【小倉百人一首】『ちはやふる』競技かるたのルールが分かると絶対おもしろい!
この記事の目次
競技かるたとは
藤原定家が和歌(短歌)を100首集めた「小倉百人一首」を使い、上の句を読み上げて下の句の札を取り合い、先に自分の持ち札をゼロにした方が勝ちという競技ですが、「礼に始まり礼に終わる」の礼法を重んた競技でもあります。試合は、1対1の二人で行われ、個人戦と団体戦があります。団体戦の場合は、5人形式の対戦で3勝した組が勝ちとなります。大会によっては、3人形式もあります。
最高峰の大会の男性の名人戦、女性のクイーン戦や全国高等学校小倉百人一首かるた選手権大会は、滋賀県大津市の近江神宮で開催されます。
試合の流れ
札の配布・配置
1 競技する2人は、裏返した100枚の札(文字のみの下の句の札)をよく混ぜます。
2 互いに25枚ずつ取り、自陣に表向きに並べます。
3 残った50枚の札は、使用しない為、箱に戻します。(空札といいます)
4 持ち札の25枚は、競技線(左右:87cm、天地:札3段)という範囲内に並べます。
※範囲内で、段の並びを守っていれば、札の配置は自由です。
5 互いの枚数が25枚あるか確認します。
※間違っていた場合は、他者に報告し調整してもらいます。
暗記時間
6 札の暗記
並べ終わってから競技開始までに15分間の暗記時間が設けられています。この間に、両陣にある札を確認し暗記します。暗記時間中、席を外しても良いですが、相手に「失礼します」と一礼して席を外します。席に戻った際は「失礼いたしました」と一礼します。
暗記時間終了の2分前になると「2分前」の合図があり、自由に素振りをする事が出来ます。
試合開始
7 試合開始
最初に序歌と呼ばれる小倉百人一首とは関係のない歌を読み上げます。一般的に「難波津に 咲くやこの花 冬ごもり 今を春べと 咲くやこの花」が読まれます。序歌の下の句は2回読まれ、2回目の後に、1枚目の上の句が読まれます。
8 札を取る
札を取る際は、札に先に触れるか、競技線の範囲の外に出した場合となります。
※両手を使って取ってはいけません。最初に取り始めた手が基準になります。
■送り札
敵陣の札を取った場合や相手がお手つきをした場合、相手に渡す札の事です。苦手な札、得意な札、など、どの札を渡すかも勝負のポイントになります。
■お手つき
読まれた札が、陣にない場合に触ってしまうとお手つきとなります。
自陣にある札が読まれたが、敵陣の札に触れてしまった場合
敵陣にある札が読まれたが、自陣の札に触れてしまった場合
空札が読まれたが、札に触れてしまった場合
読まれた札ではないが、読まれた札のある陣の札に触れることはお手つきとはなりません。(読まれた札が範囲の外に出れば良いとなります)
■挙手
試合中、札の並べ直しや送り札を考える場合、読み手に読みを待ってもらうために挙手を行ないます。
■運命戦
自陣・敵陣ともに最後の1枚になった試合のこと。自陣の札を取るのか良いとされており、どちらの札が先に読まれるか運命にゆだねられます。
■攻めがるた
敵陣の札を狙って取りにいく戦い方。送り札を自分の得意な札にして敵陣で取る方法もあります。
■守りがるた
自陣の札を確実に取っていく戦い方。
■囲い手
手で札を囲って、相手に取られないようにする方法。決まり字の長い札の時に使われます。
■囲い手破り
囲い手をしている隙間を狙って取りにいく方法です。
9 勝敗
先に自陣の札をゼロにした方が勝ちです。
決まり字
上の句のここまで聞けば下の句の札が取れるという字を決まり字といいます。一字で決まる「一字決まり」から「六字決まり」まであります。
一字決まり (7句)
ニ字決まり (42句)
三字決まり (37句)
四字決まり (6句)
五字決まり (2句)
六字決まり (6句)
例えば、
A ちはやぶる かみよもきかず たつたがは からくれなゐに みづくくるとは
(ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは)
B ちぎりおきし させもがつゆを いのちにて あはれことしの あきもいぬめり
(契りおきし させもが露を 命にて あはれ今年の 秋もいぬめり)
C ちぎりきな かたみにそでを しぼりつつ すゑのまつやま なみこさじとは
(契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波こさじとは)
「ち」で始まる上の句は3句。
「ちは」まで聞けば、 A の下の句「からくれなゐに みづくくるとは」の札が取れます。この札をニ字決まりといいます。 B と C は、四字決まりとなります。また、試合が進む中で B の歌がすでに読まれていた場合、 C は「ちぎ」まで聞けば、 C の下の句「すゑのまつやま なみこさじとは」の札を取れます。
六字決まりの札は、大山札といいます。
決まり字一覧
一字決まり (7句)
18 住の江の 岸に寄る波 よるさへや 夢のかよひ路 人目よくらむ [藤原敏行朝臣]
