【落語】おもしろおかしい話にほろりとくる話!落語演目あらすじ18選。与太郎も登場
この記事の目次
滑稽噺
滑稽噺[こっけいばなし]・・・おもしろおかしい笑い話
時そば
屋台のそば屋でお代をごまかす客の話
流し屋台で売っている二八そば屋。
冬の寒い夜、屋台に飛び込んできた男が、ちくわ入りそばを注文する。屋号に始まり、箸や器、汁にそばを褒めまくってそばを食べ終える。そば代16文を払うのに銭が細かいんだ手を出してくれと言う。
そば屋の手に銭を渡しながら
「ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ、いつつ、むっつ、ななつ、やっつ」
「そば屋さん、今、何刻だい?」
「へえ、九つで」
「とお、十一・・・・十六。」と一文ごまかして行ってしまった。
それを見ていた男が、次の日、真似てみようとする。
早い時間から出かけてそば屋を探すと、昨日のそば屋とは違うがそば屋を見つけて声をかける。
昨日のように会話を真似て見るが、箸も器も汚い、汁は苦い、そばはぐにゃぐにゃ。話がかみ合わない。
もうよそうと支払い。
そば屋さんの手に小銭を渡しながら
「ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ、いつつ、むっつ、ななつ、やっつ」
「そば屋さん、今、何刻だい?」
「へえ、四つで」
「五つ、六つ、七つ、八つ・・・・・・・・」
初天神(はつてんじん)
天満宮の縁日に出かける父親と息子の話
初天神に出かけようとする父親に奥さんから息子の金坊を連れて行ってくれと言われる。
金坊に「あれ買って、これ買って」と言わないという約束させて連れて行くことにする。ところが、縁日の露店が並んでいるのを見ると「あれ買え」「これ買え」と言い始める。
「だからお前なんか連れて来なけりゃよかった」
と言いながらも仕方ないので飴を買ってあげることにする。次に団子屋を見つけ、結局団子を買うことになる。
やっとの事で参拝を終えると今度は凧を買ってくれとせがまれ、仕方なく凧を買って空き地に行って凧揚げをする。まずは、父親が上げて見せると、高く高く上がって、金坊も「すごいゃ」と関心。
金坊が「あたいにもやらせて」と言うと
「向こう行っていろ!」と渡そうとしない父親。
「こんなことならお父っつあん連れてくるんじゃなかった。」
長短(ちょうたん)
気の長いのんびり屋の男と短気な男の話
気性が正反対なのに仲良しの気の長いのんびり屋の長さんと短気な短七。
長さんは、天気の話をするにもゆっくりで話が長い。短七が菓子を出しても長さんはいつまでもモグモグと食べているので短七は気が気ではいられない。長さんが煙草を吸おうとキセルを取り出すがなかなか火がつかず、やっと着いたと思ったら火玉が踊るまで吸っていて、短七はイライラ。
「煙草なんていうのは、こうやって火をつけて、こうやってはたくんだ!」と短七は吸って見せる。
すると長さんが「お前は気が短いから、他人から何かものを教わるのは嫌いだろうね」という
「大嫌いだが、お前ならいいから言ってみな」それでも教えないので「怒らないから教えてくれ」と頼み込む。
「さっき吸って、威勢よくはたいた煙草の火玉が煙草盆に入らないで、左の袂の袖口に入ったけれどいいのかなぁと思っていたら、だいぶ燃え出したようだが事によるとそれは消した方がいい・・・」
袂に目をやった短七が慌てて火を消しながら「馬鹿野郎なんで早く言わねぇんだ」と怒ると
「それみね。そんなに怒るじゃねぇか。だから教えねえ方が良かった」
寿限無(じゅげむ)
子供の名前に丈夫で長生きする縁起いい言葉を全てつけた話
男の子が生まれたので丈夫で長生きするような名前をつけたいと和尚に相談すると
「寿限無 寿限無、五劫のすりきれ、海砂利水魚の水行末、雲来末、風来末、食う寝るところに住むところ、やぶらこうじのぶらこうじ、パイポパイポ、パイポのシューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコナの長久命の長助」
と縁起のいい名前の候補を書き出していただいた。父親はどれか一つを選ぶことができず全部つけてしまおうと長い名前をつけてしまった。
名前のおかげもあってか、子供はすくすくと元気に育ったが、ある日、
「あーん、あーん…あのねえ、おばさんのとこの寿限無寿限無、五劫のすりきれ・・(略)・・長久命の長助が、あたいのあたまをぶって、こんなに大きなこぶをこしらえたよ」と泣きながらやってきて、
