【糠(ぬか)】米ぬかを食べる・使う! 糠の活用方法に効果をご紹介
この記事の目次
糠とは
糠とは玄米を精米する際に削り取られる、糠層と胚芽の部分です。その量は玄米の10%程度ですが、ビタミンや食物繊維などの栄養が凝縮されています。
江戸時代に白米食が広まりましたが、その途端、脚気(かっけ)(ビタミンB1不足で起こる)が増大したといわれています。いかに玄米の栄養価が高く、それまで人々の健康を支えてきたか伺えるエピソードです。
現在も白米が主流で、糠は食用ではなく肥料や食用油や化粧品の原料として使われることが多いです。しかし、再び栄養価の高さが注目され、最近は糠を日々の食生活に取り入れたいと考える人が多くなっています。
玄米にはクセがあるため苦手という人もいますが、糠は玄米とほぼ同じ栄養を持ちながら、乾煎りすることで香ばしく食べやすくなり、食生活に取り入れやすいのが魅力です。
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糠の栄養
糠には、ビタミン、ミネラル、食物繊維などのさまざまな栄養が豊富に含まれています。
ビタミンB1
様々な食材の中でも糠のビタミンB1含有量はトップクラスです。ビタミンB1は水溶性で、体内に蓄えておけないため、毎日積極的に摂取したい栄養素です。
食物繊維
糠の食物繊維にはフィチン酸・イノシトール・フェルラ酸が含まれます。フィチン酸には、がんの抑制効果が期待されていますし、イノシトールは血圧を下げたり、コレステロールの流れを良くする働きがあります。
フェルラ酸には抗酸化作用と紫外線吸収作用があり、化粧品にも多く使われています。
脂質
糠の脂質の中には植物ステロールやγ-オリザノールといったコレステロールを正常にする物質が含まれます。
糖質
糠の糖質の含有量は玄米や白米よりも少ないため、ダイエット中にも摂りやすいのが魅力です。ほのかな甘みを感じられるため、甘味料代わりにも使えます。
糠の効果効能
代謝・集中力アップ
ビタミンB1が体の代謝、特に糖質の代謝を向上させるため、疲労回復に効果的です。また、ビタミンB1は中枢神経をはじめとする体の神経系をサポートするため、集中力アップが期待できます。
デトックス・整腸作用
糠の食物繊維には便秘解消作用や整腸作用があります。さらに、デトックス作用も高く体内の余分なものを排出してくれます。
この作用により、アトピーや花粉症などのアレルギーが改善したケースがあります。
コレステロール降下
血液をサラサラにしたり、コレステロールを下げたりする物質が含まれているため、動脈硬化や血栓予防、心臓病予防などにも糠は良いと言われています。
年齢を重ねると、どうしても血圧やコレステロールが高くなりがちですが、食生活に糠を取り入れ、改善した人も多くいます。
美容効果
糠のビタミンや食物繊維のおかげで無理なく痩せたり、肌がきれいになったりといった美容効果もあります。また、腹持ちが良く糠を混ぜた料理を食べるとお腹が空きにくくなります。
これにより、自然に食事量を抑えられるため、ダイエット効果にも期待できます。
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糠の購入方法
糠はスーパーや米穀店、通信販売などいたるところで購入できます。
ただ、糠は農薬が残りやすい部分ですので、購入の際は残留農薬に気をつけた方が良いかも知れません。無農薬や低農薬にこだわって米を作っている農家もありますので、確認してみましょう。また、インターネットで無農薬・低農薬の糠で検索して購入するのもおすすめです。
糠と一口にいっても生糠・煎り糠・糠漬け用があり、生糠・煎り糠はそのまま食べられますが、糠漬け用には唐辛子などが入っており、料理には使えませんので注意してください。
必ず品名と原材料名を確認してから購入するのがおすすめです。
糠の食べ方
糠の食べ方・調理方法
糠の食べ方・調理方法ですが、甘味料として飲み物に入れたりヨーグルトに混ぜて食べたりするのが手軽です。
また、加熱しても栄養価は変わりませんので、味噌汁やスープに混ぜても良いでしょう。味噌汁などに混ぜるとコクが出て美味しさがアップします。
炒めものの最後に振り入れると、余分な油を吸うためシャキッとした仕上がりとなったり、パン粉の代わりにつなぎや揚げ衣として、パンケーキなどの粉類に混ぜて使うこともできます。
色々な食べ方ができますので、飽きずに続けられます。
1日の摂取量
成人で大さじ2~3杯が目安で、1度に摂るのではなく数回に分けて摂るのがおすすめです。
糠の強力なデトックス作用がほかの食事から摂った必要な成分まで排出してしまう可能性があり、腹持ちが良いため糠でお腹いっぱいになって、ほかの食事ができなくなることがあります。
成長期の子供はさまざまな栄養が必要ですので、少なめに摂るようにしましょう。(成人していない人は小さじ2杯程度)
糠の保存
糠の保存方法は種類により違います。よく確認しておきましょう。
煎り糠
未開封であれば常温で保存できますが、メーカーによっては冷蔵保存を推奨しています。よく注意書きを見てから保存するようにしましょう。
開封したものは必ず冷蔵庫か冷凍庫に入れます。
冷蔵なら2週間~1ヶ月、冷凍なら2ヶ月位もちますが、使用前はカビなど生えていないかよく確認しましょう。
生糠
生糠は冷蔵なら2週間、冷凍なら2ヶ月以内に使うようにしましょう。
使用前は乾煎り
煎り糠であっても生糠であっても料理や飲み物に使用する前はフライパンで色付く程度に乾煎りしてから使います。これにより、糠の酸化を遅らせられます。
乾煎りしたものは、密封容器に入れて冷蔵庫で2週間程度、保存可能です。
糠の活用方法
糠が余ってしまった場合、入浴剤や洗剤としても使えます。
入浴剤
糠を一握りガーゼやハンカチで包み、中身が出てこないようにしっかりと輪ゴムでしばったら、それを湯船に入れて入浴しましょう。湯船につけた後の糠で体を洗うと、肌がしっとりするのでおすすめです。
使用後は糠の栄養で雑菌が通常より繁殖しやすくなっていますので、入浴後はすぐにお湯を抜き、掃除をしましょう。
洗剤
糠は油汚れに強いため、シンクやガス台などの汚れ落としにも向いています。糠を要らなくなったガーゼなどで包み、輪ゴムでしっかりと閉じたら、それで汚れが気になる部分をこするようにします。もしくは、糠を汚れ部分に直接振りかけても良いです。
しばらくすると油と糠が混ざり、しっとりとしてくるので水拭きします。水拭きが不十分だと、悪臭の原因となってしまいますので、仕上げは念入りにしましょう。
まとめ
糠は飲み物に混ぜたり、料理の仕上げに入れたりするだけで、手軽に栄養補給ができます。
また、掃除などにも応用できるため、ご家庭にあると便利です。
糠はどこでも購入できますので、ぜひ取り入れてより健康的な暮らしに活用してみてください。
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