[す] すみのえの きしによるなみ よるさへや ゆめのかよひぢ ひとめよくらむ
22 吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を あらしといふらむ [文屋康秀]
[ふ] ふくからに あきのくさきの しをるれば むへやまかぜを あらしといふらむ
57 めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲隠れにし 夜半の月かな [紫式部]
[め] めぐりあひて みしやそれとも わかぬまに くもがくれにし よはのつきかな
70 さびしさに 宿を立ち出でて ながむれば いづくも同じ 秋の夕暮 [良選法師]
[さ] さびしさに やどをたちいでて ながむれば いづこもおなじ あきのゆふぐれ
77 瀬を早み 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢はむとぞ思ふ [崇徳院]
[せ] せをはやみ いはにせかるる たきがはの われてもすゑに あはむとぞおもふ
81 ほととぎす 鳴きつる方を ながむれば ただ有明の 月ぞ残れ [後徳大寺左大臣]
[ほ] ほととぎす なきつるかたを ながむれば ただありあけの つきぞのこれる
87 村雨の 露もまだひぬ 槇の葉に 霧たちのぼる 秋の夕ぐれ [寂蓮法師]
[む] むらさめの つゆもまだひぬ まきのはに きりたちのぼる あきのゆふぐれ
ニ字決まり (42句)
3 あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む [柿本人麻呂]
[あし] あしびきの やまどりのをの しだりをの ながながしよを ひとりかもねむ
4 田子の浦に うち出でてみれば 白妙の 富士のたかねに 雪は降りつつ [山部赤人]
[たご] たごのうらに うちいでてみれば しろたへの ふじのたかねに ゆきはふりつつ
5 奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の 声聞くときぞ 秋は悲しき [猿丸大夫]
[おく] おくやまに もみぢふみわけ なくしかの こゑきくときぞ あきはかなしき
6 鵲の 渡せる橋に 置く霜の 白きを見れば 夜ぞふけにける [中納言家持]
[かさ] かささぎの わたせるはしに おくしもの しろきをみれば よぞふけにける
10 これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも あふ坂の関 [蝉丸]
[これ] これやこの ゆくもかへるも わかれては しるもしらぬも あふさかのせき
13 筑波嶺の みねより落つる みなの川 恋ぞつもりて 淵となりぬる [陽成院]
[つく] つくばねの みねよりおつる みなのがは こひぞつもりて ふちとなりぬる
14 陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れそめにし 我ならなくに [河原左大臣]
[みち] みちのくの しのぶもぢずり たれゆゑに みだれそめにし われならなくに
16 立ち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば 今帰り来む [中納言行平]
[たち] たちわかれ いなぱのやまの みねにおふる まつとしきかば いまかへりこむ
17 ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは [在原業平朝臣]
[ちは] ちはやぶる かみよもきかず たつたがは からくれなゐに みづくくるとは
20 わびぬれば 今はた同じ 難波なる 身をつくしても 逢はむとぞ思ふ [ 元良親王]
[わび] わびぬれば いまはたおなじ なにはなる みをつくしても あはむとぞおもふ
23 月見れば ちぢに物こそ 悲しけれ わが身ひとつの 秋にはあらねど [大江千里]
[つき] つきみれば ちぢにものこそ かなしけれ わがみひとつの あきにはあらねど
24 このたびは ぬさもとりあへず 手向山 紅葉のにしき 神のまにまに [菅家]
[この] このたびは ぬさもとりあへず たむけやま もみぢのにしき かみのまにまに
26 小倉山 峰の紅葉ば 心あらば 今ひとたびの みゆき待たなむ [貞信公]
[をぐ] をぐらやま みねのもみぢば こころあらば いまひとたびの みゆきまたなむ
33 久方の 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ [紀友則]
[ひさ] ひさかたの ひかりのどけき はるのひに しづこころなく はなのちるらむ
34 誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松も昔の 友ならなくに [藤原興風]
[たれ] たれをかも しるひとにせむ たかさごの まつもむかしの ともならなくに
