三角形に俵型、球状。“おにぎり” “おむすび” 違いはある!? 歴史から言葉の由来
この記事の目次
「おにぎり」「おむすび」の歴史
弥生時代
石川県の杉谷チャノバタケ遺跡から日本最古のおにぎり「粽状炭化米塊」という化石が出土し、弥生時代にはすでに存在していたと考えられています。米を炊いて握られたのではなく、もち米を蒸して固めて焼いた粽に近いものでした。
奈良時代
元明天皇の勅により日本各地のことを記した「風土記」が編纂されました。そのうちのひとつ「常陸国風土記」に「握飯」の記述が残っています。
平安時代
貴族の宴で「屯食」と呼ばれるものが用意され、従者に振る舞われました。
これがおにぎりの起源と考えられています。1合半もある蒸したもち米を、大型の楕円形に握り固めたもので、防人など兵士の携帯食としても使われました。
鎌倉時代
1221(承久3)年、承久の乱で鎌倉幕府の武士に、兵糧として梅干入りのおりにぎりが配られました。
これが、全国に梅干しが広まったきっかけといわれています。鎌倉時代末期になると、普段から私たちが食べている、うるち米のおにぎりが食べられるようになりました。
江戸時代
旅人の携行食や農民の間食として、おにぎりは食されていました。
アサクサノリの養殖が始まり広く販売されるようになると、持った時に手にご飯粒がつかないことから、おにぎりに海苔を巻く習慣ができました。
言葉の由来
おにぎりの語源
おにぎりは、ごはんを握るという動作が由来とされ「握飯」から「にぎり飯」そして「おにぎり」になったと考えられています。また、魔除けの意味を込めて「鬼斬り」という説もあるようです。
おむすびの語源
おむすびは「古事記」に登場する「高御産巣日神」と「神産巣日神」の名前が由来とされ、神様の力を授かるためにおむすびと呼んで食べられたと考えられています。
ほかにも、良い縁を結ぶという意味で「お結び」という説。宮中などに仕えていた女性が使っていた女房詞で、むすびかためることから、上品に「むすび」と呼んでいた説。さらに、おむすびの「び」には「魂」の意味があり「魂を込めたもの」という意味があるという説もあります。
形の違い
おにぎりは「丸形」や「俵型」など形を限定せず、どんな形でもいいという説があります。
一方で、おむすびは神様の形である山型にすることで、その頂点に神様が宿ると信じられていました。そのため三角である必要があるとされています。
作り方の違い
手でしっかり握ったもの、握ったご飯に海苔をしっかり巻いたもの、丸形でしめった海苔が全体を覆っているものが「おにぎり」という説。笹の葉などに包んで紐で結んだもの、パリパリとした食感が残るように軽く海苔を巻いたもの、三角で一部にパリパリの乾いた海苔を巻いたものが「おむすび」という説があります。
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まとめ
「おにぎり」と「おむすび」の違いには諸説ありましたが、どちらで呼んでも間違いではなく同じ物で、はっきりとした違いはないようです。
各地にはさまざまな形や味のものがあります。気軽に楽しんでみてください。
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