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【着物の柄】季節を先取りがおしゃれ!四季にあわせた着物柄選び

 2018/07/19 伝統 芸道
 
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季節にあわせた着物柄

今回は、春・夏・秋・冬にわけて、季節にあう着物の柄をご紹介します。その前に、『季節の先取り』についてご説明しますね。着物の柄に多いのは四季の植物ですが、春には春の花の着物、冬には冬の花の着物を着るのが定番です。洋服でも、真冬にヒマワリ柄を着ていてはちょっとおかしいですよね。着物は洋服以上に季節感にこだわりたいものなのです。

さて着物の季節感ですが、花が咲き始める1カ月ほど前から、その花の柄を取り入れるのが粋とされています。

桜を例にあげましょう。春を象徴する桜ですが着物の柄として見たときは、満開を迎える1カ月ほど前から着て、花の盛りにはもう着ないというのがおしゃれなんです。

「せっかく満開なのに・・・」とお思いになるかもしれませんが、実際の花と競い合うのは良くないと言われているんですね。

このように着物の柄は、実際の季節より早く着はじめて、季節の本番にはもう次の季節の柄を着るという『先取り』がおしゃれです。

春にあった着物柄


開花の時期は4月の上旬から5月の下旬ころ。ゴールデンウィークには関東で見ごろを迎え、藤棚が有名な観光地は混雑しますね。藤の花は着物の柄によく使われます。繁殖力が強く「ふじ」が「不死」につながることから、長寿や子孫繁栄の象徴として縁起がいいものとされてきたんですね。桜が見ごろを迎えるころに着ると、ちょうどよい季節の先取りになります。

日本の春といえば桜ですよね。季節を先取りするには、3月の上旬ころから着物の柄に取り入れるのがいいのでしょう。桜の柄に関しては、1年中着てもよいという風潮があります。日本を代表する花なので、季節を問わずに着ましょうということですね。しかし、全ての桜柄に当てはまるわけではありません。たとえば、桜の花弁だけでなく、幹や枝が描かれているもの。これは、古典的・文化的なモチーフとしての桜ではなく、植物としての桜を写実的に描いているので、春にだけ着るのがよいというのが通説です。また秋のお茶会など特定の季節を楽しむ場で着るのは、できるだけ避けたほうがいいでしょう。

夏にあった着物柄


紫陽花

初夏におすすめの柄です。見る人にも涼しげな印象を与えます。紫陽花=梅雨のイメージは日本人なら誰もが持っています。こうした柄は季節感の演出にぴったりですが、逆に言えば、この時期以外は着られない着物です。一通りの着物が揃ったら、こうした季節にピンポイントの柄をコレクションに加えるのも楽しいですね。

桔梗

秋の花ですが、夏から秋の始まりにかけて着るのが粋です。夏用の薄物である絽(ろ)の着物や帯に描かれることも多く、季節の先取りの文化がうかがえますね。桔梗と同様に、秋のイメージのある萩もこの季節に取り入れることができます。

花火や金魚

いかにも夏らしい柄ですね。こういったモチーフは夏の始まりから立秋くらいまでが適しています。季節の先取りと同じくらい大事なことは『季節の後取りをしない』ことです。残暑の頃には秋の先取りが始まりますので、夏真っ盛りのイメージがあるものはその前に楽しみましょう。

秋にあった着物柄


もみじ

秋の定番柄ですね。実際の紅葉が見ごろを迎える少し前から取り入れましょう。赤く色づいたもみじは秋の柄ですが、緑の葉の場合は夏の着物として扱います。秋の着物には落ち葉の柄がよく使われます。もみじを含め、いろいろな落ち葉が風で集まった様子を表す「吹き寄せ」という柄もあります。秋の深まった10月ころから冬にかけて似合う柄です。

菊も秋の柄の定番です。桜と同様、季節を問わずに着られる場合もあります。写実的な絵柄や、秋草など季節感の強いものと一緒に描かれていれば、秋の着物です。古典的な文様と組み合わせてあるものは、通年使えます。留袖や訪問着などのフォーマルな着物や帯に多く見られますね。

冬にあった着物柄


南天

冬は花が少なく、着物の色合いも寒色系になりがちですが、そこに彩りを添えてくれるのが南天の赤い実です。「難を転じる」という意味で縁起のいい柄です。11月初旬から2月ぐらいまでが良い季節でしょう。涼しさを演出するために、夏着物にデザインされることもあります。

椿

椿の柄は着る時期を少し迷う方も多いのではないでしょうか。種類によって春と冬の両方に開花するので、着物の柄としては10月から4月まで長く使うことができます。季節の先取りを考えると、2月くらいまでの冬場に楽しむのがいいかもしれませんね。

いち早く春を知らせてくれる花ですから、冬の終わりに着物に取り入れますまさに季節の先取りを楽しめる柄です。

通年着ることができる着物


桜や菊でもご説明しましたが、季節を問わず通年着られる着物柄もあります。季節を限定するものとの見分け方は、基本的には以下のパターンです。

①写実的か、文様的か。

②季節感が強いか、弱いか

②に関しては、植物が単独で描かれていたり、その季節特有のものと一緒に描かれていれば、季節感が強いと言えるでしょう。逆に、桜と紅葉のように時期の違うものを組み合わせた柄は、季節を問わず着られます。その他に、通年着られるのが吉祥文様です。植物を描いていても、季節にとらわれず使うことができます。

松竹梅

誰もが知るおめでたい柄ですね。松・竹・梅が単独で写実的に描かれる場合は季節柄ですが、一緒に描かれている場合は通年柄です。

麻の葉

植物に由来する文様ですが、縞や格子柄と同じような扱いで、季節を問わず着られます。

四君子

蘭・竹・菊・梅を描いた文様です。四季を代表する花が集まっているので、どの季節でも着ることができます。

まとめ

季節の代表的な柄をご紹介しましたが、あまり難しく考える必要はありません。

『季節外れ』さえ避ければ、自然と季節に相応しいコーディネートになりますよ。
四季折々の装いを楽しみましょう。

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とうこ

とうこ

学生時代、茶道サークルで着付けを習い、茶道よりも着物が好きになってしまいました。
卒業後、仕事をしながら着付け師の免許を取得し、着物屋に転職。
いちばん最初に自分で作った着物は、薄青の地色にふわふわの小鳥が飛んでいる小紋でした。それ以来、どうも目にとまるのは動物柄が多くなり、鳥やら猫やら熊やら・・・。
ペットがウサギのため、特にウサギ柄の着物や帯・小物を見つけるとついつい手が伸びてしまい、結果、タンスは動物園状態です。

堅苦しいと思われがちな着物ですが、けっこう「なんでもあり」なところが面白さですよね。
着物がもっと身近な存在になるように、楽しくお伝えしていきたいと思います!

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