36 夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月宿るらむ [清原深養父]
[なつ] なつのよは まだよひながら あけぬるを くものいづこに つきやどるらむ
37 白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける [文屋朝康]
[しら] しらつゆに かぜのふきしく あきののは つらぬきとめぬ たまぞちりける
40 忍ぶれど 色に出でにけり わが恋は 物や思ふと 人の問ふまで [平兼盛]
[しの] しのぶれど いろにいでにけり わがこひは ものやおもふと ひとのとふまで
41 恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか [壬生忠見]
[こひ] こひすてふ わがなはまだき たちにけり ひとしれずこそ おもひそめしか
43 逢ひ見ての 後の心に くらぶれば 昔は物を 思はざりけり [権中納言敦忠]
[あひ] あひみての のちのこころに くらぶれば むかしはものを おもはざりけり
46 由良の門を 渡る舟人 かぢを絶え ゆくへも知らぬ 恋の道かな [曽禰好忠]
[ゆら] ゆらのとを わたるふなびと かぢをたえ ゆくへもしらぬ こひのみちかな
47 八重むぐら しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋は来にけり [恵慶法師]
[やへ] やへむぐら しげれるやどの さびしきに ひとこそみえね あきはきにけり
51 かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしもしらじな 燃ゆる思ひを [藤原実方朝臣]
[かく] かくとだに えやはいぶきの さしもぐさ さしもしらじな もゆるおもひを
52 明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほ恨めしき 朝ぼらけかな [藤原道信朝臣]
[あけ] あけぬれば くるるものとは しりながら なほうらめしき あさぼらけかな
55 滝の音は 絶えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞えけれ [大納言公任]
[たき] たきのおとは たえてひさしく なりぬれど なこそながれて なほきこえけれ
59 やすらはで 寝なましものを 小夜更けて かたぶくまでの 月を見しかな [赤染衛門]
[やす] やすらはで ねなましものを さよふけて かたぶくまでの つきをみしかな
61 いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひぬるかな [伊勢大輔]
[いに] いにしへの ならのみやこの やへざくら けふここのへに にほひぬるかな
62 夜をこめて 鳥の空音は はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ [清少納言]
[よを] よをこめて とりのそらねは はかるとも よにあふさかの せきはゆるさじ
65 恨みわび ほさぬ袖だに あるものを 恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ [相模]
[うら] うらみわび ほさぬそでだに あるものを こひにくちなむ なこそをしけれ
66 もろともに あはれと思へ 山桜 花よりほかに 知る人もなし [前大僧正行尊]
[もろ] もろともに あはれとおもへ やまざくら はなよりほかに しるひともなし
71 夕されば 門田の稲葉 おとづれて 蘆のまろやに 秋風ぞ吹く [大納言経信]
[ゆふ] ゆふされば かどたのいなば おとづれて あしのまろやに あきかぜぞふく
72 音に聞く 高師の浜の あだ波は かけじや袖の ぬれもこそすれ [祐子内親王家紀伊]
[おと] おとにきく たかしのはまの あだなみは かけじやそでの ぬれもこそすれ
73 高砂の 尾上の桜 咲きにけり 外山の霞 立たずもあらなむ [前権中納言匡房]
[たか] たかさごの をのへのさくら さきにけり とやまのかすみ たたずもあらなむ
74 憂かりける 人を初瀬の 山おろしよ はげしかれとは 祈らぬものを [源俊頼朝臣]
[うか] うかりける ひとをはつせの やまおろしよ はげしかれとは いのらぬものを
82 思ひわび さても命は あるものを 憂きに堪へぬは 涙なりけり [道因法師]
[おも] おもひわび さてもいのちは あるものを うきにたへぬは なみだなりけり
85 夜もすがら 物思ふころは 明けやらで 閨のひまさへ つれなかりけり [俊恵法師]
[よも] よもすがら ものおもふころは あけやらで ねやのひまさへ つれなかりけり
89 玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの 弱りもぞする [式子内親王]
