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【落語】はじめてでも安心!寄席へ行って落語を楽しもう。主な演芸場も紹介

 2019/06/22 芸能 伎芸
 
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寄席のはじまり

現在の寄席の原型となったのは、1780年代に「烏亭焉馬うていえんば」が中心となり、行われた「はなしの会」です。

1回目の咄の会は、1786(天明6)412日、向島の料亭で行われました。このときは、狂歌関係者を中心に、100人あまりの客を招いて開催され、寄せられた小咄の数々が、催主の焉馬によって披講されました。

これが大好評となり、その後も毎年1回ずつ開催されるようになり、年中行事化され、焉馬の自宅などで「定会じょうかい」という月例会も催されました。

この焉馬主催の会には、三遊亭圓生さんゆうていえんしょう立川談笑たてかわだんしょう朝寝房夢羅久あさねぼうむらくなど、のちに職業落語家としてそれぞれ一家をなす人々が加わっていました。

その中の一人であるくし職人だった京屋又五郎が、落とし噺を得意としたところから、「山生亭花楽さんしょうていからく」と名乗り(のちに三笑亭可楽)、寛政の中頃(1790年頃)に、下谷柳の稲荷境内で初めて落語の寄席興行を催しました。

それまでは、落し噺の会といえば、素人衆がその日限りで料亭屋や貸席を借りて催すものでしたが、ある程度の期間と場所を特定し、代金をとって興行をする落語寄席へと進化していきました。

これが現在に繋がる、寄席のはじまりです。


寄席ってどんなところ

寄席は、1回の公演で10人前後の落語家と、色物いろものと呼ばれる漫才や紙切り、奇術などの芸を観ることができます。

その日の出演者は、昼と夜の最後の出番を務める「主任(トリ)」を中心に決められ、1人あたりの持ち時間は、15分前後です。主任の持ち時間は、他の演者に比べて長く30分前後取ることもあります。

また一か月の興行は、10日間ごとに「上席(かみせき)」「中席(なかせき)」「下席(しもせき)」に区切られ、それぞれ別の公演が行われます。ちなみに、月末の31日は「余一の日」といわれ、余一会として独演会などの特別興行が行われます。

寄席は基本的に12回公演であり、昼と夜では出演者が異なります。さらに、入退場が自由であり(再入場は不可)、公演中の飲食も可能です。場内には売店があり、弁当やアルコールを販売している寄席もあります。

しかし、いくら自由な寄席でも、マナーはあります。

あまり音がする食べ物は控えたり、お手洗いへ行く時は、演者の入れ替わりの時に行くようにしましょう。


寄席へ行ってみよう

1年365日、ほぼ毎日興行が行われているのが寄席です。

寄席の1日のスケジュールは、昼の12時頃から始まる「昼席」と、夕方17時頃から始まる「夜席」があります。どちらとも、4時間ほどの公演であり、途中に仲入り(休憩)があります。また、昼席夜席の入れ替えがある寄席と、無い寄席があります。

ちなみに、昼夜入替制があるのは、鈴本演芸場、池袋演芸場の下席で、その他の寄席は、一度木戸銭を払えば、1日中寄席を楽しめます。

チケット代(入場料)を、木戸銭きどせんと言います。この木戸銭は、寄席により異なりますが、平均すると約2,700円です。

ほとんどの寄席が事前予約ではなく、当日券かつ自由席なので、思い立った時に気軽に行けるのが魅力です。そして場内へ入れば、寄席の雰囲気を存分に味わうことができます。

一度に10人前後の落語家の噺が聴けるので、それぞれの違いを自分なりに感じることも、寄席を楽しむポイントのひとつです。また、噺を聴き色物を観ながら、自分の笑う箇所が他のお客と合うか合わないかを楽しめるのも寄席ならではの魅力のひとつです。


主な寄席・演芸場

鈴本演芸場

[上野]

アクセス▶︎地下鉄上野広小路駅から徒歩2

江戸時代末期の1857(安政4)年に創業し、現存する中では、最古の歴史を持つ寄席です。1971(昭和46)年に現在の場所へ移転し、ビルの中にある寄席として興行を続けています。また一階の木戸口(切符売り場)の上が太鼓櫓(たいこやぐら)になっているため、前座が、一番太鼓や追い出し太鼓を叩いているところが見え、寄席の雰囲気を盛り上げます。

浅草演芸ホール

[浅草]

アクセス▶︎地下鉄田原町駅から徒歩7

1964(昭和39)年創業。フランス座の45階に落語定席として開業しました。しかし1971年に劇場が閉鎖し、現在の演芸ホールは1階にあります。また浅草寺から直ぐの立地で、参拝客や観光客の観覧も多い寄席です。さらに年末年始も営業し、「東京一忙しい寄席」として、しばしネタにされています。

新宿末廣亭

[新宿]

アクセス▶︎地下鉄新宿三丁目駅から徒歩2

1897(明治30)年創業。戦災で焼失しましたが、1946年に北村銀太郎の手により再建され、演芸番組の中継会場としても全国に知られた寄席です。椅子席のほかに、畳敷きの桟敷席(さじきせき)が唯一ある寄席です。昭和初期に建てられた、風情ある木造建築の建物ということもあり、仲入りの際には、従業員の方が、桟敷席のドアや窓を開けて換気します。暑さに敏感な方は、暑さ対策をする事をおすすめします。
また、二ツ目落語家の自主興行として、毎週土曜日の夜に「深夜寄席」が催されています。

