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【寿司】彩り鮮やかハレの日の料理! ちらし寿司に五目寿司、ばら寿司、混ぜ寿司の違い

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「ちらし寿司」とは?

「ちらし寿司」とは握り寿司に使う具材を酢飯の上に並べたものです。寿司ネタを握らずに散らしてあることから「ちらし寿司」となりました。ちなみに「海鮮丼」は酢飯ではなくごはんの上に具材を並べたものを言います。

もともとちらし寿司は江戸時代後期に寿司職人のまかないとして誕生しました。なお江戸前のちらし寿司は「生ちらし」「吹き寄せちらし」「ばらちらし」とも呼ばれています。

江戸前寿司が主流の関東周辺では江戸前寿司の具材を酢飯の上に並べたものを「ちらし寿司」と呼んでいますが、関東周辺以外の地域では酢飯に具材を混ぜ込んで錦糸卵や蒸しエビなどで飾り付けたものを「ちらし寿司」と呼んでいるところも多くはっきりとした区別はついていません。


「五目寿司」とは?

「五目寿司」とは具材が酢飯に混ぜ込まれている寿司のことです。誕生は「ちらし寿司」よりもかなり古く鎌倉時代とされています。

江戸前寿司では酢飯の中に具材がなければ「ちらし寿司」、具材が混ぜ込まれていれば「五目寿司」と区別しています。また、五目寿司という字を見ると具材が5種類と考えてしまいがちですが、ここでの五目とは種類が豊富という意味になります。

「五目寿司」は昔からある家庭料理なので地域や家庭により具材は多種多様ですが、代表的な具材には干しシイタケ、カンピョウ、レンコン、ニンジン、カマボコ、油揚げなどがあります。さらには季節の山菜や地域で採れる海産物などを加えることも多く、まさしく「五目寿司」は家庭の数だけレシピがある料理と言えるでしょう。


「ばら寿司」とは?

「ばら寿司」とは「五目寿司」の元祖とも言われるお寿司です。酢飯に具材が混ぜ込んであり西日本を中心に日本各地にご当地ならではの「ばら寿司」があります。

「ばら寿司」の「ばら」は具材をバラバラにする(細かくする)という意味で、その名の通り酢飯の中に細かな具材が混ぜ込まれています。


「ばら寿司」と「ばらちらし」の違い

おなじ「ばら」がつくお寿司には「ばら寿司」のほかに「ばらちらし」があります。江戸前寿司ではばら寿司のように新鮮な海鮮ネタを細かくして並べたものを「ばらちらし」と呼んでいます。

握りずしのネタをそのまま並べたものが「ちらし寿司」、ちらし寿司よりもネタが細かいものが「ばらちらし」です。具材の大きさが均一で彩りも華やかなので「ばらちらし」はお祝いの席などにとても似合います。


ご当地ばら寿司

具材をバラバラにして酢飯に混ぜ込んだ「ばら寿司」。日本各地にご当地ならではの「ばら寿司」がありますがなかでも有名なのが岡山県の「備前ばら寿司」と京都府の「丹後ばら寿司」です。


備前ばら寿司

岡山県の「備前ばら寿司」は「岡山ばら寿司」「隠し寿司」「まつり寿司」とも呼ばれている県を代表する郷土料理です。具材はシャコ、エビ、アナゴなどが一般的ですが地域や家庭により異なります。

今では岡山県を代表する料理となった「備前ばら寿司」ですが、その歴史は江戸時代に始まったという説があります。

江戸時代、備前岡山藩主であった池田光政は1668(寛文8)年、藩内に「倹約令」を出しました。当時は大洪水、大飢饉、物資不足と苦しい財政状況であったようです。しかしながら「食事は一汁一菜とする」という倹約令に庶民は困惑したと想像されます。

せめて祭りの日ぐらいはごちそうを食べたい。そこで生み出されたのが「ばら寿司」でした。

酢飯の中にさまざまな野菜や魚といった具材を混ぜ込んで隠してしまおう、これならば一見すると一汁一菜、しかしながら本当は具沢山のお寿司、とは愉快ですね。こうして庶民の知恵から生まれたお寿司こそが岡山県の「備前ばら寿司」なのです。


丹後ばら寿司

京都府の「丹後ばら寿司」も生活の中から生まれたお寿司です。

丹後半島では昔からサバの水揚げが豊富でした。しかしサバはとても傷みやすかったため塩漬けか焼きサバにして各地へと運んでいました。当地では焼きサバを使った料理が多く見られ、「ばら寿司」もそのうちのひとつに数えられます。

伝統的な作り方はサバを長時間煮込んでそぼろ状にしたものを酢飯の上にのせますが、現在ではサバ缶を使ったばら寿司も人気がありほかの地域では見られない特大サイズのサバ缶も普通に店頭で売られています。


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「混ぜ寿司」と「五目ちらし」の違い

お寿司の仲間には「混ぜ寿司」と呼ばれるものもあります。「混ぜ寿司」とは主に西日本での「五目寿司」の別称です。酢飯に具材を混ぜ込んで作ること、使われる具材は地域や家庭によって各種あること、などが共通しています。

ちなみに関西では「混ぜ寿司」と「ばら寿司」がおなじ意味で使われている地域もあり、江戸前の「ちらし寿司」以外は「五目寿司」=「混ぜ寿司」(=「ばら寿司」)となります。


まとめ

みなさんはどのお寿司がお好みでしょうか?

「ちらし寿司」「五目寿司」「ばら寿司」「混ぜ寿司」「ばらちらし」「生ちらし」「吹き寄せちらし」「隠し寿司」「まつり寿司」など、文中でお伝えした呼び名だけでもこれだけありました。

それだけお寿司が地域や家庭に密着した食べものであると改めて感じてみてください。


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