[たま] たまのをよ たえなばたえね ながらへば しのぶることの よわりもぞする
90 見せばやな 雄島のあまの 袖だにも 濡れにぞ濡れし 色はかはらず [殷富門院大輔]
[みせ] みせばやな をじまのあまの そでだにも ぬれにぞぬれし いろはかはらず
91 きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣片敷き ひとりかも寝む [後京極摂政前太政大臣 ]
[きり] きりぎりす なくやしもよの さむしろに ころもかたしき ひとりかもねむ
94 み吉野の 山の秋風 小夜ふけて ふるさと寒く 衣うつなり [参議雅経]
[みよ] みよしのの やまのあきかぜ さよふけて ふるさとさむく ころもうつなり
97 来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎ 焼くや藻塩の 身もこがれつつ [権中納言定家]
[こぬ] こぬひとを まつほのうらの ゆふなぎに やくやもしほの みもこがれつつ
100 ももしきや 古き軒端の しのぶにも なほあまりある 昔なりけり [順徳院]
[もも] ももしきや ふるきのきばの しのぶにも なほあまりある むかしなりけり
三字決まり (37句)
1 秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ [天智天皇]
[あきの] あきのたの かりほのいほの とまをあらみ わがころもでは つゆにぬれつつ
2 春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山 [持統天皇]
[はるす] はるすぎて なつきにけらし しろたへの ころもほすてふ あまのかぐやま
7 天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも [阿倍仲麻呂]
[あまの] あまのはら ふりさけみれば かすがなる みかさのやまに いでしつきかも
8 わが庵は 都のたつみ しかぞすむ 世をうぢ山と 人はいふなり [喜撰法師]
[わがい] わがいほは みやこのたつみ しかぞすむ よをうぢやまと ひとはいふなり
9 花の色は 移りにけりな いたづらに 我身世にふる ながめせしまに [小野小町]
[はなの] はなのいろは うつりにけりな いたづらに わがみよにふる ながめせしまに
12 天つ風 雲のかよひ路 吹きとぢよ 乙女の姿 しばしとどめむ [僧正遍昭]
[あまつ] あまつかぜ くものかよひぢ ふきとぢよ をとめのすがた しばしとどめむ
21 今来むと いひしばかりに 長月の 有明の月を 待ち出でつるかな [素性法師]
[いまこ] いまこむと いひしばかりに ながつきの ありあけのつきを まちいでつるかな
25 名にし負はば 逢坂山の さねかづら 人に知られで くるよしもがな [三条右大臣]
[なにし] なにしおはば あふさかやまの さねかづら ひとにしられで くるよしもがな
27 みかの原 わきて流るる いづみ川 いつ見きとてか 恋しかるらむ [中納言兼輔]
[みかの] みかのはら わきてながるる いづみがは いつみきとてか こひしかるらむ
28 山里は 冬ぞさびしさ まさりける 人目も草も かれぬと思へば [源宗于朝臣]
[やまざ] やまざとは ふゆぞさびしさ まさりける ひとめもくさも かれぬとおもへば
30 有明の つれなく見えし 別れより 暁ばかり 憂きものはなし [壬生忠岑]
[ありあ] ありあけの つれなくみえし わかれより あかつきばかり うきものはなし
32 山川に 風のかけたる しがらみは 流れもあへぬ 紅葉なりけり [春道列樹]
[やまが] やまがはに かぜのかけたる しがらみは ながれもあへぬ もみぢなりけり
35 人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける [紀貫之]
[ひとは] ひとはいさ こころもしらず ふるさとは はなぞむかしの かににほひける
38 忘らるる 身をば思はず 誓ひてし 人の命の 惜しくもあるかな [右近]
[わすら] わすらるる みをばおもはず ちかひてし ひとのいのちの をしくもあるかな
39 浅茅生の 小野の篠原 しのぶれど あまりてなどか 人の恋しき [参議等]
[あさぢ] あさぢふの をののしのはら しのぶれど あまりてなどか ひとのこひしき
44 逢ふことの 絶えてしなくば なかなかに 人をも身をも 恨みざらまし [中納言朝忠]
[あふこ] あふことの たえてしなくば なかなかに ひとをもみをも うらみざらまし
45 哀れとも いふべき人は 思ほえで 身のいたづらに なりぬべきかな [謙徳公]
[あはれ] あはれとも いふべきひとは おもほえで みのいたづらに なりぬべきかな
48 風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ くだけて物を 思ふころかな [源重之]
