【茶道】初心者のための茶道具一覧!茶道体験にはこれがあれば安心
この記事の目次
茶道具[か行]
懐紙
[かいし]
和紙でできたナプキンのようなものです。
お茶席では、二つ折に重ねて懐に常駐させておきます。指先を吹いたり、お菓子を乗せて取り皿代わりにしたり、お茶碗を吹いたりするための必需品です。また、ちょっとしたメモ帳代わりにもなりますし、食べ残しのお菓子をさりげなく包んで持ち帰るのにも使います。とっさにちょっとお金を包んでお渡しする際も、ポチ袋代わりになって便利です。男性用と女性用では大きさが違います。正式なお茶席では白が基本で、透かし以外は模様は入りませんが、普段のお稽古には、可愛らしい柄や季節の柄の入ったものを使っても楽しいかもしれません。
釜
[かま]
お湯を沸かすためのもので、ほとんどが鉄製ですが、まれに銀製や鋳銅製のもあります。
派手好きの豊臣秀吉は「黄金の茶室」を造らせましたが、そこでは金製の茶釜が用いられました。茶釜の胴体の形は、ぶんぶく茶釜のようなふっくらしたものが一番多く、次に円柱型もよくみられます。もっと変わった形のものもありますが、どれも必ず両側に取っ手(鐶付)がついています。
上に口があり、そこから柄杓で湯を汲んだり水を足したりします。一般的に、風炉用よりも炉用のものの方が大きいです。
建水
[けんすい]
茶碗をゆすいだ後、水を廃棄するための容器です。
材質や形はいろいろありますが、一番よく目にするのは、唐銅製で、餌畚(えふご)と呼ばれる太目の瓢箪の上を切ったような形のものです。陶器のものや、記事の桶のようなものもあります。取りあえず安価なお道具を最低限分だけ揃えて、自宅で気軽にお茶を点てたい場合は、陶製の方が、手頃なものをみつけやすいかもしれません。
茶道具[さ行]
扇子
[せんす]
流派によって、また、男性と女性によって大きさが違いますが、いずれも普通の使い扇子に比べると小さいです。
涼をとるためではなく、お互いに敬意を表するためのもの小道具で、これは茶席に限らず、扇子を置いてご挨拶する日本式のマナーを踏襲するものです。
茶道では、ご挨拶に使う以外に、自分の席に印として置いておきます。(置き方は流派によって違います。)また、お稽古場によっては、開いたお扇子にお月謝を載せて、先生にお渡しするそうです。しかし、茶会中はいつも閉じらていますし、色柄は自由に好きなものを選ばれるといいでしょう。
茶道具[た行]
出袱紗
[だしふさ]
濃茶をいただくときに、お茶碗を乗せます。織の裂地で仕立てられており、色柄はさまざまです。
有職文様などの錦は格調高いですし、美しい金襴や緞子も、しっとりと渋いお茶室でのちょっとした華やぎのワンポイントになります。またシック好みなら、間道と呼ばれれる縞模様が上級者っぽくなります。
自分のこだわりの色柄のものを懐に入れていると、お稽古やお茶席が楽しくなるでしょう。
裏千家では、古帛紗といってやや小ぶりのものを使います。
茶入
[ちゃいれ]
濃茶を入れる小さな壺のような容器です。
本体は陶器で、華美な色柄のものはありません。象牙製の白い蓋がついていて、蓋裏に金箔が施されていることもあります。仕覆と呼ばれる上質の布の袋に入れられており、うやうやしく扱います。
客が濃茶をいただいたあと、「お茶入れの拝見を」と所望するのが習いで、鑑賞の対象になります。
茶巾
[ちゃきん]
水で注いだお茶碗を拭くための小さな布布です。
奈良晒などの白い麻布でできています。清潔なものを使うのは、言うまでもないことでしょう。千利休が、田舎の茶人に1両で茶道具購入を依頼されたとき、白布一反に「わび茶にはきれいな茶巾があれば充分」と一筆添えて送った、というエピソードがあります。
上等の茶道具よりも、清潔な茶巾の準備の方が大切だということのようです。
茶筅
[ちゃせん]
薄茶を点てるための、竹製のホイッパーのような道具。
竹の上部を細かく割いて薄く削り、内側にカーブさせてできています。流派によって材質と穂先の形に若干違いがあります。お茶を点てるのに必要不可欠で、最低限用意しなければならないものの一つです。
茶杓
[ちゃしゃく]
抹茶を掬って茶碗に移すための細長い匙です。
竹製のものがほとんどですが、茶席の趣旨や季節や場所によって、象牙、ガラス、木地、漆塗りなどのものもあります。竹製の場合も、節のあるなし、節の位置などが、茶席のTPOによって変わります。
