【土用の丑の日】年に何日かある!夏の土用の丑の日に鰻を食べるのはなぜ?由来や意味を紹介
土用の丑の日とは
土用とは
季節の変わりをつかむ為に作られた雑節のひとつです。
夏の土用が有名ですが、土用の期間は年に4回あり、立春(2/4日頃)、立夏(5/6日頃)、立秋(8/8日頃)、立冬(11/8日頃)の前の18日間を土用の期間といいます。
すべての事象を木・火・土・金・水の5つに分け考える五行説では、春は「木」夏は「火」秋は「金」冬は「水」とわけ、季節の変わり目を「土」とされ「土用」といいます。
そして、立秋(8/8日頃)の前の18日間である夏の土用は、暑く体調を崩しやすいため養生するのが良いと考えれてきました。
丑の日とは
丑は、十二支(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)のひとつで、年や時間、方角を表します。
また、日を表記するにも使われ、丑が付く日を丑の日と言われ、12日に1回が丑の日となります。
土用の丑の日とは、土用の期間中にある丑の日になります。
よって、春、夏、秋、冬に土用の丑の日があります。年によっては、土用の期間と丑の日が変わるため、土用の期間中に丑の日が2回あることもあります。
例えば土用の入り初日が丑の日であった場合、12日後にはもう一度丑の日がやって来ます。1回目の丑の日は一の丑、2回目の丑の日は二の丑と呼ばれます。
なぜ丑の日に着目したのかは諸説さまざまですが、丑は昔の人々にとっては農作業時の大切な労働力や運搬力であり、家族同様に大切にされ、丑の日に養生するようになったのではないかとも言われています。
2023年土用の丑の日
1月19日/1月31日/4月25日/7月30日/10月22日/11月3日
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なぜ鰻をたべる?
夏の土用の丑の日は、梅雨明けの時期とも重なり、急激に気温や湿度の変化が起こりバテやすい時期です。このため、昔からこの時期には、丑の「う」にちなみ、「う」の付く精の出る食べ物を摂ると良いと言われてきました。
そして、土用の丑の日=うなぎとなったのは江戸時代の中期とされてきています。
有名な学者・平賀源内が夏に売り上げの落ちる鰻屋のために「本日、土用丑の日」と張り紙をしたところ、鰻屋にお客さんが殺到したと言い伝えられています。これが夏の土用の丑の日にうなぎを食べる習慣の元になったと言われています。
しかし、これ以前から鰻は精の付く食べ物だと日本では認識されていました。
平安時代の万葉集では、大伴家持が「石麻呂に吾れもの申す夏痩せによしといふものぞ 鰻とり食せ」、「痩す痩すも生けらばあらむを将(はた)やはた鰻を漁ると河に流れな」といった、大伴家持が夏やせした知り合いに鰻を勧めるという歌を詠んでいます。
万葉集にも記載されるほど、鰻は栄養価が高く滋養に良いと日本人が体感的に知っていたことを物語っています。
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うのつく食べ物
鰻以外にも「う」のつく食物として夏の土用の丑の日に好まれ食べられている食べ物もあります。
梅干し
梅干しも土用の丑の日にはよく食べられています。
梅干しにはクエン酸やリンゴ酸が含まれ糖質の代謝を促し、エネルギー返還を円滑にして疲労回復を助けます。また食欲増進効果や消化吸収を助ける働きもあり夏バテ対策には効果的です。
そして、殺菌作用も高いことから、冷蔵庫などがなく食べ物の管理が難しかった昔から大切にされてきた食べ物です。
夏バテ予対策としてだけではなく、食中毒予防としても丑の日にはぴったりの食べ物です。
鰻との食べ合わせが良くないと昔から言われてきましたが、現在は医学的には何の根拠もないことがわかっています。
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うどん
うどんは喉ごしがよく、暑い時期でも食べやすいことから、丑の日には昔から好んで食べられていました。
糖質中心のためエネルギーになりやすく、消化もされやすいため胃腸の弱りやすい夏の土用にも適切な食べ物です。またうどんの原料である小麦粉にはビタミンやミネラル、植物性たんぱく質も含まれており、糖質だけでなくさまざまな栄養も摂れます。
さらに、うどんにかけられている出汁にも、アミノ酸などの人体には欠かせない栄養素が詰まっています。
うどんは一品で手軽に栄養が摂れるため、昔から重宝されていました。
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瓜
瓜も丑の日に食べると良いと言われている食べ物です。
マクワ瓜や胡瓜(きゅうり)、西瓜(すいか)、冬瓜(とうがん)、苦瓜(にがうり)などはすべてウリ科で、夏に旬を迎えるこれらの食物には、体の熱を冷ます作用があります。またウリ科の植物はカリウムが豊富なため、体内の余分な水分を排出する利尿作用、体内の塩分バランスを整える作用があります。
カリウムは健康な人であれば、汗や尿で体外に排出されるため、夏には積極的に摂りたい栄養素で、不足すると倦怠感や食欲不振など夏バテの症状が現れやすくなります。
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まとめ
今でこそ、栄養素的にも夏バテ予防に鰻やうどん、梅干し、瓜などが良いと証明されています。
しかし、実際にはその前から経験的に丑の日には「う」の付く食べ物が良いと先人達は知っていたんですよね。
素晴らしい知恵ですね。
この知恵にあやかり、今年も「う」の付く食べ物で養生し、夏を乗り切りましょう。