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【わさび】驚くべき栄養と効果・効能!? 辛さのヒミツとおいしく食べるコツに本わさびと西洋わさびの違い

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わさびの成分と栄養

*わさびには本わさびと西洋わさびがありますが、記事中ではわさび=本わさびとして記述しています

わさびの最大の特徴と言えばあの鼻腔にツンとくる辛味です。

わさびの辛味の正体は揮発性のからし油(イソチオシアネート)類と呼ばれるもので、中でもアリルからし油(アリルイソチオシアネート)が成分のほとんどを占めています。あの辛味はわさびをすりおろす際に細胞が破壊されることで生み出されます。

辛味以外の成分では、わさびの生長に清冽な水や肥えた土壌が欠かせないことからミネラル類やビタミン類を豊富に含んでいます。わさびに含まれる栄養素として代表的なものは次の5つです。

①カリウム

余分な塩分を体外に排出する作用があります。〈わさび100gあたり500mgほど〉

②カルシウム

骨や歯の形成や血液凝固作用などがあります。〈わさび100gあたり100mgほど〉

③ビタミンC

皮膚や細胞のコラーゲン合成や免疫機能の維持・強化作用などがあります。〈わさび100gあたり75mgほど〉

④ビタミンB1

糖質のエネルギー代謝を補助しています。〈わさび100gあたり0.06mgほど〉

⑤リン

骨や歯の形成や心臓や腎臓機能を維持する作用などがあります。〈わさび100gあたり79mgほど〉


これら以外にもたんぱく質や食物繊維、葉酸なども含んでおり栄養素が豊富な食品であると言えます。とは言えわさびは薬味として少量食べるもの、わさびだけでじゅうぶんな栄養素を補うことはむずかしいですね。


わさびの効果・効能

栄養素を豊富に含んでいるわさびですが効果・効能も数多く見つかっています。わさびの代表的な効果・効能は次の3つです。

①殺菌・抗菌・制菌作用

わさびの辛み成分アリルイソチオシアネートには殺菌・抗菌作用があり、昔から刺身や寿司には食中毒を防ぐためにわさびが用いられています。また細菌だけではなく寄生虫やカビに対しても効果が期待できることから、わさびの制菌作用を利用して食べ物の腐敗を防ぐわさびシートも人気です。

②抗酸化作用

わさびの持つ抗酸化作用には体内で作られる活性酸素(老化や免疫力の低下を招く)を除去する働きがあります。なお抗酸化作用はわさびの花や茎にもあります。

③抗血栓作用

わさびの香りに含まれるイソチオシアネート類の成分には血栓の元となる血小板の凝固を抑制する作用があります。現在進行形で研究や開発が進められているわさびの効果・効能も数多くあり、実用化が待たれます。


本わさびと西洋わさび

わさびには本わさびと西洋わさびがあります。

本わさびは日本原産でアブラナ科ワサビ属に分類され、日本各地に自生していましたが本格的にわさびの栽培がはじまったのは江戸時代です。栽培方法により湧き水や清流の流れる渓流で栽培される沢わさびと湿気が多く涼しい土地で栽培される畑わさび(陸わさび)とがあり、国内の二大産地は静岡県と長野県です。

西洋わさびはヨーロッパ原産でアブラナ科トモシリソウ属に分類され、ホースラディッシュや山わさびとも呼ばれています。西洋わさびの国内最大産地は北海道で明治時代に欧米から入ってきて畑で栽培されています。

本わさびも西洋わさびも辛味が特徴ですが、本わさびはねばりや香りが強く緑色、西洋わさびは辛味が強く(本わさびのおよそ1.5倍の辛さ)白色、という違いがあります。


チューブわさび

手軽にいつでも使えて保存も効くチューブわさびはいまや食卓の定番です。チューブわさびの主原料は西洋わさびとご存知でしたか?

乾燥させた西洋わさびを粉末化したものに本わさびや油脂、砂糖、食塩などを加え水と練り上げたものがチューブ入りの練りわさびです。

日本加工わさび協会の自主基準では商品の中に本わさびが50%以上入っていれば「本わさび使用」、50%未満ならば「本わさび入り」と表示する決まりとなっています。また乾燥わさびではなく生のわさびを主原料としたものは「生わさび」と表示されています。

チューブわさびと本わさびは風味や辛味こそ似ていますが成分的には異なりますので、本わさびとおなじ効果・効能は期待できません。


1日の摂取目安量

実際、1日にどれくらいの量であればわさびを食べてもいいのでしょうか?わさびの1日当たりの適正な摂取量は3~5g、ティースプーンに1杯程度の量です。

にぎり寿司10貫でわさびの量は2グラムほどですので普通に食べる分にはじゅうぶんですよね。なおチューブわさびだと10cmほどが適正摂取量相当ですが、油脂や砂糖、塩などが添加されているぶんカロリーや塩分は高くなりますのでご注意ください。


わさびのおいしい食べ方

わさび独特の香りと辛味をよりおいしく食べるには、すりおろす道具とすりおろし方が大きなポイントとなります。

わさびをすりおろす道具は「鮫皮(さめがわ)おろし」や「鋼鮫(はがねざめ)」が有名です。「鮫皮おろし」は木の板に鮫皮を貼りつけたもの、「鋼鮫」は鮫皮を真似て細かく刃を立てたおろし金のことでプロの料理人も使っています。

しかしながらそう頻繁に本わさびを使用する機会がない場合、道具を準備するかどうか迷いますよね。そういう方はあまり切れ味のよくないおろし金をご用意ください。わさびの辛みと香りを最大限に引き出すためには「ゆっくりと空気を含ませながらおろす」方法が最適とされていますので、切れ味のよくないおろし金のほうが向いています。

専用の道具であれ手持ちのおろし金であれ、ゆっくりと茎のほう(葉のついていたほう)から輪を描くようにおろします。なお、おろし器の上に少量の砂糖をのせておろすとわさび特有のえぐみ(苦味)が消えて香りと辛味が際立ちます。


わさびの選び方

品質のいいわさび=おいしいわさびの見分け方をご存知でしょうか? おいしいわさびの特徴は次の5つ。

①形のいいわさび

②鮮度のいいわさび:緑色があざやかなわさび

③ズシリと重みのあるわさび

④目が詰まっているわさび


わさびの保存方法

わさびの風味を損なう原因は乾燥ですので使いかけのわさびを冷蔵庫に入れるときには切り口を水にしばらく浸してから濡らしたキッチンペーパーで覆い、その上からラップを巻きます。

長期間保存したい場合にはコップに水を入れてわさびを立て冷蔵庫へ入れて、毎日水を取り替えればおよそ1か月持ちます。


まとめ

独特の風味と辛味を持つ日本原産のわさび、おいしいだけではなく多くの効果・効能があります。昔からなにげなくわさびを食べてきましたが知らないうちにわさびの恩恵を受けていたのかもしれませんね。


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よしながけいこ

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草花と民藝品と本と晩酌をこよなく愛するライター兼ブロガー

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