茶人が自分で竹を削って作ることも多く、その場合、かい先の形にこだわりが表れます。「○○好み」と呼ばれる、代々家元の好んだ形もあります。
茶席で出される茶杓には銘がついており、鑑賞の対象となります。
茶碗
[ちゃわん]
日本各地の焼き物の産地で作られたものや、舶来品が用いられてきました。
陶器、磁器、産地も様々です。濃茶と薄茶では、用いる茶碗の傾向が違います。
例えば、柄入りの磁器の茶碗は薄茶にしか使いません。また、夏にはお茶が熱すぎないように、底が浅くて口が広い「夏茶碗」を使うことがあります。
季節感と亭主の心遣いなのですが、夏茶碗はお茶がこぼれやすく、点てる側も飲む側も注意が必要です。逆に、冬にはお茶が冷めにくい筒茶碗を使うことがあります。
茶道具[な行]
棗
[なつめ]
薄茶を入れる容器。
植物のナツメの実の形に似ていることから名づけられました。ほとんどは漆塗りで、大きさと形に若干のバリエーションがあります。
模様がついていることも多く、客はその色柄と他の道具の組み合わせから、亭主の選んだ茶席のテーマを推し測るのも、茶会の楽しみです。
茶道具[は行]
柄杓
[ひしゃく]
湯や水を汲むためのもので、蹲などに使う柄杓よりは細身で繊細です。
炉用と風炉用では、大きさや形がやや違います。自宅稽古用には、一本の購入で済むようにと「兼用」のものも売られています。
その場合は、ハイブリッドのような大きさと形をしています。
一本で済むのは手軽ですが、正式な茶席にはあまり使わないでしょう。
帛紗
[ふくさ]
お道具を清めるためのもので、流派によって色が少し違います。
茶席では、普通は亭主だけが使いますが、客も正式な席に招かれた場合は、懐に差していきます。
客としての体験なら持参しなくてもいいですが、亭主の袱紗捌きの鮮やかさを拝見しましょう。
手前のお稽古をするのなら、必ず必要です。
蓋置
[ふたおき]
出典:Wikipedia
柄杓が釜を離れているときは、蓋置の上に載せます。
一番基本的な手前に使うものは竹製ですが、風炉用と炉用があります。棚や板を使った手前には、金属、陶磁器類、木などの材質で、色、柄、形も様々なものが使われ、茶席の趣旨や季節によって選ばれます。
風炉
[ふろ]
炭火を入れて釜をかける道具で、火鉢や手あぶりに似ています。
一般的に、炉を使わない季節(初夏から秋にかけて)に用いますが、炉のない茶室では、冬でも風炉に釜をかけます。
茶席に入ったときは、着席の前に、掛け軸や茶花と供に風炉も拝見し、風炉や釜の形、風炉内にきれいにあしらわれた灰などを鑑賞します。
茶道具[ま行]
水指
[みずさし]
水を入れておく容器で、ここから水を汲みだして、茶碗を洗ったり、釜に足したりします。
茶碗同様に、様々な陶磁器でできています。茶席の格や、他の道具との兼ね合いによって選びます。
蓋は、焼き物の供蓋を使う場合と、黒塗りのものを使う場合があり、また、転用もあります。
例えば、盛夏の茶席では、大き目の植物の葉を蓋にして季節感を演出します。
茶道体験に用意したい道具
白足袋(白い靴下)
和装の場合は、必ず足袋は真っ白のものを用意します。柄はなし。ワンポイントも避けます。
洋装の場合は白い靴下でも失礼ではないでしょう。
ただし、本格的なお稽古を続けていくなら、靴下や足袋型ソックスでは、畳をすり足で歩く感触などが、どうしても足袋とは違います。
あると便利、自分で用意して良い道具
扇子、懐紙、袱紗などの持ち物は、「数寄屋袋」というポーチに整理するとよいでしょう。
自作もできます。懐紙や袱紗を持ち歩くのに、「袱紗ばさみ」というケースがあれば、皺になったりヨレヨレになったりせず便利です。これも、器用な方は自作すると楽しいですし、作り方の本も出版されています。
また、主菓子(羊羹やお饅頭など)が出される場合は黒文字が用意されるでしょうが、菓子切を持参する人もいます。
▼数寄屋袋
まとめ
ご紹介した茶道具は、数々ある茶道具の中で一部です。
茶道をはじめて行く上で、最低限必要なものを用意し、あとは代用品を工夫する傍ら、無理のない範囲で少しずつ揃えていけばよいでしょう。
やがてお道具が一通り揃えば、お茶席らしいしつらえが整ってきます。
ご縁があって手に入れたお道具は、大事に使っていくのも、茶道の心だそうですよ。
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