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【落語家】稀代の落語名人一家!五代目志ん生、十代目馬生に三代目志ん朝

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五代目 古今亭志ん生

五代目古今亭志ん生は、20世紀を代表する不世出の落語家です。

数々の持ちネタで客席を笑いの渦に巻き込み、八代目桂文楽、六代目三遊亭圓生、八代目林家正蔵(のち彦六)、三代目三遊亭金馬らと共に、昭和古典落語の黄金期を担いました。

五代目志ん生は、1890年6月5日、現在の東京都千代田区外神田で産声をあげました。本名は美濃部孝蔵。

「落語の神様」とまで称される五代目志ん生ですが、その人生は波乱万丈で、落語会に入門してからも、長く不遇の時代が続いたようです。
「前座としてボロボロの格好、そして辛気くさい顔で高座に上る話を聞いてみると滅法うまい」と話題にはなったものの、なかなか落語家として認められず50代に差し掛かってようやく、その実力が認められるようになりました。

1949年にラジオ落語が全盛期を迎えると、五代目志ん生の彼の生き様を題材とした、生活感のある長屋ものや廓話が、なんとも滑稽で味わいがあると人気を博してスターダムを駆け上りました。

人気があっても気まぐれで、気が乗らないと高座を投げてしまったり、演じている途中で、話が無茶苦茶になることもありましたが、そんな破天荒ぶりまでもが「天衣無縫の落語の神様」として愛されました。

五代目志ん生の代表演目には、「黄金餅」「富久」「火焔太鼓」などがあげられます。

三作とも演じるのが難しいと言われる作品で、特に「火焔太鼓」は江戸時代から伝わる作品を昭和初期に五代目志ん生が新作と同等に仕立て直しをした名作です。


 わつなぎ関連記事 >>【落語】落語の神様!五代目「古今亭志ん生」代表演目あらすじ解説[厳選三演目]


十代目 金原亭馬生

十代目金原亭馬生は、1928年9月13日に五代目古今亭志ん生の長男として誕生。本名は美濃部清。
14歳で、父の五代目志ん生に入門して落語家人生をスタートさせました。

1948年に古今亭志ん橋を襲名して真打に昇進。翌1949年に十代目金原亭馬生を襲名しました。

実父であり、師匠でもある五代目志ん生からは、あまり噺の稽古をつけてもらうことはできず、他の師匠から稽古を受けたり、自己流に噺を練り上げたりすることで噺家としての技を磨きました。

さまざまな持ちネタを披露しましたが、特に人情噺では、きめ細かな描写と情感たっぷりに語り、五代目志ん生とは異なる独自の芸風を確立しました。

自らの弛まぬ努力で真打に上り詰めた十代目馬生ですが、常に「親の七光り」という評価が付いて回り、多くの嫉妬に苦しめられたそうです。しかし、十代目馬生は、落語の稽古はもちろん、茶道・華道・踊り・書画なども嗜み、端正で品のある噺家として落語人気を支えました。

「親子酒」「二番煎じ」「目黒のさんま」などの演目を得意とした十代目馬生は、多くのファンや関係者に惜しまれながら、54歳という若さでこの世を去りました。

プライベートでは、3人の娘たちに恵まれ、長女は女優の池波志乃であることは有名です。


三代目 古今亭志ん朝

1938年3月10日、五代目古今亭志ん生の次男として生まれた三代目古今亭志ん朝。本名は美濃部強次。

1957年に落語界に入門し、5年後には異例のスピードで真打に昇進して「二代目古今亭志ん朝」を襲名しました。

数ある持ちネタの中でも、「明鳥」「宿屋の富」「大工調べ」を得意とし、7代目立川談志、5代目三遊亭圓楽、5代目春風亭柳朝と共に、若手真打の頃から江戸落語の『若手四天王』と呼ばれ、人気を博しました。

三代目志ん朝は、テレビドラマや舞台で喜劇俳優として活躍していた時期もあり、その演技者としての経験も彼の圧倒的な表現力を培うのに一役買ったようです。

同業者からも非常に高く評価され、大名人・桂文楽をして「落語界最高の大名跡、三遊亭圓朝を継ぐのは彼しかいない」と言わしめ、また同じく『四天王』と称され、ライバル関係にあった七代目立川談志も「金を払って聞く価値のあるのは志ん朝だけ」と語り、三代目志ん朝の実力を認めていました。

63歳を迎えて、ますます円熟味を増し、名人芸を極めていくと思われていた矢先に、三代目志ん朝は肝臓癌を患い、家族と弟子たちに見守られながらその生涯を閉じました。

三代目志ん朝逝去の一報が届くと、落語ファン、そして落語関係者たちは「ミスター落語」の早すぎる死を嘆きました。


まとめ

「生で聞きたかった」と思われた方もたくさんいるのではないでしょうか。

ぜひ機会があったら、三人の名人たちの全く時代の流れを感じさせない圧巻の高座を、動画や音声で楽しんでみてください。


 わつなぎ関連記事 >>【落語】漫画・アニメにドラマで人気の昭和元禄落語心中!登場する落語演目のあらすじ解説13選


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井筒屋

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