【桂竹千代】人気の若手落語家!聴かず嫌いの漫才芸人が落語家になりました!
聴かず嫌いの漫才芸人
ーーー 落語研究会に入っていたそうですが、どのような活動されていたんですか?
竹千代 実はですね。落語研究会に入っていたのですが、在学中、ずっと漫才をしていたんです。お笑いが好きだったんで、大学に入ってから漫才の活動したかったんです。サークルを探したんですけれどお笑いをやるサークルは落語研究会しかなく、漫才の活動をして良かったので落語研究会に入ったんですよ。正直、落語は見ても聞いてもいなかったんです。
ーーー 落語研究会に入って漫才活動していたんですか!?
竹千代 はい。漫才一筋でしたね。より本格的に活動したいと思って、芸能事務所の養成所にも行き、漫才コンビを組んで活動していました。就職してしまうと芸人活動ができなくなるのではと思い、大学院へ行き芸人活動を続けました。大学院生の漫才師って面白いかなぁとも思ってね。
ーーー 今、落語家さんですね。落語家を目指すきっかけがあったんですか?
竹千代 コンビで活動していたのですが、鳴かず飛ばずの活動で結局解散。ピン芸人としても活動しましたが状況は変わらず、卒業の時期となり就職活動をしていました。そんな時、落語好きで同期の芸人が「お前、落語やってみたら?」「落語あっていると思うけどなぁ」と落語家を勧められられたんです。そして、初めてちゃんと落語を聞いてみたんですよ。
ーーー いかがでしたか?
竹千代 それがですね。おもしろかったんですよ! 知っていました? 落語は、おもしろいし奥が深いんですよ! 恥ずかしながら、その時、気がつきました。今、思えば、聴かず嫌いでしたね。(笑) 舞台に出るのも好きだったので、落語家を目指す事を真剣に考えたんです。
手紙を持って3回の出待ち!?
ーーー 落語家を目指すためにどうされたんですか?
竹千代 落語家になりたいと思ったけれど、どうすればいいか分からないままでしたが、大学1年の時にSNSで繋がったきりの落語家さんがいる事を思い出したんです。全く連絡も取っていなかったのですが、駄目元でメッセージを送ってみたら返信があって、その後、親身になって相談に乗ってくれたんです。落語家になりたいなら師匠に弟子入りしたほうが良いと教えていただき師匠探しに動きました。
ーーー そして、桂竹丸師匠に弟子入りするんですね。
竹千代 そうですね。古典落語も奥が深いと思ったのですが、新作落語をやっていきたいなぁと思い、新作落語を多くやられる師匠で、一番弟子になれる師匠。そして、自分に合いそうかなと思った師匠の桂竹丸に弟子入りしました。
ーーー 弟子入りのお願いはどのようにされたんですか?
竹千代 弟子入りする方法もわからなかったので、先輩に聞いたところ、手紙を書いて出待ちして入門のお願いをするんだね。ただ、すぐに話を聞いてもらえるものじゃないんだよ。と教えてもらいました。
先輩の話では・・・
1回目の出待ち
2回目の出待ち
3回目の出待ち
すぐに話を聞いてもらえないのを覚悟で、手紙を準備して行きましたね。
ーーー 出待ちですか?
竹千代 そうですね。浅草演芸ホールで出待ちしました。
師匠が浅草演芸ホールから出てきたので
突然のお願いにびっくりした様子で
しばらく信じていないような様子でしたが
1回目の出待ちで聞いてもらえたんですよ。思っていたよりすぐに話きいてもらえたので、少し不安になりましたが、真剣に僕の話を聞いてくださいました。
ーーー その時、入門がきまったのですか?
竹千代 いいえ。竹丸師匠からは「お前の人生にかかる事だから、もう一度、落ち着いて考えてみなさい。それでもならば、また連絡してきなさい。」と名刺を頂きその日は帰りました。気持ちは決まっていましたが、1ヶ月くらいして改めて連絡しました。師匠は「じゃ やってみようか」と言っていただき、弟子入りが決まりました。
見識を広げるために
ーーー 念願叶って弟子入り、見習い、前座「桂竹のこ」を経て、二ツ目「桂竹千代」で活動されていますが、桂竹丸師匠について教えてください。
竹千代 師匠の竹丸は、本当に明るくて気さくで優しい方なんですよ。一番弟子だったので可愛がってもらいました。
ーーー 竹丸師匠からはどのようなことを教わっていますか?