「おまえさん、聞いたかい?うちの寿限無寿限無、五劫のすりきれ・・(略)・・長久命の長助が金ちゃんのあたまへこぶをこしらえたんだとさ。」
「じゃあなにか、うちの寿限無寿限無、五劫のすりきれ・・(略)・・長久命の長助が金坊のあたまへこぶをこしらえたっていうのか。」
「どれ、みせてみな。なーんだ、こぶなんかねえじゃねえか。」
「あんまり名前が長いから、こぶがひっこんじゃった。」
長屋噺
長屋噺[ながやばなし]・・・長屋を舞台にした笑い話
粗忽の釘(そこつのくぎ)
うっかりものの亭主が長屋の壁に八寸の瓦釘を打ち込んでしまう話
うっかりものの亭主が引越しの日に荷物を背負ったままなかなか新居にやって来ない。やっとの事で新居にたどり着いて、話を聞くと自転車にぶつかったり猫の喧嘩を見ていたら新居の場所を忘れたと言う。
一休みしていると、奥さんから「ほうきをかけるのに釘を打ってくれ」と言われ、長屋の薄い壁に八寸(約24㎝)と長い瓦釘を打ち込んでします。
隣の家に釘の先が出ていたら大変だから謝りに行くようにと言われて、亭主は慌てて家を出てお向かいの家を訪ねてしまう。いくら長い釘でも通りをはさんで向かいの家には届かないということに気付かされ家に戻る。
改めて、隣の家へ行くと勝手に上がり込んで落ち着こうとした挙句、妻との馴れ初めの話をし始める。
「いったい、あなた、うちに何の用でいらしたんです」と言われ釘の件を思い出す。
探してもらうと仏壇の中ある阿弥陀様の喉元から釘が出ているのを見つける。
「これは大変だ。明日からここにほうきをかけに来なくちゃならない」
まんじゅうこわい
まんじゅうを怖いと騙して好きなまんじゅうを頂く話
長屋の若い男たちが集まって怖いものの話を始めます。
「ヘビがこわい」「カエルがこわい」「クモがこわい」「アリがこわい」など次々に怖いものを言い合って話をしている中、ひとり黙っている男がいて、怖いものは何かと聞くと「怖いものは無い!」と答える。何かひとつくらいあるだろうと問いただすと
「実はある。それを言うと怖くて震えてくる」
「へえ、何だい?」
「一度しか言わないよ。・・・まんじゅう」
考えただけで気分が悪くなってしまったと言って、奥の部屋で寝込んでしまった。
そこで、寝ている間に山盛りのまんじゅうを枕元に置いて起こして見ると、
「ウワーッ」と悲鳴が上がり「うわぁまんじゅう怖いよー」と叫びながらまんじゅうをむしゃむしゃ食べ始めた。
隠れて見ていた若者たちは、騙されたっ!と部屋に入り、
「てめえ!本当はいったい、何が恐いんだ」
「そろそろ、この辺で、濃いお茶が怖い」
粗忽長屋(そこつながや)
自分が死んだつもりになるそっかしい自分の話
同じ長屋の隣同士に住んでいる、そそっかしい八五郎とそそっかしい熊五郎。
兄貴分の八五郎が浅草の観音様に参詣すると、境内に人だかりが出来ていてのぞいて見ると行き倒れだという。その顔を見て見ると、「これは熊の野郎だ!」
「この人知っているなら、かみさんかご親類を連れてきてほしい」と言うと
「こいつは独り者で身寄り頼りもないので、ここへ当人を連れてきましょう」と長屋へ飛んで帰った八五郎。
長屋にいる熊五郎のその話をすると「死んだような心持ちがしねぇ」と言うので、八五郎は「お前は夕べ行き倒れて死んだのに、それに気がつかずに帰ってきたんだ」
熊五郎はそうかなぁと思いつつもだんだん自分が死んだつもりになってきて、二人で死骸を引き取りに行く。
死骸に対面して、熊五郎は「これが俺か。なんてまあ浅ましい姿に。」「もっとうめえものを食っときゃよかった。」と言いながら死骸を抱えると
「なんだか分かんなくなっちゃった。抱かれてるのは確かに俺だが、抱いてる俺はいってえ、誰なんだろう」
酒呑噺
酒呑噺[さけのみばなし]・・・酒呑みのおかしな話
親子酒
大酒飲みの親子が禁酒の約束をやぶる話
大酒飲みの親子。
息子が酒で問題を起こしてはいけないと考え親子で禁酒の約束をする。
しばらくは禁酒の約束をしていたが、日が経つにつれ酒が恋しくて仕方なくなる。ある日、息子がお呼ばれで出かけた日、奥さんに頼み込み、ついに酒に手を出してしまう。お銚子1本のはずがもう1本、もう1本とベロベロに酔っ払ってしまう。
そこへ息子が帰ってくる。
酔いをごまかして無理に座りなおしにらみつける父親。
グデングデンで足元がおぼつかない息子。
注文を取りに行った先で酒をすすめられて、呑んできたらしい。