池袋演芸場

[池袋]

アクセス▶︎池袋駅西口から徒歩3

1951(昭和26)年からの営業。1993年に改築し、演芸場そのものは地下にあります。落語家ひとりの持ち時間が20分と他の寄席より長く、マイクがないため肉声の高座が楽しめます。全92席のアットホームな雰囲気の寄席です。

国立演芸場

[千代田区隼町]

アクセス▶︎地下鉄半蔵門駅から徒歩6

1979(昭和54)年に、国立劇場の一部として開場しました。1階は、資料展示室とエントランスがあり、寄席は2階にあります。定席公演は原則、上席と中席のみとなり、月に一度の「国立名人会」「花形演芸会」なども開かれています。また前売り券も購入でき、座席は指定席となっています。

お江戸上野広小路亭

[上野]

アクセス▶︎地下鉄上野広小路駅徒歩1

毎月115日の昼は、落語芸術協会の定席が行われます。また、円楽一門や立川流の定期公演や合同公演も開催されます。

お江戸日本橋亭

[日本橋]

アクセス▶︎地下鉄三越前駅から徒歩2

月後半の平日の夜は、芸術協会の定席が行われます。また、講談・浪曲・義太夫などの伝統芸能の会も開かれ、若手が独演会をすることも多い寄席です。

お江戸両国亭

[両国]

アクセス▶︎JR両国駅から徒歩5

毎月115日まで、円楽一門により「両国寄席」が開催されます。一門にとっては、寄席に代わる拠点です。

横浜にぎわい座

[横浜・野毛]

アクセス▶︎JR桜木町駅から徒歩3

横浜にゆかりのある人が、代々館長を務めています。月初めの1週間は、落語家や色物が複数登場する「横浜にぎわい寄席」が開催されています。そのほかにも、落語の独演会や講談、漫才、コントなど、大衆芸能を中心に様々な会を催しています。

落語協会黒門亭

[上野

アクセス▶︎JR御徒町駅から徒歩5

毎週土日の昼に、二部構成で行われる落語会です。落語協会主催の寄席で定員が40名であり、落語協会の2階にある和室の部屋で開催されます。

花座

[宮城県・仙台市]

アクセス▶︎地下鉄南北線勾当台公園駅から徒歩1

2018(平成30)4月に、仙台初の定席として開場しました。一番町という繁華街に位置し、椅子が40席とこぢんまりした、温かみの雰囲気がある寄席です。津軽三味線の会など、東北の伝統芸能の発表場としても活動しています。

大須演芸場

[愛知県・名古屋市]

アクセス▶︎名古屋市営地下鉄鶴舞線大須観音駅から徒歩3分

中京圏唯一の寄席。1965(昭和40)年に戦災で失われていた寄席を20年ぶりに復活させましたが、2014年に営業が終了しました。しかしその1年後に再開し、現在では毎月第1週目は、定席を行なっています。古今亭志ん朝が10年間、3日連続の独演会を開いたりと、歴史のある演芸場です。

天満天神繁昌亭

[大阪・大阪天満宮]

アクセス▶︎地下鉄南森町駅から徒歩3

2006(平成18)年開場。それまで寄席がなかった関西にできた、上方落語待望の定席です。午前10時から開演する「朝席」もあり、様々な落語会が開かれています。

動楽亭

[大阪・西成区]

アクセス▶︎地下鉄動物園前駅から徒歩1

桂ざこば師匠が席亭を務め、米朝事務所所属の落語家が出演します。また、毎月120日の14時から定席があります。

神戸新開地・喜楽館

[神戸・新開地]

アクセス▶︎新開地駅東改札口から徒歩2

2018(平成30)7月に開場。昼は上方落語の定席、夜は上方落語や東西落語、講談、浪曲などの演芸を行い、幅広く楽しむことのできる寄席です。


 わつなぎオススメ記事 >> 【落語】おもしろおかしい話にほろりとくる話!落語演目あらすじ18選。与太郎も登場


まとめ

寄席は、なんといっても「ふらりと気軽に行ける」ところが魅力です。

テレビなどの映像やCDでも、落語をはじめとする演芸を楽しむことはできますが、寄席へ行くとその場やそこにいる人たちが作り出している空気感を味わう事ができて色々な発見があります。

少しでも気になった方は、ぜひ足を運んでみてください。
その場所へ行った人にしか分からない、楽しい体験が出来ますよ。


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あやふみ亭

あやふみ亭

小中学生のときに見た『タイガー&ドラゴン』をきっかけに、落語を聴き始めました。
失敗談を笑えて、人情味が溢れている落語が大好きです。

月に3〜5回ほど、寄席へ足を運んでいます。
また、ラジオを聴くことも大好きです。
「自らのやじ馬の目で見て、耳で聞いた面白いこと」を書いて、
読んだ人が、日本文化への興味関心を示す、
窓口になれば良いなぁと思っています。


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