【甘酒】飲む点滴に飲む美容液!効果的な飲み方。米麹と酒粕の甘酒の違いと効果
甘酒とは
甘酒は名前に「酒」がついていますが法律上はアルコール度数1%未満の清涼飲料水です。
甘酒にはブドウ糖のほかにビタミン類やアミノ酸などの体に必要とされる栄養分が豊富に含まれていることから甘酒は飲む点滴、飲む美容液とも呼ばれています。
甘酒の起源には諸説ありますが「日本書紀」には「天甜酒(あまのたむざけ)」、「万葉集」には「糟湯酒(かすゆざけ)」の記述があり当時から甘酒が作られていたことが分かります。
江戸時代になると甘酒を売る店や行商人も現れ、夏の風物詩として広く親しまれるようになりました。
夏の季語にもなっている甘酒ですが冷蔵庫のなかった時代には衛生管理が難しかったこともあり、やがて夏よりも冬の飲み物として定着しました。
米麹の甘酒
米麹の甘酒はごはんに米麹と水を加えて作ります。
米麹とは米に麹菌を繁殖させたもので日本酒をはじめ、味噌やみりんにも用いられています。
米のデンプン質は麹菌の分解作用によりブドウ糖に変わるため米麹から作る甘酒には砂糖を使わなくてもやさしい天然の甘さがあります。
米麹の甘酒には多くの栄養素が含まれていて体内での吸収もすみやかなこと、一切アルコール分が含まれていないことなどから子どもや妊婦、アルコールが苦手な方でも安心して飲めます。
酒粕の甘酒
酒粕の甘酒は酒粕に水と砂糖を加えて作ります。
酒粕とは日本酒造りの工程でできる「もろみ」をしぼった残りの部分で、もろみ全体の4分の3が日本酒に、4分の1が酒粕になります。
このため酒粕の甘酒にはごく微量ではありますがアルコール分が含まれています。
市販されている酒粕の甘酒の多くはアルコール分1%未満の清涼飲料水ですが微量とはいえアルコール分を含むので運転をする前やアルコールが苦手な方、子どもや妊婦などは注意が必要です。
酒粕には独特の風味があり「この風味が好き」という人と「この風味が苦手」という人に大きくわかれるようですが米麹の甘酒とおなじく多くの栄養素を含んでいます。
米麹の甘酒の効果
米麹の甘酒にはブドウ糖、ビタミン類、アミノ酸など多くの栄養素が含まれています。ここからはそれぞれの栄養素がどのように私たちの体に効果的なのかをみていきましょう。
美容効果
米麹の甘酒にはビタミン類、とくにビタミンB2やB6、ナイアシンなどのビタミンB群が豊富に含まれています。
ビタミンB群にはたんぱく質の代謝を活性化させる性質があるため肌の代謝がよくなります。とくにビタミンB2は老化の原因のひとつとされる過酸化脂質の分解を促すとされアンチエイジングの面で期待できるほか肌や髪の再生が活発になる働きもあります。
代謝不足や肌のトラブルに悩んでいる方にとって米麹の甘酒はまさに「飲む美容液」ですね。
疲労回復
米麹の甘酒に含まれているブドウ糖は体を動かすためのエネルギー源であり、唯一の脳のエネルギー源でもあります。
通常、食べ物を摂取すると体内で食べ物が分解されブドウ糖となりますが、米麹の甘酒の場合はすでに麹菌の働きによりブドウ糖の状態で摂取できるため体内での吸収が非常にスムーズです。
体の疲れだけではなく勉強や会議などで生じる脳の疲れにも甘酒が持つ疲労回復効果はとても役立ちます。
腸内環境の改善
米麹の甘酒は腸内環境の改善にすぐれた効果を発揮します。
私たちの腸内にはおよそ500~1000種類、100兆個以上の細菌が住んでおり、それぞれの種類ごとに分布している様子を「腸内フローラ」と呼びます。
日本人の腸内フローラには炭水化物を好む細菌が多いそうで米麹の甘酒はまさに細菌が喜ぶ栄養素の塊のようなものです。
糖分もあるため摂り過ぎには注意が必要ですが1日の適量とされるコップ一杯(150~200ml)を2週間ほど毎日飲み続けると腸内フローラが変化してくるとされています。(*体質や甘酒との相性にもよります)
腸内環境が改善されることで便秘の解消、肌荒れの改善、疲労回復などが期待できますので米麹の甘酒を飲む習慣をはじめてみましょう。
酒粕の甘酒の効果
酒粕の甘酒と麹菌の甘酒には多くの栄養素が含まれていますが、とりわけ注目したいのが酒粕の甘酒にだけ含まれている「レジスタントプロテイン」です。
レジスタントプロテインとはたんぱく質からできている食物繊維のような働きをする成分のことで、腸内で余分な脂肪を吸着・体外への排泄を促す性質を持っています。また、余分な脂肪を体外へと排泄することからコレステロールの低下や肥満抑制、腸内環境改善、胆石形成抑制などに効果が期待できるとの研究結果もあります。
酒粕の甘酒には砂糖が使用されていることや微量のアルコール分を含むことなどから摂取には注意が必要ですが上手に生活に取り入れたいですね。
効果的な甘酒の飲み方とは?
これまでお伝えしてきたように甘酒は非常にすぐれた飲み物ですが決して万能ではありません。
考え方としては栄養バランスの取れた食事の補助、“足りない栄養分を甘酒で補う” という位置づけです。効果的な飲み方としては、“どのような目的で飲むか” にポイントを置くといいでしょう。
・朝の甘酒は脳を目覚めさせ1日を元気にスタートさせます。
・昼の甘酒は午前中の疲労回復と午後からの集中力・活力UPが望めます。
・夜の甘酒はストレスの緩和と安眠を得られます。
その日のスケジュールや体調に合わせて甘酒を飲むと効果的です。
まとめ
甘酒は飲む点滴や飲む美容液と言われるほど美容や健康効果にすぐれた飲み物です。
材料が酒粕か米麹かでアルコール分や砂糖の有無に違いがありますが、どちらの甘酒にもそれぞれ利点があり効果的な飲み方があります。
とはいえまずは甘酒のおいしさを楽しむことがいちばんです。
甘酒の味を楽しみつつその効果を上手に取り入れていきましょう。
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