【日本のお茶】煎茶・玉露・抹茶・番茶・ほうじ茶・玄米茶の違い!美味しい入れ方
この記事の目次
煎茶
[せんちゃ]
お茶と聞かれて多くの人が真っ先に思い浮かべるのがこの煎茶ではないでしょうか。
煎茶は新芽が出たころに摘み取らず、そのまましっかり日光に当てて光合成をしっかりと行うように栽培することでカテキンの量が増えて、茶葉にしたときに旨味成分のテアニンも含まれることで爽やかさと渋みが生まれます。
もっとも流通量が多く手軽に飲めるお茶として広く親しまれおり、産地や茶葉の等級によって味が変わる面白いお茶でもありますよ。
煎茶の入れ方
[ 1 ] 沸騰させたお湯を用意し急須に入れて温める。
[ 2 ] 急須のお湯を捨てたら茶葉を1人分(大さじ1杯強)入れる。
[ 3 ] 湯呑に7~9分目にお湯を入れて20秒ほど冷ます。
[ 4 ] 湯呑の中のお湯を急須に入れて約1分ほど(深蒸しは30秒~1分)静かに蒸らす。
[ 5 ] 湯呑に少しだけ入れて深みのある緑色になったら飲み頃。最後の1滴までしっかり絞り出す。
急須にお湯が残っていると2回目のお茶がまずくなるので要注意。数人分の場合は湯呑に入れる時に少しずつ廻し注ぎをして色を均一にするのがポイントです。
玉露
[ぎょくろ]
最高級の茶葉である玉露の栽培方法は煎茶とは違い、新芽が出る3週間程前や新芽が出てすぐに日光に当たらないようにシートを掛けて柔らかな茶葉を収穫します。
そうすることでカテキンが増えずテアニンが残るので、渋みの少ない甘くまろやかな味になるのです。
そんな玉露を美味しく飲むために必要なのが小さめの急須か専用急須。大きな急須で作るとせっかくの繊細な味が消えてしまうので数人分作る場合には少々手間ですが、数回に小分けして入れるのがおすすめですよ。
玉露の入れ方
[ 1 ] 沸かしたお湯を急須に入れて温める。
[ 2 ] 急須のお湯を捨てたら茶葉を1人分(大さじ1杯強)入れる。
[ 3 ] 湯呑に7~9分目にお湯を入れて50~60℃くらいまで冷ます
[ 4 ] 湯呑の中のお湯を急須に入れて2分~2分半ほど静かに蒸らす。
[ 5 ] 湯呑に少しだけ入れて深みのあるグリーンになったら飲み頃。最後の1滴までしっかり絞り出す。
煎茶よりも低い温度でゆっくりと作るのが美味しい玉露を入れるコツ。焦らず少し熱めのお湯で茶葉が開くのを待って下さいね。
抹茶
[まっちゃ]
抹茶は煎茶や玉露とは違いてん茶(碾茶)という茶葉を使っており、玉露同様に新芽を日光に当てずに3週間~1ヶ月ほど育てて柔らかな葉を摘んでいます。
甘みがある茶葉石臼で引いてできる抹茶をお家で気軽に楽しむために用意する物は抹茶茶碗、茶せん、茶杓またはティースプーン、小さい茶こし。お点前を披露するのでなければ作法は気にせずに楽しんでください。
甘いお菓子と一緒に飲むと苦みが軽減されますが、それでも苦い場合には適量の砂糖を混ぜるのもありですよ。
抹茶の入れ方
[ 1 ] 一度沸かしたお湯を70℃~80℃くらいに冷ましておく。
[ 2 ] 茶杓2杯分(ティースプーン軽く1杯)の抹茶を振るいにかけて抹茶茶碗に入れる。
[ 3 ] お湯60ccのうち少量を茶碗に入れて茶せんで溶かすように軽く混ぜる。
[ 4 ] 残りのお湯を入れて「m字」を書くように手首を前後に小刻みに動かして泡立てる。
[ 5 ] 泡がふっくらしてきたら茶せんの先で潰すようにゆっくり混ぜてキメを整える
抹茶は泡が細かいほど口当たりがよく風味が発ちます。ぜひ甘いお菓子と一緒にお楽しみください。
番茶
[ばんちゃ]