「なぜそうお前は酒をのみたがる。こいつの顔がさっきから三つに見えるぞ!化け物だね。こんな者にこの家の財産は渡さねえ」
「あたしだって、こんなグルグル回る家は欲しくない」
与太郎噺
与太郎噺[よたろうばなし]・・・与太郎が登場するおかしな話
大工調べ
大工の道具箱をめぐる棟梁と与太郎と大家の話
大工の腕は良いがどこか抜けている与太郎。
仕事に出てこない与太郎を案じ、棟梁は与太郎の長屋に行くと、与太郎は、家賃を1両800文ため込み、家賃のかたに道具箱を大家に持っていかれて仕事に行けないと話す。
棟梁は、道具箱を返してもらってこいと1両を与太郎に渡すが、与太郎は800文足りないと言うと棟梁は「1両あれば御の字だ。800文ぽっち足りないのはあたぼうだ」言って行かせる。
大家のところへ行った与太郎は、800文足りないと言われるが「あたぼうだ!」を言っていまい、大家は、腹を立てて道具箱は返さず1両は内金だと言って与太郎を追い返します。
そこで、仕方なく棟梁が大家に話をしに行くが、話しているうちに我慢ならず啖呵を切って帰り、奉行所へ訴えた。
両者の申し立てを聞いた奉行は、与太郎に残りの800文を支払うようにと命じ、大家は有頂天。
と思いきや、奉行が大家に尋ねた。
「一両800文のかたに道具箱を持っていったのなら、その方、質株はあるのか」
大家は、質株は持っていないと答え。
結局、大工の仕事ができなかった20日間の手間賃として大家は与太郎に銀貨200匁を支払うように命じました。
奉行は棟梁に「一両八百のかたに200匁の手間とは、ちと儲かったようだなぁ」
「へえ、大工は棟梁、調べをごろうじろ」(細工はりゅうりゅう、仕上げをごろうじろ)
かぼちゃ屋
与太郎にかぼちゃ売りを教える話
20歳になってもぼーっとして、遊んでばかりいる与太郎。
おじさんが心配して商売を覚えさせようとかぼちゃを売らせる事にした。仕入れ値は、大きいかぼちゃが13銭。小さいかぼちゃが12銭。
これが元値だからよく上を見て(掛け値で)売るんだぞと言って送り出しました。
売り方を知らない与太郎は、「かぼちゃ!」と大声を出しているのみだった。通りかかった人に「唐茄子屋で〜ござい」ってやれやと教わると、与太郎は「その通りで〜ござい」と言う始末。狭い路地を見つけて入って見ると蔵があって行き止まり。引き返そうとしても天秤棒が引っかかって回れず、
「路地、広げてくれ!蔵、どけてくれ!!」と家の壁を傷だらけに。
その家の住人に怒鳴られるが、面白い野郎だと言われ、いくらだ?「大きいのが13銭。小さいのが12銭。」で買ってもらう。
長屋のみんなも買いにきたが、与太郎は、上を見たままで、住人に任せてしまう。
かぼちゃは全て売れたのでおじさんのところへ帰って売り上げを渡すと「儲けはどうした?」と、
「儲けはそれだ」「上を見ろって言うから、日が当たってまぶしくて。」
「上を見ろってのは掛け値で売れって事だ!」ともう一度売りに行かされる。同じ狭い路地に入ってまた買ってくれと言い、掛け値の意味を教わったと伝える。
「ぼんやりだな。お前、いくつだ?」
「60だ」「20は元値で、40は掛け値だ」
孝行糖(こうこうとう)
孝行糖という飴を売りあるく与太郎の話
孝行者だが少し抜けている与太郎。
お上から親孝行のご褒美に褒賞金を頂戴した。長屋の住人や大家は、与太郎にそのまま渡してしまったらすぐに使ってなくなってしまうから、褒賞金を元手に商売を始めさせようと考える。
昔、東西の歌舞伎役者の嵐璃寛と中村芝翫の顔合わせの時に「璃寛糖」と「芝翫糖」という飴を売り出して儲かった人がいる話から、「孝行糖」という飴を売らせようとなる。
売り声の口上を考え与太郎に覚えさせて売ったところ「食べさせれば子供が親孝行になる」と毎日飛ぶように売れる。
「♪こうこうと〜、こうこうと〜。孝行糖の本来は、うるの小米に寒晒し。カヤに銀杏、肉桂に丁字。チャンチキチ、スケテンテン。昔々もろこしの、二十四孝のその中で、老莱子といえる人。親を大事にしようとて、こしらえあげたる孝行糖。食べてみな、おいしいよ、また売れたったらうれしいね。テンテレツク、スッテンテン」
水戸様の屋敷前でも、相変わらずの声で「♪こうこうと〜、こうこうと〜。・・・・・」注意されても歌い続け、門番に六寸棒でめった打ち。
通りがかった人に助けてもらい「首斬られてもしょうがねえんだ。・・・どこをぶたれた」
「ここ〜とぉ〜。ここ〜とぉ〜。」
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