[かぜを] かぜをいたみ いはうつなみの おのれのみ くだけてものを おもふころかな
49 みかきもり 衛士のたく火の 夜はもえ 昼は消えつつ 物をこそ思へ [大中臣能宣朝臣]
[みかき] みかきもり ゑじのたくひの よるはもえて ひるはきえつつ ものをこそおもへ
53 嘆きつつ ひとり寝る夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る [右大将道綱母]
[なげき] なげきつつ ひとりぬるよの あくるまは いかにひさしき ものとかはしる
54 忘れじの 行末までは かたければ 今日を限りの 命ともがな [儀同三司母]
[わすれ] わすれじの ゆくすゑまでは かたければ けふをかぎりの いのちともがな
56 あらざらむ この世のほかの 思ひ出に いまひとたびの 逢ふこともがな [和泉式部]
[あらざ] あらざらむ このよのほかの おもひでに いまひとたびの あふこともがな
58 有馬山 猪名の笹原 風吹けば いでそよ人を 忘れやはする [大弐三位]
[ありま] ありまやま ゐなのささはら かぜふけば いでそよひとを わすれやはする
60 大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみも見ず 天の橋立 [小式部内侍]
[おほえ] おほえやま いくののみちの とほければ まだふみもみず あまのはしだて
63 今はただ 思ひ絶えなむ とばかりを 人づてならで いふよしもがな [左京大夫道雅]
[いまは] いまはただ おもひたえなむ とばかりを ひとづてならで いふよしもがな
67 春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなく立たむ 名こそをしけれ [周防内侍]
[はるの] はるのよの ゆめばかりなる たまくらに かひなくたたむ なこそをしけれ
69 嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は 竜田の川の 錦なりけり [能因法師]
[あらし] あらしふく みむろのやまの もみぢばは たつたのかはの にしきなりけり
78 淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に 幾夜寝覚めぬ 須磨の関守 [源兼昌]
[あはぢ] あはぢしま かよふちどりの なくこゑに いくよれざめぬ すまのせきもり
79 秋風に たなびく雲の 絶え間より もれ出づる月の 影のさやけさ [左京大夫顕輔]
[あきか] あきかぜに たなびくくもの たえまより もれいづるつきの かげのさやけさ
80 長からむ 心も知らず 黒髪の 乱れて今朝は 物をこそ思へ [待賢門院堀河]
[ながか] ながから こころもしらず くろかみの みだれてけさは ものをこそおもへ
84 長らへば またこのごろや しのばれむ 憂しと見し世ぞ 今は恋しき [藤原清輔朝臣]
[ながら] ながらへば またこのごろや しのばれむ うしとみしよぞ いまはこひしき
86 嘆けとて 月やは物を 思はする かこち顔なる わが涙かな [西行法師]
[なげけ] なげけとて つきやはものを おもはする かこちがほなる わがなみだかな
92 わが袖は 潮干に見えぬ 沖の石の 人こそ知らね 乾く間もな [二条院讃岐]
[わがそ] わがそでは しほひにみえぬ おきのいしの ひとこそしらね かわくまもなし
95 おほけなく うき世の民に おほふかな わがたつ杣に 墨染の袖 [前大僧正慈円]
[おほけ] おほけなく うきよのたみに おほふかな わがたつそまに すみぞめのそで
96 花さそふ 嵐の庭の 雪ならで ふりゆくものは わが身なりけり [入道前太政大臣]
[はなさ] はなさそふ あらしのにはの ゆきならで ふりゆくものは わがみなりけり
98 風そよぐ ならの小川の 夕暮は みそぎぞ夏の しるしなりける [従二位家隆]
[かぜそ] かぜそよぐ ならのをがはの ゆふぐれは みそぎぞなつの しるしなりける
99 人もをし 人もうらめし あぢきなく 世を思ふゆゑに 物思ふ身は [後鳥羽院]
[ひとも] ひともをし ひともうらめし あぢきなく よをおもふゆゑに ものおもふみは
四字決まり (6句)
19 難波潟 短かき蘆の 節の間も 逢はでこの世を 過ぐしてよとや [伊勢]
[なにはが] なにはがた みじかきあしの ふしのまも あはでこのよを すぐしてよとや
29 心あてに 折らばや折らむ 初霜の 置きまどはせる 白菊の花 [凡河内躬恒]
[こころあ] こころあてに をらばやをらむ はつしもの おきまどはせる しらぎくのはな
42 契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波こさじとは [清原元輔]
