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【着物】男着物の基礎知識!気軽に始められるワンポイントアドバイス

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着物の基礎知識

長着(ながぎ)とも呼ばれる着物は、足首まである長い和服のことを指し、明治時代以降、日常生活で洋服が用いられるようになると、従来の日本の衣服を表す言葉として利用されるようになりました。

現代でも男性の着物は、女性と異なり柄がシンプルでグレーや紺といった控えめな色が多いのが特徴です。そのため、より素材の風合いを感じやすく、着物の良し悪しが分かりやすいという特徴も挙げられます。

また、使用される場面によってフォーマルな装いとカジュアルな装いの着物が存在し、洋服と同じように様々なファッションを楽しむことができます。着物を選ぶ際は、よく使われる素材の特徴を把握しておくことが大切なので、以下の代表的な生地の種類を参考にしてみてください。


御召(おめし)

江戸幕府11代将軍の徳川家斉(とくがわいえなり)が好んでお召しになったことから、この名称になったと言われています。生糸から作られた生地は光沢と高級感に優れ、お茶会や結婚式などのフォーマルな場面で利用できます。


縮緬(ちりめん)

よこ糸に強くねじった生糸を使い、後染めにした生地を縮緬と呼んでいます。身近な例では、風呂敷の素材に利用されることが多く、ポコポコとした凹凸のある表面ながらふんわりとした触感が着心地の良い生地です。


紬(つむぎ)

真綿を使用した先染めの生地が紬で、落ち着いた色味と優れた耐久性が魅力です。江戸時代から庶民の普段着として使われていたため、現代でも基本的にはカジュアルな場面に着ていくことが多いです。


[わつなぎオススメ記事]

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帯の結び方

着物を利用する際に、大きなネックになるのが「着付け」です。しかし、男性用の着物は比較的簡単に着付けができ、帯の締め方さえマスタ―できれば、略式ながら着物を楽しむことできます。(フォーマルな場面では紋付の羽織に袴を着用するなどのルールがあります)

ここでは簡単に覚えられる①片ばさみ②貝の口という2種類の結び方を紹介していくので、どちらか自分にあった結び方を覚えてみてください。


片ばさみ

①体の前で帯の片方を半分に折り30から40センチ程余らせて左手に持つ

②帯のもう片方を右手で持ち、体に2回巻き付ける。

③余った帯の端を内側に折り返し、長さを調節する。

④左手の帯の上から右手の帯を巻き付け、しっかり結ぶ。

⑤上に出た部分を胴体に締めた帯の間に挟み込み、しっかり締める

⑥お腹を引っ込め、襟を崩さないように時計回りに結び目を後ろへまわして完成。


貝の口

④までは片ばさみと同じ手順。

⑤下に出た帯の端(細い方)を右上の方向へ折り上げ、短く太い方を巻き付けしっかり締める。

⑥片結びと同様にお腹を引っ込め、襟を崩さないように時計回りに結び目を後ろへまわして完成。


着物を着るとき

和装には着物や帯などの道具以外にも、足袋や腰紐などの小物類があり、これらを上手く活用することにより、さらに快適に着物を着ることができます。ここでは着付けをするうえでの小物の使い方やコツをいくつか紹介していきます。

[1]着物を着る下準備として肌着(肌襦袢やステテコ)を付け足袋を履きます。足袋をはじめに履くのは、着付けの最後に履くと着崩れの原因となるからです。

[2]次に長襦袢を着ます。長襦袢は肌着の上に着る衣服で、着物を羽織ると基本的に外からは見えません。しかし、例外的に襟や袖だけは人の目に触れるため、しっかり着用することが大切になってきます。

長襦袢を着るときは、両手を広げて袖をピンと張り、体の中心に長襦袢の中心がくるようにします。衿が首の後ろにぴったり添うようにすると、着崩れを防ぎやすくなります。

[3]帯を締める前に、仮止めとして腰紐(こしひも)を結びます。今ではゴム製のウエストベルトが利用されることが増えているので、誰でも簡単に扱うことができます。

腰紐の位置はへその下でお腹を支えるようにして結ぶのがポイントです。帯も同様の位置に結ぶことで、裾の広がりを防ぎ、見た目も落ち着いたバランスの良い着姿になります。


おわりに

着物に帯を巻き付けただけの着方を「着流し(きながし)」と呼び、気軽に始められるスタイルとして、お祭りなどの外出着として重宝します。

まずは「着流し」の略式スタイルで着物に親しんでから、慣れてきたころに羽織や袴を揃えていくと良いのではないでしょうか。

特に袴は結婚式などフォーマルな場面で利用されるので、着用する場面が広がるとともに着物をより楽しむことができるようなります。


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ライター紹介 ライター一覧

島塚 啓

島塚 啓

昔から歴史や文学などの日本文化が好きで、大学では学芸員免許を取得しました。
今でも茶道や美術鑑賞など五感を満たしてくれる体験を求めて、日々情報収集に余念がありません。頭のなかをいっぱいにした後は思いっきって一歩踏み出してみましょう!感動的な出会いはいつも僕たちを待ち構えているはずです……。

一生のうちで好きなことに費やせる時間は、ほんのわずかしかありません。そんな貴重な時間を大切に過ごすために、みなさまが日本文化に触れる一助になれるような記事が書ければいいと思っています。

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