生流二十世宗家宝生和英氏による「翁金沢公演」の開催を企画しています。
令和2年度特別展 翁 ―大名細川家の能の世界―
2020年12月12日(土)~2021年1月31日(日)
※会期中、展示替えを行います。
<前期> 12月12日(土)~2021年1月11日(月・祝)
<後期> 1月14日(木)~1月31日(日)
[会場] 金沢能楽美術館(石川県金沢市広坂1丁目2番25号)
[開館時間] 10:00~18:00(入館は17:30まで)
[休館日] 月曜日(但し休日の場合は火曜日)、年末年始12月28日(月)~1月2日(土)及び1月13日(水)
[入館料] 一般・大学生310円、65歳以上・障がい者手帳をお持ちの方及びその介護人210円、団体(20名様以上)260円 ※高校生以下は無料。
[主催] 翁プロジェクト実行委員会、金沢能楽美術館(公益財団法人金沢芸術創造財団)、文化庁、独立行政法人日本芸術文化振興会
[特別協力] 永青文庫、熊本県立美術館
[問い合わせ先] TEL076-220-2790
[ホームページ] https://www.kanazawa-noh-museum.gr.jp/
※マスク着用の上、ご来館ください。当館の新型コロナウイルス感染拡大防止対策については、ホームページ
(https://www.kanazawa-noh-museum.gr.jp/event/5190)をご覧ください。