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【Otemachi One】大手町に、“一息つける夜”をつくる。『Otemachi One みなも花灯り』

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高層ビルの灯りがにじみ始めた大手町の夜。その一角で、水面に浮かぶ花々が静かに光を映していました。

芝生に腰を下ろす人。コーヒーを片手に立ち止まる人。スマートフォンからふと顔を上げ、水辺を眺める人。

Otemachi Oneでは、水面に浮かぶ花々と光が初夏の夜を彩る空間演出イベント「みなも花灯り」が7月31日まで開催されています。

寺社の手水鉢に季節の花を浮かべる「花手水」から着想を得た本企画。会場となるOtemachi One Gardenの水辺や緑を生かしながら、フローリスト・越智康貴さんが手がける花と光のインスタレーションが、大手町の街に新たな風景を生み出しています。

昼は自然光の中で鮮やかな表情を見せ、夜にはライトアップによって幻想的な空間へと姿を変える「みなも花灯り」。インペリアルグリーン、ウォーターガーデン、水景、大階段下、オフィス棟ロビーの5つのエリアには、それぞれ異なるテーマと色彩が与えられ、訪れる人を迎えます。

Otemachi Oneに広がっていたのは花の展示という言葉だけでは収まりません。

光と水、緑と人の時間が重なり合い、“一息つける風景”そのものがつくられています。


ART BREAK

会場となるOtemachi Oneは、大手町駅直結の複合施設です。

オフィス、ホテル、飲食店に加え、目の前に広がる皇居の緑と連続した約6,000平方メートルの緑地空間「Otemachi One Garden」を備えています。

この場所で2025年からスタートしたのが、「Otemachi One ART BREAK」というプロジェクトです。

“BREAK”には、コーヒーブレイクのような「休息」の意味が込められており、自然とアートが調和する空間を通して、単なるリフレッシュではなく、“気づき”や“つながり”が生まれる場所を目指しているそうです。

大手町は、効率とスピードの街。建物も大きく、人も多い。忙しく働く人々が絶えず行き交い、立ち止まる理由を持ちにくい街でもあります。だからこそ、この場所に「自然の揺らぎ」や「ほっと一息つける感覚」を持ち込みたい! そんな思いが、このプロジェクトの出発点にあるようでした。



都市の涼景

今回の展示を手がけたのは、フローリストの越智康貴さん。テーマの着想となったのは、寺社の手水鉢に花を浮かべる「花手水」の文化でした。

水面に浮かぶ花々。柔らかな灯り。夜の緑。そこに流れる静かな空気。 会場には、ピンクや黄色、青や赤と、それぞれ異なる感情や空気感を持った空間が点在しています。

黄色い花々と鏡を組み合わせたエリアでは、光が水辺に反射し合い、時間帯によって表情を変えていきます。青を基調にした空間では、水色やグリーンが夜の空気に溶け込み、涼しさを感じさせる風景が広がっていました。

一方、ロビー空間では、赤い花々を密集させた立体的なオブジェが強い存在感を放っています。越智さんは、「塊感」を意識したと話していました。花々が閉じ込められたような構成によって、出勤時には高揚感を、帰宅時には一日の達成感を感じられるような空間を目指したといいます。

そこにあったのは、「花を飾る」というより、「感情の風景をつくる」という感覚でした。



くつろぐ体験

印象的だったのは、越智さんが語った「来た人が、ここでくつろいでいる体験まで含めて完成形なんです」という言葉でした。

作品そのものだけではなく、そこで人がどう過ごすかまで含めて空間を考えている。芝生に座ること。コーヒーを飲むこと。誰かと話すこと。夜風を感じること。その時間そのものが、この作品の一部になっているのです。

「見るアート」ではなく、「過ごすアート」。 その感覚は、どこか日本の縁側文化にも通じるものがあるのかもしれません。何か目的があるわけではなくても、少し腰を下ろし、風を感じ、景色を眺めることが許される場所。効率やスピードが求められる都市の中に、そんな余白をつくろうとしているように感じられました。



人の数だけ地球がある

越智さんは、「人の数だけ地球がある感覚なんです」とも話していました。

同じ場所にいても、感じ方は人それぞれ違う。だからこそ、花を「飾る」のではなく、その人自身の感覚とつながる媒介として捉えているのだといいます。さらに、「先に答えを言語化しすぎると、みんながそこを目指してしまう」とも話していました。

だから、この空間には「正解」がありません。 花や光、水の揺らぎを見ながら、ただ座っている人もいれば、会話をしている人もいる。写真を撮る人もいれば、静かに夜風を感じている人もいる。そのどれもが、この空間の過ごし方なのだと思います。

効率や情報に囲まれた都市の中で、「自分がどう感じるのか」を取り戻す時間。その感覚こそが、この空間の本質なのかもしれません。



小さな余白

夜の大手町は、本来なら「通り過ぎる場所」です。けれど、「みなも花灯り」のあるガーデンでは、人々が少しだけ歩みを緩める場所にもなります。

足を止める。座る。眺める。深呼吸する。 水面に映る花と灯りが、忙しい都市の中に、小さな「夜の余白」をつくっています。

そんな時間を、静かに教えてくれる空間、『Otemachi One みなも花灯り』に、そっと立ち寄ってみてください。



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