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【日本酒】原酒とは?しっかりとした香りに深い味わいに高いアルコール度数。特徴やおすすめの飲み方

 2021/09/16 食物 習慣
 
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原酒とは

原酒とは広義には「加水していないお酒」、狭義には「加水していない日本酒」のことを指します。今回は狭義の原酒について見ていきます。

「加水」とは搾ったお酒に水を加えることで、アルコール度数を低くしたり、お酒を飲みやすくしたりする役割があります。原酒は一般的な日本酒よりアルコール度数が高く、濃厚な味わいと香りが特徴で、日本酒そのままの味が楽しめるため、お酒に強い人や日本酒好きによく好まれています。

ストレートで飲むこともできますし、ロックやカクテルにして飲むこともできます。元々が濃いので、氷が溶けてもあまり薄くならず、ゆっくり飲めるお酒です。


原酒の特徴

味わい

原酒は加水していないので、香りや味が一般的な日本酒より濃厚だといわれています。使用しているお米は日本酒によって違いますが、そのお米の味の違いをダイレクトに味わえます。お米の旨味や甘みも原酒の方が感じやすく、原酒はよく「パワフルな飲み口」「クセのある味」と表現されます。飲み込んだあともしっかりと香りと味が口の中に残るのも特徴です。

このため、お酒に弱い人や日本酒が苦手な人にはキツすぎて、飲みにくく思われることも多いです。逆に原酒の味わいが病みつきになる人も大勢います。カクテル用リキュールで割ったりロックにしたりしても味や香りが損なわれることはなく、いろいろな飲み方に挑戦できます。


アルコール度数が高い

元々、日本酒の度数は高く醸造中のものは20度程度あります。一般的な日本酒はそれに加水しアルコール度数を下げ、15度前後に調整します。これに対し原酒は加水していないため、アルコール度数は20度前後のままです。

ビールは5〜9度、ワインが10〜15度ですので、よく飲まれるお酒と比べても原酒の度数が高いことが分かります。ビール・ワイン・日本酒は醸造酒というお酒に分類されます。

醸造酒はアルコール度数が低いものが多いため、加水して販売されるものはほとんどなく、日本酒の販売形態は珍しいです。日本酒のアルコール度数が高いのは「並行複発酵」という世界でも類を見ない製造法をとっているからです。


原酒の見分け方

原酒を購入したい場合、ラベルに「原酒」と表示してあるものを見つけましょう。表のラベルに大きく原酒と書いてあるものもありますし、銘柄の横に小さく書いてあるものもあります。分かりにくければ、裏側の食品表示もチェックし、原酒の記載があるかどうかを見ましょう。また、アルコール度数が20度前後あるものは原酒ですので、それも目印となります。

原酒と同じ意味合いを持つのは「無加水」です。加水していないという意味で、原酒の代わりに無加水と書かれている日本酒もあります。ほかにも、原酒でもあり生酒でもある「生原酒」や濾過していない「無濾過生原酒」などもあります。


原酒の保存方法

原酒は未開封のものなら冷暗所に保存できます。開封済みのものは、冷蔵庫保存が一番良いです。ただ、スペースがなければ、冷暗所でも大丈夫です。すぐに傷むものではないですが、開封したらできるだけ早く飲みきりましょう。

生原酒の場合は、冷蔵庫保存でないといけません。生酒は酵母が生きたまま出荷されていますので、常温だと発酵が進みすぎることがあります。また、生原酒は微炭酸のようなシュワッとした口当たりが特徴ですが、開封後はこの微炭酸がどんどん抜けていきます。変質も早いため、生原酒を開封した場合、できるだけ早く飲み切りましょう。


原酒を味わえる時期

原酒は通年出回りますが、時期によりおすすめが異なります。

まず11月~3月にかけて人気なのが生原酒です。生原酒は加水も火入れも一切していないので、個性的な味わいで香り高いのが特徴です。

6月~9月にかけてタンクの熟成度を調べるために、製造途中の日本酒を飲みます。これを「呑切り」と呼びます。この期間には呑切原酒が販売され、夏限定の味が楽しめます。
10月頃になると、火入れを1回だけした「ひやおろし」が出回ります。それに伴いひやおろし原酒も出てきます。呑切りより熟成が進み、まろやかになっているのが特徴です。

以上が季節限定の代表的な原酒ですが、火入れを2回した通常の日本酒の原酒は通年販売されています。気分や時期によって飲み分けてみてください。


原酒のおすすめの飲み方

オン・ザ・ロック

原酒の味をダイレクトに楽しめるのがオン・ザ・ロックです。

氷を入れることによりストレートより飲みやすくなりますが、原酒の持つ香りや風味はそのまま堪能できます。オン・ザ・ロックで飲むならロックアイスやアイスボールなど溶けにくい氷を使うのがおすすめです。

氷が溶けると原酒が少しずつ薄まり普通の日本酒の風味に近づきますが、ロックアイスなどを使うことで、その変化をゆっくりと楽しめます。


水割り

原酒を水割りにしても美味しいです。

水割りにすることで、アルコール度数が下がり飲みやすくなります。購入した原酒がキツく飲みにくかった場合も水割りにすると飲みやすくなります。水は軟水で、5〜8℃の冷たいものを使うのがおすすめです。冷たい水は原酒の香りをソフトに抑え、味をまろやかにしてくれます。原酒と水の割合は好みで構いませんが、まずは1、2割程度、水を加えてみるのが良いでしょう。

水を1割加えると、20度の原酒はおよそ18度に、2割加えるとおよそ16度になります。


カクテルベース

日本酒を使ったカクテルは色々あります。サムライ・ロックや清流、サケティーニなどが有名ですね。最近は日本酒を炭酸で割った日本酒ハイボールも人気のようです。

これらのカクテルは加水した日本酒で作られますが、これを原酒で作るのも面白いです。普通のもので作った場合より、日本酒の風味をしっかりと感じることができます。また、オン・ザ・ロックやストレートの原酒が苦手な人もカクテルなら飲みやすいでしょう。

原酒は透明ですので、ほかのリキュールの色を邪魔することがないのも魅力です。


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まとめ

原酒は日本酒の本来の味を感じられる貴重なお酒です。

アルコール度数が高いので、カクテルベースや水割りにしても、日本酒の味や香りをしっかり感じられるのが魅力です。

季節によって、さまざまな原酒が販売されますので、ぜひお気に入りを見つけてみてください。


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ゆずこ

ゆずこ

大学時代に出会った友人の影響で、お寺巡りや仏教に興味を持ちました。それがきっかけで、日本人の思想や日本文化全体に興味を持つようになりました。

日本の建築物や着物、独自の色づかい、和食や和菓子、本当に繊細で美しいものばかりだと思います。そんな日本文化の魅力をお伝えし、皆さんと一緒に楽しめたらなと思っています。

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