緑茶の中でも摘み取る時期が遅く柳類の番茶は遅い時期の摘み取りを意味する「晩茶」や1番茶や2番茶などの順番から外れた「番外茶」からと由来は諸説あり、煎茶よりも長く栽培するためにタンニンが多めカフェインが少なく、かすかな渋みと甘みや旨味が薄い淡泊なお茶ですが安価で癖が少なく手軽に楽しめるお茶として多くの人に愛されています。
入れ方もお湯の温度も気にせず飲める番茶は産地によって味や製法が異なるのも特徴で、日本茶の中でも個性豊かなお茶でもありますよ。
※地域によっては、安価の煎茶やほうじ茶の事を指す場合があります。
番茶の入れ方
[ 1 ] やかんにお湯を沸かす。
[ 2 ] 急須や土瓶に一人分約3g(大さじ1)を入れる。
[ 3 ] 熱湯をそのまま急須や土瓶に入れて30秒ほど蒸らす。
[ 4 ] そのまま最後の1滴まで湯呑に入れる。
煎茶や玉露などに比べると簡単に美味しく入れられる番茶は、大きな土瓶や急須で多めに茶葉を入れて熱いお湯を入れ厚手の湯呑を使って保温をするのが美味しく楽しむコツです。
ほうじ茶
[ほうじちゃ]
番茶の茶葉を高温で焙煎する事で茶色いお茶になるほうじ茶は、カフェインが少なく香ばしさと甘みのある優しい味が特徴で、フレーバーティとしても人気のお茶です。
カフェインが少ないことから夜に飲まれることが多く、食事にもよく合うお茶で子どもからお年寄りまで飲めるお茶でもあり、お茶の産地である京都では上質なほうじ茶をおもてなしに使う事もあるとか。
その味わいは心を落ち着かせてくれ、さらに主成分であるピラジンがストレスや病気などで疲れた心と身体を癒してくれる効果があります。
ほうじ茶の入れ方
[ 1 ] やかんにお湯を沸かす。
[ 2 ] 急須や土瓶に一人分約3g(大さじ1)を入れる。
[ 3 ] 熱湯をそのまま急須や土瓶に入れて30秒ほど蒸らす。
[ 4 ] そのまま最後の1滴まで湯呑に入れる。
ほうじ茶は番茶と同じ入れ方で十分美味しく飲めるお手軽なお茶です。大きな土瓶に数人分を一気に作っても美味しいお茶として楽しめ、アツアツのお湯で抽出するのが美味しいほうじ茶になるコツです。
玄米茶
[げんまいちゃ]
番茶や煎茶の中に同量の炒った玄米を混ぜた玄米茶は、他のお茶には出せない玄米の香ばしく豊かな香りと緑茶の爽やかさが合わさった独特のお茶です。
玄米茶の特徴の緑茶の成分と玄米の成分が一緒に摂れることから、美容や健康によいお茶として若い女性を中心に注目をされていて、とくに玄米由来の熱に強いビタミンはアンチエイジングや生活習慣予防に効果があるとされています。
さらにカフェインの量が少ないので子どもでも安心して飲めるお茶でもあります。
玄米の入れ方
[ 1 ] お湯を沸かしておく。
[ 2 ] 急須に約2g(ティースプーン山盛り1杯)を入れる。
[ 3 ] 90℃~95℃ほどのお湯を急須に入れて30秒ほど蒸らす。
[ 4 ] 湯呑に最後の1滴までしっかりと絞り出す。
玄米茶は番茶やほうじ茶よりも色や味が出やすいので蒸らし時間を長くすると濃くなりすぎてしまいます。また熱いお湯の方が香ばしい良い匂いがたちやすいので、沸騰したお湯を用意しておくのがおすすめですよ。
まとめ
同じ日本茶でもこのように特徴や味、入れ方などの違いがあって知れば知るほど奥深いものです。
茶葉によって入れ方を少し変えることで風味の違いや美味しさを楽しめるので、ぜひ試してみてくださいね。
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