【麹】栄養たっぷり効果・効能!麹を使った食品を紹介。“麹”と“糀”の違いは?
この記事の目次
麹とは
麹とは、米や麦などの有機物に麹菌を繁殖させたものです。
歴史は古く、紀元前には存在したとされており、調味料や酒造りの原料として使われてきました。現在でも麹は日本酒や焼酎、本みりん、醤油など発酵食品の製造に関わっています。
麹を使った料理は「健康に良い」「美味しい」といわれ好まれてきましたが、近年、そのメカニズムが解明されてきています。
麹菌は、酵素を出して有機物を分解し、アミノ酸やブドウ糖を生成しながら増殖します。
アミノ酸などは人が旨味を感じる成分のため、麹を使った料理は美味しく感じ、麹が出す酵素は人が健康的に生きていくには欠かせない物質で、美味しさも健康も両方叶えてくれる麹は理想的な食材といえるでしょう。
ちなみに、麹菌が2006年に国菌(国を代表する菌)に指定され、麹調味料の塩こうじが2012年の新語・流行語大賞にノミネートされています。
このようなエピソードからも麹の人気を伺えますね。
麹と糀の違い
こうじには “ 麹 ” と “ 糀 ” 、2つの漢字があります。前者は米麹・麦麹・豆麹の麹全般、後者は米麹のみを指します。
麹は中国から入ってきた漢字です。中国では元々、麦で麹を作ることが多かったため、字に「麦」が入っています。
糀は日本で発明された国字です。日本では、米で麹を作っていたため、「米」が入った字を発明したといわれています。麹菌が米に繁殖する様子が、米に花が咲いたように見えることから、糀という字が出来上がったようです。
麹の種類
麹には米麹・麦麹・豆麹とさまざまな種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
米麹
米を培地に麹菌を繁殖させたものです。
米が原料のため、甘みが強いのが特徴。国内で流通している多くは米麹で、米味噌や日本酒などの食品製造に関わっています。
麦麹
大麦やはだか麦を培地に麹菌を繁殖させたものです。
九州方面でよく使われる麦味噌や麦焼酎の原料で、麦麹を用いた製品は、米麹を使ったものより甘さが控えめです。
豆麹
大豆を培地に麹菌を繁殖させたものです。
甘味や糖質が少なく、大豆の風味とわずかな渋みを感じます。豆麹は東海地方で作られる八丁味噌の原料です。
麹菌の種類
黄麹菌
黄色や黄緑をした麹菌のことです。
清酒や本みりん、味噌、醤油などの製造に幅広く使われます。タンパク質やデンプン質の分解に優れていますが、腐敗防止に役立つクエン酸を生成しません。
黒麹菌
黒褐色をした麹菌のことです。
焼酎や泡盛の製造に用いられます。黒麹菌で作られた焼酎・泡盛は旨味とコクがあり、発酵中にクエン酸を分泌するため、製造物の腐敗防止効果があることから、暑い地方で好まれます。
白麹菌
褐色をした麹菌です。
黒麹菌の突然変異により誕生し、黒麹菌と比べ白いことから白麹菌と呼ばれています。こちらもクエン酸を分泌しますが、黒麹菌で製造した焼酎よりマイルドで軽快な仕上がりとなります。
効能と栄養
栄養の吸収や消化を助ける
麹の酵素には、アミラーゼ・プロテアーゼ・リパーゼなどが含まれます。
これらは三大消化酵素と呼ばれ、アミラーゼは炭水化物、プロテアーゼはタンパク質、リパーゼは脂肪の分解に欠かせません。消化酵素が体内に十分にあると、胃腸に負担がかからず、消化や栄養の吸収がスムーズになります。
酵素は、70℃以上で加熱されると働きが悪くなってしまうため、麹の酵素を十分に活かしたいなら、生の麹を摂るようにしましょう。
低温で作れるものには、塩麹の和え衣やドレッシング、漬物などがあります。
腸内環境の改善
麹は腸内環境を改善し、生活習慣病やアレルギーなどを防ぐといわれています。
腸内には善玉菌・悪玉菌・日和見菌という常在菌がいますが、腸内環境を整えるには、善玉菌の割合を増やすことが大切です。
善玉菌を増やすには、体内に善玉菌を取り込むか、善玉菌のエサとなるものを取り入れる方法がありますが、麹は善玉菌そのものであるため、善玉菌のエサにもなります。また、麹に含まれる数々の酵素が腸内環境を整え、便秘を解消します。
疲労回復と細胞の再生
麹にはビタミン類やミネラルが含まれ、麹菌が体内で代謝される際にはビタミンB群を生成します。
ビタミンB群は疲労回復や細胞の再生に欠かせない物質で、ミネラルは細胞や臓器の働きを活発にするため、ビタミンやミネラルは健康維持には欠かせない物質です。また、麹に含まれるトリプトファンは、良質な睡眠をもたらします。
ビタミン・ミネラルは常に体で消費され続けるため、毎日摂取したい栄養素です。
昔に比べ現代の食生活はビタミンやミネラルが不足しがちだといわれていますが、麹を毎日の食事に取り入れることで、ビタミン・ミネラルを常に補充することができます。
美容効果
麹を食生活に取り入れたり、麹水を肌に塗ったりしていると、肌がきれいになったと感じる人が多いようです。これは、麹に含まれるコウジ酸に美白効果があるからです。
外食などが多く、麹を毎日食べるのが難しい人でも、麹水を基礎化粧品に取り入れるのは手軽でおすすめです。また、麹が代謝をスムーズにしてくれると肌のターンオーバーも乱れにくくなり、美肌効果が期待できます。
わつなぎ関連記事
麹からできる調味料や発酵食品
麹を用いて製造される発酵食品は、清酒や焼酎、本みりん、味噌、醤油などです。
日本酒・本みりんは米麹を使いますが、醤油・焼酎・味噌は麦麹や豆麹が用いられるため、風味の違いを楽しめます。
また、麹を加工した調味料には塩麹、甘麹などがあります。
塩麹は米麹と水と塩を混ぜて熟成させたもので、甘麹は米麹と水を加熱して作ります。甘麹はお湯でのばすと甘酒になります。
米麹を水に漬け、一晩冷蔵庫に入れてできる麹水もあります。麹水は甘酒ほどの甘味がないため、甘いのが苦手な人にも飲みやすいです。
ほかにも、べったら漬けや三五八漬けなど野菜と麹と調味料を漬けたものがあり、生の野菜と麹のダブルの酵素を手軽に摂ることができます。
わつなぎ関連記事
まとめ
麹の効能や栄養、麹を使った製品などをご紹介してきました。
麹を使った製品はさまざまで、自分に合ったものが見つけやすいです。気になるものを取り入れて、健康的な生活を目指してみてください。