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【だるま】縁起だるまの由来!だるまが赤い理由に様々な色に込められた意味。目の入れ方。

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だるまの由来

唐の時代に、酒胡子(しゅこし)と呼ばれる玩具がありました。

酒胡子は、お尻の尖った木製のコマのような人形です。卓上で回し、倒れた方向に座っていた人は、お酒を飲むか、何か芸をするという酒席の遊び道具の一つとして使われていました。

明の時代になると酒胡子は変化し、不倒翁(ふとうおう)と呼ばれる玩具が登場します。

張り子で作られ、翁を描いた転がしても倒れない人形です。室町時代の後半に、土産物として日本に伝わりました。日本で不倒翁は翁から子供の姿に変わり、起き上がり小法師と呼ばれる子供の玩具になります。

江戸時代になると「達磨大師(だるまたいし)」の姿を模した、起き上がり小法師が作られるようになり『だるま』が誕生しました。

何度倒してもすぐに起き上がる様子から、七転び八起きの縁起物として広まったのです。


だるまのモデル

だるまのモデルとなった人物は、中国禅宗の始祖「菩提達磨(ぼだいだるま)」という僧侶です。「達磨」「達磨祖師」「達磨大師」とも呼ばれます。

南インド香至国(こうしこく)の第三王子として生まれ、国王の死後に出家。般若多羅(はんにゃたら)という高僧の弟子となり40年にわたる修行の末、ついに一人前と認められます。

般若多羅が亡くなると、遺言に従い67年間インドで教えを広め、やがて中国に渡り禅の教えを伝えました。達磨大師は150歳まで生きたと伝わっています。


達磨大師の伝説

達磨大師は「面壁九年(めんぺきくねん)」と呼ばれる、壁に向かって眠らずに座禅を組み続ける厳しい修行に励んでいました。

眠らないようにするため、達磨大師は意を決して自らのまぶたを切り取ってしまいますが、まぶたを捨てたところに1本のお茶の木が生えます。葉を口にすると眠気が覚め、修行を続けることができました。

そして、9年間の修行で手と足は腐り、なくなってしまったといわれています。

諸説ありますが、着ていた法衣の下に手足が隠れて見えず簡略されていったので、だるまには手足がないように見えるという説もあるようです。


だるまが赤い理由

仏教で赤い色は位の高い人の印であり、達磨大師が赤い法衣を身に纏っていたことから、だるまが赤になったとされています。
江戸時代には疱瘡(天然痘)が流行したことで「疱瘡除け」の風習が生まれ、赤いだるまが広まりました。赤色は魔除けの色とされ、さまざまな病や災いを防げるとされていたからです。

当時この病気は疱瘡神という悪い神様が引き起こしていると信じられていたため、赤いだるまに願掛けをして病から身を守ろうとしました。流行時は、子供の枕元などに置かれていたといわれています。


だるまの色の意味

だるまといえば赤のイメージですが、今はさまざまな色のだるまがあります。生産量が全国の80%を占める高崎だるまを例に、色に込められた意味をご紹介します。

[赤] 家内安全・開運吉祥
[青] 学業向上・才能向上
[黄] 金運・幸運・夢の実現
[緑] 身体健勝・才能開花
[黄緑] 無病息災・精神安定
[オレンジ] 子宝成就・災難除け
[桃色] 恋愛成就・愛情運
[ローズピンク] 良縁成就・結婚成就
[紫] 健康成就・品格向上
[スカイブルー] 潜在能力開花・心の安定
[ペールブルー] 災難災害除け・厄除け
[金] 金運向上・仕事運
[銀] 自己実現・安産吉祥
[黒] 商売繁盛・事業繁栄
[白] 受験合格・目標達成


だるまの大きさ

だるまのサイズの単位は「丸(まる)」です。

願いが成就したら、年々サイズを大きくしていくと繁栄するといわれています。「初心に返る」という意味で大きくなったら小さいサイズに戻しましょう。ある程度の大きさになったら「重ね重ねご繁栄」という意味で毎回同じ大きさにすることもあります。

大きな願いやトラブルが多いと感じる時は、魔除けの力が強い大きいサイズから始めてだんだん小さくしていきましょう。


だるまの使い方

だるまを購入したら目入れをしましょう。

最初は願いを込めてだるまの左目(向かって右側)の目を描きます。願いが叶ったら、その日にだるまの右目(向かって左側)の目を描きます。願いが叶わなかった場合は年末に目入れをして、年始に奉納して新しいだるまを購入しましょう。
また、目入れの順番はだるまの種類や願いによって異なる場合があります。

昔のだるまには目が入っていましたが、目の入れ方に注文がつくようになりました。そのうち自分で入れたいというお客さんが増えたことで、両目が入っていない状態で販売されるようになったと考えられています。


だるまを飾る場所

だるまを飾る場所に特別な決まりはなく、顔は南から東の方角に向くようにして、願を掛けた時のことを思い出せるよう普段から目につく場所がおすすめです。

運気が下がるため、ゴミの近くやトイレのような「不浄」といわれる場所、台所、階段の下、エアコンの風が当たる場所は避けた方がいいとされています。


だるまの供養の仕方

だるまのご利益があるのは1年間。

きちんと感謝をして、だるまの供養を行っているお寺や神社でお焚き上げをしてもらいましょう。どんど焼きやだるま市でも供養してくれるところがあり、郵送で受付しているところもあります。

どんど焼きを行っている地域によって、だるまを燃やすと目がつぶれるから燃やしてはいけないという考えから、持ち込みできない場合もあるので事前に確認が必要です。


まとめ

だるまは、願いを叶える縁起物として日本人に親しまれてきました。

今ではインテリアグッズや海外へのお土産としても人気です。産地によって形や材質など特徴も異なるので、ぜひお気に入りのだるまを探してみてはいかがでしょう。


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