竹千代 落語にとって大事な「間」とか、落語家としての生き方を教わっています。師匠の竹丸も大師匠の桂米丸も「お客さんを笑わせて楽しませなさい。うけなさい。」という考えがあり、その部分でも教えていただいています。
ーーー 古典落語は師匠の落語を聞いて覚えるという話ですが、新作落語の場合はどのようにされるのですか?
竹千代 新作落語の場合も、教えて欲しいとお願いすれば教えていただけるのですが、新作の落語は、自分で作るものという考えがあり自分で作っています。毎月作っているのですが、話として残せるものは少ないです。
ーーー 難しいんですね。
竹千代 そうですね。難しいんですけれど、新作落語には挑戦していきたいです。新作落語作りの為でもあると思いますが、師匠の竹丸からは、「芝居を見たり映画をみたり、見識を広げるために色々と見なさい。」と教えられています。ですので、時間を作って色々と見に行くようにしています。
初めて聞く方にも楽しんでもらいたい
ーーー 高座の演目はどのように決めているんですか?
竹千代 自分が主催の場合は、自分のやりたい演目をやる事が多いです。呼ばれていく場合は、演目の候補を用意して行き、他の落語家さんとかぶらないようにとお客さんの顔を見てその場で決めることが多いですね。
ーーー 顔を見てということは、お客さんの顔って見えるんですか。
竹千代 だいたいの会場がお客さんの席も明るくしていますから、よく見えていますよ。この部分うけたな!とか、うけなかったなぁとかも見ています。たまに、寝ている人を見つけちゃうと、まだまだ、楽しませていないなと反省しますね。
ーーー 寝ないように気をつけないとですね。
竹千代 いやいや。寝てしまうのは仕方のないことですよ。僕だって、芝居を観に行ってウトウトしてしまう事ありますから。ただ、自分の中で、笑わすぞ!という思いになるだけです。ですので、あまり気にせず、気軽に落語を聞きに来てください。
ーーー そうします。私たちのわつなぎは、日本の文化とをつなぐ場になりたいと考えています。これを機に落語を聞くきっかけとなると嬉しいです。
竹千代 そうですね。落語を聴かず嫌いだった僕が、落語家として活動しているんで、まずは、聞いていただきたいですね。大師匠や師匠の教え通り「笑わせて楽しませる落語」を心がけ、初めて聞く方にも楽しんでもらえる落語をします。ぜひ、楽しみに落語会へ来てください。
ーーー また、楽しい落語会に行かせていただきます。本日はありがとうございました。
竹千代 ありがとうございました。では、いってきます。
ーーー いってきます?
竹千代 ちょっと旅行に。見識を広めるためにね。
プロフィール
芸名:桂 竹千代 (かつら たけちよ)
生年月日:1987年3月17日生まれ
出身地:千葉県旭市 (旭市観光大使)
階級:二ツ目
芸歴
2006年ー2011年 漫才師
2011年7月 桂 竹丸に入門
2011年10月 前座「竹のこ」
2015年9月 二ツ目昇進。竹のこ改メ「竹千代」
桂竹千代公式サイト >> http://katsuratakechiyo.club/
まとめ
桂竹千代さんお忙しい中ありがとうございました。
弟子入りのお願いのシーンは、師匠と竹千代さんとを演じながら話していただき一席見ているようで楽しかったです。
竹丸一門には、竹千代さんの弟弟子となる竹わさん(5月二ツ目に昇級予定)と竹もんさんがいます。みなさんの話も楽しそうに話していて、仲が良いんだなぁと思いました。
機会がありましたら一門の皆さんにもお話をお聞きしたいですね。
今後、様々な会場で落語会を開催しています。ぜひ、一席お付き合いしてみてください。