[ちぎりき] ちぎりきな かたみにそでを しぼりつつ すゑのまつやま なみこさじとは
68 心にも あらでうき世に ながらへば 恋しかるべき 夜半の月かな [三条院]
[こころに] こころにも あらでうきよに ながらへば こひしかるべき よはのつきかな
75 契りおきし させもが露を 命にて あはれ今年の 秋もいぬめり [藤原基俊]
[ちぎりお ] ちぎりおきし させもがつゆを いのちにて あはれことしの あきもいぬめり
88 難波江の 蘆のかりねの ひとよゆゑ みをつくしてや 恋ひわたるべき [皇嘉門院別当]
[なにはえ] なにはえの あしのかりねの ひとよゆゑ みをつくしてや こひわたるべき
五字決まり (2句)
83 世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る 山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる [皇太后宮大夫俊成]
[よのなかよ] よのなかよ みちこそなけれ おもひいる やまのおくにも しかぞなくなる
93 世の中は 常にもがもな 渚漕ぐ あまの小舟の 綱手かなしも [鎌倉右大臣]
[よのなかは] よのなかは つねにもがもな なぎさこぐ あまのをぶねの つなでかなしも
六字決まり (6句)
11 わたの原 八十島かけて 漕き出でぬと 人には告げよ あまのつりぶね [参議篁]
[わたのはら や] わたのはら やそしまかけて こぎいでぬと ひとにはつげよ あまのつりぶね
15 君がため 春の野にいでて 若菜摘む わが衣手に 雪は降りつつ [光孝天皇]
[きみがため は] きみがため はるののにいでて わかなつむ わがころもでに ゆきはふりつつ
31 朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪 [坂上是則]
[あさぼらけ あ] あさぼらけ ありあけのつきと みるまでに よしののさとに ふれるしらゆき
50 君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな [藤原義孝]
[きみがため を] きみがため をしからざりし いのちさへ ながくもがなと おもひけるかな
64 朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに あらはれわたる 瀬々の網代木 [権中納言定頼]
[あさぼらけ う] あさぼらけ うぢのかはぎり たえだえに あらはれわたる せぜのあじろぎ
76 わたの原 漕ぎ出でて見れば ひさかたの 雲居にまがふ 沖つ白波 [法性寺入道前関白太政大臣]
[わたのはら こ] わたのはら こぎいでてみれば ひさかたの くもゐにまがふ おきつしらなみ
映画「ちはやふる 」
作品紹介(上の句・下の句・結び)
幼なじみの綾瀬千早(あやせちはや/広瀬すず)、真島太一(ましまたいち/野村周平)、綿谷新(わたやあらた/新田真剣佑)の3人。新に教わった競技かるたで、いつも遊んでいたが、家の事情で新が故郷の福井へ戻り離ればなれになってしまう。
高校生になった千早は、新にもう一度会いたい。会って「強くなったな」と言われたい一心で、競技かるた部を作る事を決意。高校で再会した太一と呉服屋の娘で古典大好き少女・大江奏(おおえかなで/上白石萌音)、競技かるた経験者で“肉まんくん”こと、西田優征(にしだゆうせい/矢本悠馬)、秀才の“机くん”こと、駒野勉(こまのつとむ/森永悠希)の5名の部員で瑞沢かるた部を創部。
全国大会を目指して練習に励み、東京都予選に臨む。
なんとか強豪北央学園に勝利し東京都大会優勝。全国大会へ。
が、思わぬ新の告白「かるたはもうやらん…」。
ショックを受ける中、最年少でクイーンに登りつめた若宮詩暢(わかみやさおり/松岡茉優)の存在を知る。
クイーンに勝ちたい!新に会いたい!という気持ちにとらわれた千早は、競技かるた部の仲間たちから離れてしまうが、太一をはじめ部員の仲間によって気付かされる。
ひとりじゃない。
そして、団体戦、個人戦へと。
それから、2年。
かるたから離れていた新が、高校でかるた部を作って全国大会で千早たちと戦う事を決意。
一方、高校最後の全国大会を目指す「瑞沢かるた部」であったが、突然、太一がかるた部をやめてしまう。
再び、かるたで繋がるのか。
▼「ちはやふる -結び-」予告
▼「結び」を観る前に!「ちはやふる -上の句・下の句-」ダイジェスト映像
まとめ
競技かるたは、100枚の札から互いに25枚づつ並べて、残りの50枚は空札として戦い自陣の札を取ったり、お手つきや敵陣の札を取って送り札して、自陣の札を無くした方が勝ちとなる競技なんですね。
記憶力だけでなく瞬発力や体力も必要で、運を呼び込むくらい気のこもった競技であると分かりました!
競技かるたの緊張感やスピード感も楽しみですね。
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